ヨドバシカメラ
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創業当初の新宿上野横浜への出店形態は、交通至便なターミナル駅前の一等地の比較的小規模なビルにて、エントランスを開放し、フロア全体に多数の商品を同時に陳列・大量廉価販売する手法を採り、耳に残りやすい簡単な替え歌をテレビCMで流して知名度を高めた。当時の宣伝では店名に「新宿西口」を冠し、地理不案内な客にも気軽に行ける店としてPRした。当時のカメラは1台数十万円もする高級品が多く、多少の交通費・時間を犠牲にしても、市価より数万円も安ければ十分メリットがあり、加えて商品の比較検討ができる優位性が消費者に浸透した。

その後は家電パソコン・AV製品・玩具・ブランド品・雑誌類など取り扱い品目を大幅に拡大。仙台駅前の国鉄清算事業団の貨物ヤード跡地を買収し、従来の仙台駅前店・仙台東口店を統合し新築移転したマルチメディア仙台1997年3月)を皮切りに、従来よりも店舗面積と取扱品目を大幅に増やしたマルチメディア館と呼ばれる形態に移行した。2001年大阪駅北口に開業したヨドバシ梅田(ヨドバシカメラマルチメディア梅田)は売上高1000億円以上を誇る巨大複合商業施設であり、家電量販店としては日本一の売上である。

1998年からインターネットショッピングサイト「Yodobashi.com(当初はYodobashi.co.jp)」を開設し、2023年現在、送料は全て無料で指定地域では当日配送を実施している。インターネットショッピングでは、2022年度現在、Amazon.co.jp(アマゾンジャパン)、ジャパネットホールディングスに次ぐ3位(2099億円)である。ただし、1位Amazon.co.jp(3兆2051億円)との売上高の差は15倍以上となっている[3]。また、電話による通信販売「テレフォンショッピング(旧:もしもしヨドバシ)」も展開している。

家電量販店として初めてポイントサービスを導入したとされる。ヨドバシカメラのポイントサービスは「ゴールドポイント」という名称である。

2023年3月期売上高は7784億円。他の大手量販店とは異なり、企業買収・合併による規模拡大(=業界首位を目指す)を行わない、株式を上場しない、売上高より利益を重視、土地を取得した都市部での駅前出店(レールサイド・大型店戦略)、などの経営手法を採っている。[5]
沿革

1960年(昭和35年)4月 - 東京都渋谷区本町にて藤沢写真商会を創業。

1967年(昭和42年)7月4日 - 東京都新宿区淀橋(現:西新宿)にて株式会社淀橋写真商会を設立。

1971年(昭和46年)2月 - 小売部門を創設。本格的に小売販売開始。

1974年(昭和49年)10月 - (旧)株式会社ヨドバシカメラに商号変更。代表取締役社長に藤沢昭和が就任。

1975年(昭和50年)11月 - 新宿西口本店(現:マルチメディア東館)がオープン。

1976年(昭和51年)11月 - 新宿駅東口駅前店オープン。

1982年(昭和57年)11月 - 横浜店オープン(新宿地区外に初進出)。

1983年(昭和58年)10月 - 横浜駅前店オープン。

1985年(昭和60年)2月 - POSの全店展開。

1986年(昭和61年)8月 - 上野店オープン。

1987年(昭和62年)10月 - 大ガード店オープン。

1988年(昭和63年)6月 - 在庫管理システムを導入[6]。ヨドバシカメラ物流センター完成。

1989年(平成元年)4月 - ヨドバシポイントカードを発行。

1990年(平成2年)

4月 - グッドギア東口店オープン

11月 - ヨドバシゴールドポイントカードを発行。


1991年(平成3年)

1月 - 八王子店オープン。

4月 - 仙台駅前店オープン(関東地区外に初進出)。

10月 - ザ・ポイントネットワーク誌を創刊。

12月 - 新宿西口店フォトスペースオープン、DPE の集中サービス開始。


1992年(平成4年)

6月 - 物流センターの24時間稼働体制スタート

10月 - 新宿西口店OA 総合館オープン。

11月 - 新宿西口店AV・家電総合館、仙台東口店オープン。


1993年(平成5年) 4月 - 郡山駅前店オープン。

1995年(平成7年)

