ユーティリティコンピューティングは新しい概念というわけではなく、長い歴史がある。1961年、ジョン・マッカーシーはマサチューセッツ工科大学の100周年にあたって、次のように述べている。私が主張した種類のコンピュータが将来現実となるならば、電話が公共設備となったようにコンピューティングが公共設備となる日が来るかもしれない…コンピュータ・ユーティリティは新たな重要な産業基盤となるかもしれない。
1964年のMulticsでも、コンピュータ・ユーティリティの考え方が根本にあった。[2]
IBM は以前から計算能力とデータベース用ストレージ領域を銀行などに提供する事業を行っていた。
2000年、サン・マイクロシステムズは Sun Grid サービスを開始し、最近では時間単位で計算能力を利用できるサービスを提供している[3]。 ⇒InsynQ はヒューレット・パッカードのコンピュータなどを使い、1997年からユーティリティコンピューティングのサービスを開始した。
クラウドコンピューティングの先駆けではあるが、2006年8月25日、Amazon.com は Amazon EC2 を開始した[4]。これは、最小リソースで1時間当たり0.1ドルからのコストでリソースを提供するサービスで、ストレージ容量とインターネット上のデータ転送量によっても課金される。仮想化は Xen を使い、レンダリングや計算処理だけでなく、Webサーバクラスタなどとしても利用できる。以後、クラウドコンピューティングが急速にシェアを伸ばすことになった。
脚注^ “ ⇒ユーティリティとクラウド”. www-ikn.ist.hokudai.ac.jp. 2019年6月7日閲覧。
^ ⇒A Multics based definition
^ 米Sun、1ドル/CPU時間からの簡単グリッドサービス開始