ライアン・ゴズリング
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この映画により、ゴズリングは史上7番目の若さ(当時)でアカデミー主演男優賞にノミネートされた[24][81]。2007年には映画芸術科学アカデミーの会員に招待された[82]

2007年の映画『ラースと、その彼女』では、ラブドールと恋に落ちる内向的な人物を演じた。彼は『ハーヴェイ』でのジェームズ・ステュアートの演技に刺激を受けた[83]。ロジャー・イーバートは、「言葉に出来ないことを語るライアン・ゴズリングの演技」で、「等身大のラブドールに関する映画」が「生きる勇気を与える希望の言葉」に変わったと述べた[84]。『ワシントン・ポスト』紙のアン・ホーナデイは、「(彼の演技は)小さな奇跡だ?(中略)?彼は私たちの目の前で、いつの間にか変わっていて成長しているのだから」と述べた[85]。一方で、『ニューヨーク・タイムズ』紙のマノーラ・ダージスは、「ほとんど素晴らしいキャリアの中で、この演技は珍しい計算違いだ」と述べた[86]。この映画で、ゴズリングはゴールデングローブ賞 映画部門 主演男優賞(ミュージカル・コメディ部門)にノミネートされた[87]

同じ年、ゴズリングはアンソニー・ホプキンスの相手役として、法廷スリラー映画『フラクチャー(英語版)』に出演した。当初ゴズリングは役を断ったが、ホプキンスの出演決定を聞いて出演することにした[88]。自身の演じたウィリーについて、欠点をいくつも持つなど実在の人物のように思え、自分に引きつけて考えていたと語っている[89]。役作りのため、ゴズリングは実際の審理を見学したり、弁護士たちに会ってインタビューしたりした[90]。『USAトゥデイ』のクローディア・プイグは、「ホプキンスのようなベテランが、ハリウッドいちの若手俳優としのぎを削る姿は、それだけで映画代の価値がある」と述べた[91]。『ニューヨーク・タイムズ』紙のマノーラ・ダージスは、「巧みな場面泥棒のアンソニー・ホプキンスと、同じくらい狡猾で場面を食い物にしてしまうライアン・ゴズリングとの共演という見物」と評価し、「どちらの俳優も、完全に役作りされた個人というより流動的な性格を演じているが、専門家的・個人的なカリスマ性が錬金術のように混ざり合って、互いに穴を埋めている」と述べた[92]

2007年、ゴズリングは『ラブリーボーン』(2009年)の撮影に参加する予定だったが、「創作上の不一致」(英: "creative differences")から撮影開始の2日前に降板し、役はマーク・ウォールバーグに引き継がれた[93][94]。ウォールバーグが引き継いだ役はティーンエイジャーの娘が殺害された父親役で、ゴズリングは役には若すぎると考えられたのである。監督のピーター・ジャクソンとプロデューサーのフラン・ウォルシュは、髪や化粧次第で見かけを老けさせられると説得した[94]。撮影が始まる前、ゴズリングは体重を60ポンド(27kg)増やし、老けて見えるよう髭を蓄えたが、この外見はジャクソンの求めるものではなかった[94]。ゴズリングは後に、「撮影前の段階でよく話し合わなかったのが大きな問題だった。(中略)僕はセットに行ったけれど、間違った方法だったんだ。それで僕は太って、解雇されたというわけ」と述べている[94]。この時の経験については、「うぬぼれを外に出すべきじゃないという、自分にとって重要な悟りだった。役より若過ぎたって構わないんだよ」と述べている[95]
2010年 - 2012年:注目の拡大

3年間大作から遠ざかった後、ゴズリングは2010年から2011年にかけて5本の映画に出演した。この頃について、「あれ以上の精力を持っていたことなんか無いよ。今まで以上に映画を撮ることに楽しみを見出していた」[注釈 4]と述べている。また、働いていない時には気落ちしたような感覚だったとも語っている[23]

2010年、ゴズリングはミシェル・ウィリアムズと共演し、デレク・シアンフランスの監督デビュー作『ブルーバレンタイン』に出演した。映画は低予算かつ主に即興劇で作られ、ゴズリングは「自分自身で映画を撮ってるんだぞ、と思い出させなくちゃいけないんだ」と語った[96]。『サンフランシスコ・クロニクル』のミック・ラサル(英語版)は、ゴズリングが「観客へ世間への超自然的な理解を届ける」と評した[97]。『ニューヨーク・タイムズ』のA・O・スコットは、ゴズリングが「歳を取って、疲れ切り絶望的なディーンとしてはもっともらしいが、若いディーンとしてはそうでもないかもしれない」と述べた[98]。『エンターテインメント・ウィークリー』のオーウェン・グレイバーマンは、「(彼は)辛辣な労働階級の新しがり屋としてディーン役を演じたが、彼の怒りが爆発した時には、その演技は力強いものとなる」と述べた[99]。一方で『ボストン・グローブ』紙のウェスリー・モリスは、彼の演技を「間違った新しがり屋」の一例と評した[100]。ゴズリングはこの作品でゴールデングローブ賞 映画部門 主演男優賞(ドラマ部門)にノミネートされた[101]

2010年には、実話を基にしたミステリードラマ映画『幸せの行方...』にも出演し、キルスティン・ダンストと共演した。ゴズリングの役はニューヨークの不動産王ロバート・ダースト(英語版)を基にしたもので、ダンスト演じる妻の失踪に嫌疑を掛けられる[102]。ゴズリングは撮影について「陰鬱な体験」だったと語り、映画の宣伝は一切引き受けなかった[103]。映画を誇りに思えるか尋ねられたゴズリングは、代わりに「キルスティンがあの映画でやったことは誇れる」と返している[103]。『ローリング・ストーン』誌のピーター・トラヴァースは、「ゴズリングはキャラクターの内面に深く踏み込んだので、彼の神経終末に触れた気になれる」と書いた[104]。『サンフランシスコ・クロニクル』のミック・ラサルは、「カメレオンのようなゴズリングは、空虚な殻のような人間として完璧に説得力がある」と評した[105]。『ロサンゼルス・タイムズ』のベッツィ・シャーキーは、映画はダンストのものだとしつつも、「(ゴズリング)もまた良い」と述べた[106]

2010年には、社会や政治の理想に対する若者の皮肉っぽさを取り上げたドキュメンタリー番組『ReGeneration』の、ナレーションと制作も担当した[107][108]2011年のゴズリング


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