ITmedia NEWSは2005年1月20日の記事で、ソニーは他社がUMD対応のメディアプレーヤーを製造できるように、UMD技術の映画版・音楽版へのアクセスを提供する予定であることを報じた[17]。しかし動画を再生出来るデジタルメディアプレーヤーを搭載するポータブル機器が登場・低価格化する一方で、UMDを再生出来る機器はPSP(PSP-1000/2000/3000型)しか無く、その後2009年11月に発売された派生機のPlayStation Portable go、2011年12月に発売されたPSPの次世代型携帯ゲーム機であるPlayStation VitaにはUMDドライブは搭載されず、結果的にUMDビデオプレーヤーが発売されることはなかった。
記録媒体としてはSDメモリーカード等のフラッシュメモリの大容量・低価格化によって、2012年時点で8GBのSDHCメモリーカードが1,000円程度にまで値下がりしたことで、UMDは容量とコストにおいて優位性が無くなった。
UMD Video発売時の検証にて、「クオリティ面では安心して購入できるソフトではあるので、今後のラインナップ展開と市場の拡大」を期待する声もあった[13]。しかし、全年齢向けの映像ソフト市場は27の参入企業のうちソニー・ピクチャーズ エンタテインメント[18]は43タイトル程度[注 2]、ブエナ・ビスタ・ホーム・エンターテイメントは21タイトル[19]など、各社が発売したタイトル数はDVDやBlu-ray Discと比較して少なく、2010年12月22日発売の『バイオハザードIV アフターライフ』をもって新規タイトルの供給が終了した。同様に音楽ソフト市場に関しても、ソニー・ミュージックエンタテインメントにおいては2006年4月26日発売の『グループ魂 港カヲル in 都会の山賊ツアー?演奏・グループ魂?』(グループ魂)[20]、他社においては2009年8月5日発売の『Be your wings/FRIENDSHIP/Wait for you』(GIRL NEXT DOOR)をもって新規タイトルの供給が終了した。
こうしてUMDは映像・音楽用メディアとしてはCDやDVDほどの普及はしなかったが、ゲームソフト市場においては、2016年4月21日発売の『神々の悪戯(あそび) InFinite』まで新規タイトルが発売された。
なお、かつてはDVD-ROMとほぼ同等の短期間でリピート生産出来て、初回1,000枚からリピートは100枚からの少ロットでの生産が可能であった。生産コストはDVD並みで、1枚あたりおよそ250円とされた。
脚注
注釈^ DVDに搭載されているContent Scramble System(CSS)は1999年に回避手段がDeCSSとして公開されている。
^ Waybackにアーカイブされている数[1]