ライアン・ゴズリング
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エンターテインメント・ウィークリー』のリサ・シュワーズバウムは、「こんなくず[役]でも並外れた才能」だと評したが[46]、『バラエティ』誌のトッド・マッカーシーは、「たくましくてカリスマ的な」若い俳優たちが「シナリオに裏切られた」ように感じたとした[47]。映画は商業的に小規模な成功を収め、製作費5000万ドルに対し、世界中で5671万ドルの興行収入を得た[48]。同じ年には『スローター・ルール(英語版)』に出演してデヴィッド・モースと共演し、モンタナ州郊外に住むアメフト選手の高校生と、厄介なコーチとの関係を演じた。ゴズリングは、モースとの共演が自身を「より優れた役者」にしたと語っている[49]。『ニューヨーク・タイムズ』紙のスティーヴン・ホールデン(英語版)は、ゴズリングについて「若かりし日のマット・ディロンを彷彿とさせるような未熟さと強烈さ」を持つ「とてつもない逸材」と述べ[50]、『ロサンゼルス・タイムズ』紙のマノーラ・ダージス(英語版)は彼の「未熟な才能」に説き伏せられたと述べた[51]。映画はアメリカ合衆国の映画館3館のみで公開され、13,411ドルの興行収入を得た[52]

2003年。ゴズリングは『16歳の合衆国』に出演し、障害を持つ男児を殺した罪で服役させられるティーンエイジャーを演じた。彼は、「全編を通して感情的に支離滅裂な」キャラクターを演じる機会はあまりないので、役に引きつけられたと語っている[53]。『シカゴ・サンタイムズ』紙のロジャー・イーバートは、「才能ある役者のライアン・ゴズリングは、リーランド[=ゴズリングの演じた役名]とできることは何でもやっているが、キャラクターは人生からではなく、作家の自尊心から出来上がっているものだ」と評した[54]。また『ニューヨーク・タイムズ』のA・O・スコットは、「彼はリーランドをありきたりの筋だらけのところから救おうと苦労した」と述べた[55]。『バラエティ』のデイヴィッド・ルーニーは、「[彼の]一本調子で完全に動揺した演技には、出世作『ザ・ビリーヴァー』のような魅力的な側面などひとつも無い」と評した[56]
2004年 - 2009年:『きみに読む物語』と『ハーフネルソン』

ゴズリングが大きく注目されるようになったのは、同じくカナダ出身のレイチェル・マクアダムスと共演したロマンティック・ドラマ映画『きみに読む物語』(2004年)後のことである[57]。作品はニコラス・スパークスの同名作品(英語版)を映像化したもので、ニック・カサヴェテスが監督した。ゴズリングはノア・カルフーン役を演じ、役について「時代を超えて?1940年から1946年まで?役を演じる機会を得たけれど、それはとても難解で物を作るような作業だった」と述べている[58]。ゴズリングは役柄に「静かな強さ」(英: "quiet strength")を吹き込もうとしたほか、共演者のサム・シェパードが『天国の日々』(1978年)で見せた演技に刺激を受けた[59]。撮影は2002年後半から2003年初頭にかけてサウスカロライナ州チャールストンで行われた[60]。この映画撮影後の2005年にゴズリングとマクアダムスは恋仲となったが、セットでは互いにいがみ合うような関係で交際に発展するとは思えなかったという[61][62][12]。ゴズリングはこの時を振り返り、「互いにひどくけしかけ合うような関係だった。恋物語を撮っているのに、共演者と全く仲良くやれないなんて奇妙な経験だったよ」と述べている[注釈 2]。撮影中、マクアダムスがあまり協力的でないと感じたゴズリングは、カサヴェテス監督に「自分がカメラに写らないショットでは別人を使ってほしい」と頼み込んだ[62]。『ニューヨーク・タイムズ』紙では、主演ふたりの「無意識で敏感な」(英: spontaneous and combustible)演技を賞賛したが、「(観る人は)心ならずもこの2人が予想を覆してほしいと応援してしまう」と述べている[63]。『ワシントン・ポスト』紙のデッソン・トムソンはゴズリングの「魅力的な気取らなさ」(英: beguiling unaffectedness)を讃え、「このふたりを好きになれなかったり、ふたりの偉大な愛を妬むようなことは難しい」と述べた[64]。映画は世界中で1億1500万ドルあまりの興行収入を得て、インフレ率を考慮しても、2011年までゴズリングのキャリア史上で商業的に最も成功した作品の座を譲らなかった[65]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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