ライアン・ゴズリング
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また、働いていない時には気落ちしたような感覚だったとも語っている[23]

2010年、ゴズリングはミシェル・ウィリアムズと共演し、デレク・シアンフランスの監督デビュー作『ブルーバレンタイン』に出演した。映画は低予算かつ主に即興劇で作られ、ゴズリングは「自分自身で映画を撮ってるんだぞ、と思い出させなくちゃいけないんだ」と語った[96]。『サンフランシスコ・クロニクル』のミック・ラサル(英語版)は、ゴズリングが「観客へ世間への超自然的な理解を届ける」と評した[97]。『ニューヨーク・タイムズ』のA・O・スコットは、ゴズリングが「歳を取って、疲れ切り絶望的なディーンとしてはもっともらしいが、若いディーンとしてはそうでもないかもしれない」と述べた[98]。『エンターテインメント・ウィークリー』のオーウェン・グレイバーマンは、「(彼は)辛辣な労働階級の新しがり屋としてディーン役を演じたが、彼の怒りが爆発した時には、その演技は力強いものとなる」と述べた[99]。一方で『ボストン・グローブ』紙のウェスリー・モリスは、彼の演技を「間違った新しがり屋」の一例と評した[100]。ゴズリングはこの作品でゴールデングローブ賞 映画部門 主演男優賞(ドラマ部門)にノミネートされた[101]

2010年には、実話を基にしたミステリードラマ映画『幸せの行方...』にも出演し、キルスティン・ダンストと共演した。ゴズリングの役はニューヨークの不動産王ロバート・ダースト(英語版)を基にしたもので、ダンスト演じる妻の失踪に嫌疑を掛けられる[102]。ゴズリングは撮影について「陰鬱な体験」だったと語り、映画の宣伝は一切引き受けなかった[103]。映画を誇りに思えるか尋ねられたゴズリングは、代わりに「キルスティンがあの映画でやったことは誇れる」と返している[103]。『ローリング・ストーン』誌のピーター・トラヴァースは、「ゴズリングはキャラクターの内面に深く踏み込んだので、彼の神経終末に触れた気になれる」と書いた[104]。『サンフランシスコ・クロニクル』のミック・ラサルは、「カメレオンのようなゴズリングは、空虚な殻のような人間として完璧に説得力がある」と評した[105]。『ロサンゼルス・タイムズ』のベッツィ・シャーキーは、映画はダンストのものだとしつつも、「(ゴズリング)もまた良い」と述べた[106]

2010年には、社会や政治の理想に対する若者の皮肉っぽさを取り上げたドキュメンタリー番組『ReGeneration』の、ナレーションと制作も担当した[107][108]2011年のゴズリング

2011年にゴズリングが演じた3つの役は、それぞれ異なって注目を集めるものだった。まず、ロマンティック・コメディ映画『ラブ・アゲイン』で初めて喜劇的な役を演じ、スティーヴ・カレルエマ・ストーンと共演した[109]。ゴズリングは、女性を丸め込む男性を演じるため、ロサンゼルスのバーで開かれたカクテル教室に通った[110]。『ワシントン・ポスト』紙のアン・ホーナデイは、「(彼の)魅惑的な命令の存在は、ジョージ・クルーニーに次ぐ人材を見つけたのかもしれないと思わせる」と評した[111]。ピーター・トラヴァースは「とびきりいかした喜劇人」と述べ[112]、『USAトゥデイ』のクローディア・プイグは「1番驚きなのはゴズリングで、彼はコメディの才能を露わにした」と述べた[113]。彼はこの作品でゴールデングローブ賞 映画部門 主演男優賞(ミュージカル・コメディ部門)にノミネートされた[114]

ゴズリング初のアクション演技は、ジェームズ・サリス(英語版)の小説を基にした映画『ドライヴ』(2011年)で、逃がし屋 (getaway driver) をしつつハリウッドのカースタントマンとしても働く主人公を演じた[115]。この映画についてゴズリングは「暴力的なジョン・ヒューズ映画」だと述べ、「いつも『プリティ・イン・ピンク/恋人たちの街角[注釈 5]で頭を殴るシーンがあったら完璧だと思っていたんだ」と語っている[116]。監督を務めたニコラス・ウィンディング・レフンは、ゴズリングとの出会い・関係について次のように述べている。あれは素晴らしいブラインドデートだった。僕らは車の中で精神的にファックして、創造的結婚をした。僕は母親で彼は父親、そしてこの子ども[=『ドライヴ』]に生を与えたんだ。 ? ニコラス・ウィンディング・レフン[117]

ロジャー・イーバートはゴズリングとスティーブ・マックイーンを比較し、ゴズリングは「存在と誠実さを具体化する」「目立って力強いキャラクターを見つける天性の才能がある」と述べた[118]。『ウォール・ストリート・ジャーナル』のジョー・モーゲンスターンは、「目立った奮闘はあんなに少ないのに、どうやってあんなに大きな衝撃を与えられるかが目下の疑問」だとし、「彼の無駄のないスタイルをマーロン・ブランドのそれになぞらえずにはいられない」と述べた[119]

2011年最後の出演作は、フィリップ・シーモア・ホフマンと共演した政治ドラマ『スーパー・チューズデー ?正義を売った日?』で、ジョージ・クルーニーが監督を務め、ゴズリングは野心的な広報スタッフを演じた[120]。ゴズリングは映画撮影にあたり、より政治を意識するようになったが、「自分はカナダ人だし、アメリカの政治は実のところ自分の範疇じゃないんだ」と述べている[121]。『ウォール・ストリート・ジャーナル』のジョー・モーゲンスターンは、ゴズリングとホフマンは「彼らのキャラクターが持つ主題に基づき、メリハリのある演技をする素養が際立っている。ふたりとも脚本から魔術で呼び出されたような逸材ではない」と述べた[122]。『ロサンゼルス・タイムズ』紙のケネス・テュランはより冷静に作品を評し、作品は「確かに、ホフマンやジアマッティといった素晴らしい俳優たちと口論するような、カリスマ的ゴズリングを観るためのものなのだ」と述べた[123]


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