ライトノベル
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の5つを傘下に収め、市場の7割[36][37]から8割[38](2007年。MF文庫Jは含まれていない)という圧倒的なシェアを誇るに至った。以降もそれぞれのブランドを存続し、競合させる中で個々の特色と方向性を打ち出すと共に、2007年には上記4レーベル(開催当時はグループ外のMF文庫Jを除く)で読者投票により大賞を決める「ライトノベルアワード」を開催した。

そのようなライトノベルの角川グループ寡占状態の中にあって、一般全国新聞への記事の掲載などにより注目されたためか、2000年代中盤から竹書房小学館ガガガ文庫ルルル文庫)などの再参入(竹書房は2007年をもって再度撤退)以外にソフトバンククリエイティブホビージャパン一迅社PHP研究所、そして講談社京都アニメーションポニーキャニオンも独自レーベルで新規参入した。その他にも、様々な自費出版系の出版社などもライトノベルのレーベルを出版している。
2012年以降

2013年10月1日、角川書店および富士見書房、アスキー・メディアワークス、エンターブレイン、メディアファクトリーの5社はKADOKAWAに吸収合併され、それぞれ社内ブランド化された。各社内ブランドのレーベルは概ね存続しているが、2015年10月に富士見書房の単行本部門(FUJIMISHOBO NOVELS)をベースに新レーベル「カドカワBOOKS」が設立されている。電撃文庫だけは創業の経緯から角川歴彦の直轄とされ、編集、営業部門が独立していたが、2015年以降はKADOKAWAへの統合が進んでいる。

時を前後するが、上記の他、ヒーロー文庫主婦の友社)やMFブックス(メディアファクトリーおよびフロンティアワークスとの共同)といったオンライン小説の書籍化専門レーベルが出現し、特に2012年頃からは『小説家になろう』への投稿作品書籍化を手がけるレーベルが相次いで立ち上げられ、それらの作品・レーベルを総称して「なろう系」と表現されるケースも増えている[39]。小説家になろうが旺盛を極めるより前からあった『Arcadia』や『アルファポリス』の投稿作品もなろう系という誤った区分を受けることもある[注釈 4]程度に、知名度が高く影響力がうかがえる。

この影響による、ライトノベル的なテキストを扱う小説投稿サイトは。2020年までに以下のサイトが新設された。

2015年4月24日NHNプレイアートによる『comicoノベル』(オンラインコミックサイト兼コミックアプリ『comico』内の投稿サイト)

2016年2月29日はてなとKADOKAWAと共同開発による『カクヨム

2016年7月26日、SBクリエイティブグループのツギクル株式会社による『ツギクル

2016年12月19日、未来創造による『トークメーカー』(現在は講談社に運営変更し現名称は『NOVEL DAYS』)

2017年11月15日 LBM Technology株式会社による『L-boom』

2018年1月29日、株式会社ノベルバによる『ノベルバ』

2018年5月10日、UDリバース株式会社による『マグネット!』(現名称は『MAGNET MACROLINK』)

2019年2月25日、講談社による『セルバンテス』(後に同社の『NOVEL DAYS』に移行)

2019年4月17日スターツ出版による『ノベマ!』(ただし現在はライト文芸中心)

2019年7月18日、ホビージャパンによる『ノベルアップ+

2019年8月5日LINE株式会社による『LINEノベル

書籍化に至ることなくサービス終了したサイトもある中、LINEノベルはオープンと同時に元・電撃文庫編集長の三木一馬を統括編集長として、LINE文庫LINE文庫エッジを創刊し、コンテンツの提供に力を入れていた。しかし、2020年に休止している。

かねてよりオンライン小説の書籍化は存在していたが、このようにウェブ上への投稿機能を備えたサイトが林立したことで、既存・新設に関わらず投稿小説からのスカウトが急増した。

また、体裁が若干異なるが、セリフを吹き出しにして顔のイラストを表示し、スクロールやタップによって演出が加わる形態のテキストの電子書籍や小説投稿サイトも登場した。上述の『comicoノベル』や『NOVEL DAYS』でも一部の作品はこの体裁である。古くは2014年にRenta!で『絵ノベル』という電子書籍の形で見られる[注釈 5]。トークアプリ風読み物だとか、チャットノベルだとか形容されている。『ストリエ』では投稿小説以外でも、既存の作品の試し読みがこの形態で公開されていた。『プリ小説 byGMO』(『プリ画像』の姉妹サービス)やアプリ『POCH』には夢小説として名前変換機能がある媒体[注釈 6]もあり、オンライン投稿としてのメリットといえる。

一方で、読者の高齢化によるニーズの高まりに応え、刊行が中断し、長く未完結であった作品を改めて完結するケースや、完結した作品の続編がファンサービス的に執筆されるケースも増えている。作者が亡くなった未完作を別人の手で完結させた『ゼロの使い魔』は前者の典型で、『フルメタル・パニック!』『灼眼のシャナ』などは後者のケースに該当する。
他ジャンルとの関係
一般向け展開

十二国記』や『氷菓』、『おいしいコーヒーのいれ方』など、当初はライトノベルレーベルから刊行されたものを一般文芸として売り出しているものもある[注釈 7]。ライトノベルレーベルも一般層向けの戦略に力を入れ始めており、各レーベルはアニメ的イラストを入れないハードカバー作品(メディアワークス)や「イラストのないライトノベル」などの発売を行っている。

『十二国記』は少女向けレーベル「講談社X文庫ホワイトハート」から刊行されていたが、たとえ少女小説が装丁やキャラクターの書き方・会話文が男性向けレーベルのライトノベルと同じように見えたとしても、前述のように少女小説は一般文芸に近いレベルの書き方を要求されてきたため、こういった越境は決して不思議な現象ではない[40]

最近ではライトノベルを読まない層にもライトノベルへの関心は広まっており、全国新聞や雑誌でもライトノベルの書評や特集が掲載されることもある[注釈 8]

テレビドラマ化された『失踪HOLIDAY』や『メイド刑事』や『掟上今日子の備忘録』、映画化された『ブギーポップは笑わない』、テレビドラマ化された後に映画化された『半分の月がのぼる空』などのように、最近では実写化も目立つようになった。また、『All You Need Is Kill』は2014年にトム・クルーズ主演でハリウッドでの実写映画が公開。日本での邦題は『オール・ユー・ニード・イズ・キル』で、キャッチコピーには「日本原作、トム・クルーズ主演。」と銘打たれた。

単行本形式でのライトノベルの発表は、現在かなりの頻度で行われている[41]

アスキー・メディアワークスは2009年冬に高年齢層向けの「メディアワークス文庫」を設立。当レーベルから刊行された三上延の『ビブリア古書堂の事件手帖』はベストセラーとなりドラマ化もされ、後にライト文芸と呼ばれる分野の代表作となった[42]

2007年6月からは富士見書房がペーパーバックでのレーベルを開始した。

ファミ通文庫を擁するエンターブレインは、ファミ通文庫から出ていた桜庭一樹の『赤×ピンク』を角川文庫から新装版発売した。

2009年3月には『スレイヤーズ』、『涼宮ハルヒの憂鬱』、『鋼殻のレギオス』など角川系のライトノベルを小学生向けに読みやすくした作品や、いとうのいぢokama鶴田謙二などの人気イラストレーターを起用した作品を含む「角川つばさ文庫」をグループ各社の協力出版形式で創刊した。

集英社も、小学生向けのライトノベルレーベルである「集英社みらい文庫」を2011年4月に刊行開始し、ジャンプJブックススーパーダッシュ文庫コバルト文庫で反響の大きかった作品やオリジナル作品を出している。


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