またPSPを所有するユーザーに対する、インターネットリサーチサイト「C-NEWS」が2005年8月に行った調査では、UMD Videoの所有率は男女ともに1割強であり、未所有で購入予定もないと回答した者は5割に達し、PSPはゲームでの利用が中心であることが明らかにされた[15]。その中にあって、同年9月14日の発売が発表された『ファイナルファンタジーVII アドベントチルドレン』[16]は男女とも5割以上が購入あるいはレンタルで見てみたいと回答するなど関心が高く[15]、発売後はスクウェア・エニックスの完全自社製作作品ということで映像作品ながらコンピューターゲーム専門店にも流通したり、ゲーム雑誌にも積極的に記事を掲載したりしたことでUMD Videoの作品では一番の売り上げを記録した。またゲーム以外で唯一本作のUMD版が「アルティメットヒッツ」(2009年7月30日発売)のラインナップに入っていた。 ITmedia NEWSは2005年1月20日の記事で、ソニーは他社がUMD対応のメディアプレーヤーを製造できるように、UMD技術の映画版・音楽版へのアクセスを提供する予定であることを報じた[17]。しかし動画を再生出来るデジタルメディアプレーヤーを搭載するポータブル機器が登場・低価格化する一方で、UMDを再生出来る機器はPSP(PSP-1000/2000/3000型)しか無く、その後2009年11月に発売された派生機のPlayStation Portable go、2011年12月に発売されたPSPの次世代型携帯ゲーム機であるPlayStation VitaにはUMDドライブは搭載されず、結果的にUMDビデオプレーヤーが発売されることはなかった。 記録媒体としてはSDメモリーカード等のフラッシュメモリの大容量・低価格化によって、2012年時点で8GBのSDHCメモリーカードが1,000円程度にまで値下がりしたことで、UMDは容量とコストにおいて優位性が無くなった。 UMD Video発売時の検証にて、「クオリティ面では安心して購入できるソフトではあるので、今後のラインナップ展開と市場の拡大」を期待する声もあった[13]。しかし、全年齢向けの映像ソフト市場は27の参入企業のうちソニー・ピクチャーズ エンタテインメント[18]は43タイトル程度[注 2]、ブエナ・ビスタ・ホーム・エンターテイメントは21タイトル[19]など、各社が発売したタイトル数はDVDやBlu-ray Discと比較して少なく、2010年12月22日発売の『バイオハザードIV アフターライフ』をもって新規タイトルの供給が終了した。同様に音楽ソフト市場に関しても、ソニー・ミュージックエンタテインメントにおいては2006年4月26日発売の『グループ魂 港カヲル in 都会の山賊ツアー?演奏・グループ魂?』(グループ魂)[20]、他社においては2009年8月5日発売の『Be your wings/FRIENDSHIP/Wait for you』(GIRL NEXT DOOR)をもって新規タイトルの供給が終了した。 こうしてUMDは映像・音楽用メディアとしてはCDやDVDほどの普及はしなかったが、ゲームソフト市場においては、2016年4月21日発売の『神々の悪戯(あそび) InFinite』まで新規タイトルが発売された。 なお、かつてはDVD-ROMとほぼ同等の短期間でリピート生産出来て、初回1,000枚からリピートは100枚からの少ロットでの生産が可能であった。生産コストはDVD並みで、1枚あたりおよそ250円とされた。
販売終了
脚注
注釈^ DVDに搭載されているContent Scramble System(CSS)は1999年に回避手段がDeCSSとして公開されている。
^ Waybackにアーカイブされている数[1]