ライドシェア
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創業者のスーニル・パウル(英語版)は、2002年にモバイルアプリで乗り物を呼ぶというアイデアで特許を取得している[21]

Lyftはコンピュータープログラマーのローガン・グリーン(英語版)と、ジョン・ジマー(英語版)によって、彼らが2007年に設立した都市間相乗り会社であるZimride(英語版)のサービスとして2012年夏に開始された[22]

Careem(英語版)は2012年7月に営業を開始した[23]

ヨーロッパアフリカで事業展開を行うモビリティ企業Bolt(英語版)は2013年に設立された[24]

2013年、サンフランシスコ国際空港のようなカリフォルニア州の空港では、ライドシェアリングを行うトランスポート・ネットワーク・カンパニー(TNC)車両が乗客の乗車や降車、及び客待ちのための待機を規制している。これは、TNCはカリフォルニア公益事業委員会(英語版)によって公益事業として見做され規制されており、法律用語として「Transportation network company, TNC」が使用されていることによる[25]
ドライバーの雇用形態と収入

法律で定められない限り、ライドシェアリング会社はドライバーを労働契約法上の従業員としてではなく、個人事業主に分類している。これは課税労働時間、各種手当、失業手当残業手当などに影響し訴訟問題となっている[26]

ドライバーが正規従業員として雇用されなければならない地域には、イギリス(イギリスの最高裁判所で判決が下され制定された Aslam v Uber BV(英語版)法の後)[27][28]スイス[29]アメリカニュージャージー州[30]、およびオランダが含まれる[31][32]。カリフォルニア州では2019年に制定されたカリフォルニア州議会法案5号(英語版)(AB5法案、通称:ギグ・エコノミー規制法[33][34])から、カリフォルニア州においてはドライバーを正規従業員として雇用することを義務付けたが、2020年の投票イニシアティブであるカリフォルニア州プロポジション22によって免除された。なお、このキャンペーンにライドシェア企業は数千万ドルを費やしている[35][36]

運転手の中には最低賃金を下回る賃金しか得られない者が出たため、いくつかの地域では、運転手に対し最低賃金を保証する法律が制定された[37]
タクシーへの影響ニューヨークシティタクシーの認可証

アメリカではタクシー運転手が営業することを許可する認可証または免状となるタクシーメダリオン(英語版)制度があり、この許認可は譲渡可能であるが、価値が著しく下落しており、この認可証を担保に資金を融資していた信用金庫が破綻に見舞われている[38][39]。タクシー会社は様々な理由でライドシェア会社を提訴しており[40][41]、この中には、ウーバーの運転手が適切な免許を取得しておらず、適切な認定を受けていないことを知っていたにもかかわらず、違法営業を行っていた疑いも含まれている。ウーバーは取締りを回避するための裏マニュアルを採用し、この結果、法令を遵守しているタクシーやハイヤー事業者や運転手に対し不当な競争上の優位性を有していた。

アメリカではタクシーによるウーバーに対する訴訟においてタクシー側に有利な判決で終わった例はなく、ほとんどの訴訟で和解またはウーバー側を支持する判決を下し、裁判に進んだ唯一のケースではウーバー側を全面的に支持する評決が下されている[42][43][44]

ライドシェアリングプラットフォームはタクシー業界に大きな影響を与える結果となった。しかし、調査によれば、ウーバーによって収入を失ったタクシー運転手がいる一方、ウーバーは破壊した雇用よりも多くの雇用を創出したことが調査から明らかとなっている[45]。また、ウーバーの運転手は従来のタクシー運転手と比較し、乗客を乗せた状態で高い走行距離数を占めていたことも判明している。これは、ウーバーがペアリングアルゴリズム(マッチング)を最適化しているためと考えられている[46]
問題点
安全上の問題
性犯罪

ドライバー自身による業務中の犯罪だけでなく[47]、ライドシェアのドライバーを装い、ライドシェア車両に偽装したうえで呼び出されたドライバーを装い、無防備な乗客を車に誘い込む犯罪も発生している[48]。後者はサマンサ・ジョセフソン殺害事件(英語版)とサミーズ法の導入に繋がっている[49][50][51]。ライドシェアリング会社は性的暴行を防止するために必要な措置を講じていないと批判されている[52][53][54]中国インドでも同様の強姦殺人事件が発生している。

2020年、ウーバーによるアメリカ国内における安全性レポートが公表されており[55][56]、この中で性犯罪に関し、セクシャルハラスメントなど軽微なものから強姦など深刻なものまでを含む総報告件数は3,824件発生しており[55]、この内強姦事件は141件発生、91%を乗客が占め、7%が運転手であった[55]。性別は女性が81%、男性が15%となっており、男性の被害者数が当初の報告から2倍へと増加している[55]。なお、2017年から2018年のレポートによれば報告件数は5,981件(強姦247件)であり被害は減少している。輸送回数は2019年に14億回を記録しており、2020年にはコロナウイルスの流行により6億5,000万回へと減少したことから強姦の発生割合は全体の0.00002%である[55]。このほか、2020年までの2年間の間に20件の傷害致死事件が発生し、このうち被害者の15名が乗客である[55]。継続的な身元調査から8万人の運転手がプラットフォーム上から削除された[55]
中国

2018年5月5日、鄭州新鄭国際空港から鄭州駅までの移動に滴滴出行の相乗りサービスである「順風車」を利用した21歳の女性客室乗務員がドライバーから強姦された後に殺害された[57]。女性は乗車後、男性ドライバーからのセクハラ言動に異変を感じたため、スマートフォンアプリWeChat」を通じ同僚に異変を伝えていた。その後、連絡が途絶えたため父親が警察に通報し、3日後に遺体となって発見された[57]。下半身には何も身に着けておらず、性的暴行を受けた痕跡が認められたうえ、体中にナイフで切られたとみられる多数の切創が確認された。滴滴は懸賞金を掛けドライバーの情報を求めていたが、事件から8日後の13日、鄭州市内の川で遺体となっている所を発見された。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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