3月24日 - 札幌店オープン[7](北海道に初進出)。

6月 - 新潟店オープン。

11月 - 千葉店オープン。


1996年(平成8年)

2月1日 - (旧)株式会社フジサワが(新)株式会社ヨドバシカメラに商号変更し、旧会社は(新)株式会社フジサワに商号変更。

4月17日 - 株式会社フジサワを合併。


1997年(平成9年) 3月 - 仙台駅前店と仙台東口店を閉店し、マルチメディア仙台店をオープン。

1998年(平成10年)

6月 - 京急川崎駅前店オープン。

7月 - インターネット通販を開始。

11月 - 町田駅前店オープン。


1999年(平成11年) 6月 - 京急上大岡店オープン

2000年(平成12年)

4月 - マルチメディア錦糸町オープン。

6月 - 札幌店を移転し、マルチメディア札幌をオープン。


2001年(平成13年)11月 - マルチメディア梅田オープン(西日本地域に初進出)。

2002年(平成14年)11月 - マルチメディア博多オープン(九州地域に初進出)。

2004年(平成16年)

3月 - マルチメディア京急川崎を、閉鎖された西武百貨店跡である川崎ルフロンに移転し、マルチメディア川崎ルフロンとする。京急川崎の跡地には、ヨドバシカメラ各店から店頭展示終了品等を取り寄せて、アウトレット価格で販売するアウトレットストア京急川崎を開店。

9月 - マルチメディア新宿東口をオープン。


2005年(平成17年)

4月23日 - マルチメディア宇都宮をオープン[8]

9月 - マルチメディアAkibaをオープン。「ゴールドポイントカード IC eLIO」発行。

11月 - 横浜駅前店、AV・家電総合館を閉店し、三越横浜店(2005年5月閉鎖)跡にマルチメディア横浜をオープン。いすゞ自動車川崎工場跡地(後のキングスカイフロント)の一部を購入しYAC川崎(ヨドバシ アッセンブリーセンター:物流拠点)開設。


2007年(平成19年)

2月 - 西日本エリアをカバーする物流拠点として六甲アイランドにYAC六甲を開設。

6月 - マルチメディア吉祥寺オープン。


2008年(平成20年) 4月 - マルチメディア上野オープン。

2010年(平成22年)

03月 - 「株式会社ゴールドポイントマーケティング」(100%出資子会社)を設立。

11月 - マルチメディア京都をオープン。ソニーファイナンスインターナショナル発行の「ヨドバシゴールドポイントカードIC eLIO」事業をゴールドポイントマーケティングに継承させ、名称を「ゴールドポイントカード・プラス」に変更。


2011年(平成23年) 9月 - 郡山駅前店を移転し、マルチメディア郡山をオープン。

2012年(平成24年)

4月26日 - マルチメディア仙台をヨドバシ仙台第2ビル内に移転。従来の店舗は、同年4月24日をもって営業終了。

11月 - 以前、上野店のあった場所にマルチメディア上野2号店をオープン。携帯電話、ホビー、ゲーム売り場がマルチメディア上野から移転した。


2015年(平成27年)

3月 - 電子書籍サービスを開始、専用の電子書籍リーダー「Doly」も無料公開。2021年現在ゴールドポイント還元率も標準20%と高く、期間限定閲覧の無料お試し版も多く公開している。

7月 - マルチメディアさいたま新都心駅前店オープン。

10月 - マルチメディア名古屋松坂屋店をオープン(東海地方に初進出)。


2016年(平成28年)

3月 - 新潟店を移転し、マルチメディア新潟駅前店をオープン。新潟駅構内にあった店舗を、新潟駅万代口付近に新築した6階建てのビルへ移転。


2019年(平成31年・令和元年)

3月 - 本社を東京都新宿区の旧東京厚生年金会館跡地に移転[9]

4月 - 石井スポーツを買収し傘下に収める。

11月 - 本社にカメラ博物館・カメラギャラリーがオープン予定。


2020年(令和2年)

7月1日 - 創業者の藤沢昭和社長が会長に就任し、同長男の藤沢和則副社長が新たに社長へ昇格。昭和は引き続き、持ち株会社の社長を務める[10]


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