ユニバーサル・シリアル・バス
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物理層にはPCI Express 2.0の技術が準用されている[6]携帯機器への配慮から消費電力の削減が強く求められ、SuperSpeedではポーリングが排除され、4つの待機モードも新たに設けられた。

また、USB 3.0対応機器のコネクタの絶縁体部には1.1/2.0との区別のため青色を使用することが推奨されている。

電磁放射ノイズのピークを下げるために、スペクトラム拡散クロックが必須とされた。光伝送も含まれる予定だったがコスト面からの反対が多く、revision 1.0での導入は見送られた。光伝送技術の導入に積極的なインテル社は、将来の採用を構想している。

放射電磁雑音対策のために、信号ケーブルにはシールド付きの物を使用するが、規格である3 mの伝送距離を満たした試作品は直径6 mmあり、携帯機器によってはUSBケーブルで宙に浮いてしまう。そういった事態を避けるために今後、伝送距離を1 m程度に短くし、伝送損失が許される範囲の規格で更に細い信号ケーブルを使う事も検討されている。

USB 3.0がチップセットに内蔵されることでマザーボードの標準機能に含まれるのは、AMD社ではA75、Intel社ではIntel 7シリーズからである。

増設インターフェイスカードを使用する際には、通信速度のボトルネックに注意が必要となる。USB 3.0の1ポートあたりの最大転送速度は5 Gbpsであり、PCI Express x1 (Gen 2) の最大転送速度も5 Gbpsであるため、市場に多く出回っているPCI Express x1のインターフェイスカードを増設した場合、USB 3.0を2ポート以上接続して利用するとPCI Express x1の転送速度がボトルネックとなる。これを避けるために、PCI Express x4スロットで接続するインターフェイスカードも登場している[7]。また、PCI Express x1のマザーボードからの最大供給電力は10 Wであるが、USB 3.0の2ポートに規格上限の電力を供給すると9 Wとなり、カード自体の消費電力と合わせると不足する。このため、多くのPCI Express x1のインターフェイスカードには、電源ユニットからの電力線を接続する補助電源端子が備わっている。

2012年までの多くのパソコンで、USB 3.0が1ポート(もしくは2ポート)と残りがUSB 2.0ポートという組み合わせにされている理由は、@media screen{.mw-parser-output .fix-domain{border-bottom:dashed 1px}}(1) 2009年の時点でUSB 3.0コントローラーを市場に供給できる唯一のメーカーであったルネサスのUSB 3.0コントローラが技術的に2ポートまでしか対応していないこと、(2) USB 3.0の要求する電力がUSB 2.0よりも高く、容量の大きな電源が必要になってくること、および、(3) チップセット内蔵の場合、CPUサウスブリッジ間のバス・バンド幅が現状では十分でないため、現状では全てのポートをUSB 3.0化することは技術的に不可能であること、などが原因である[要出典]。ほどなくVIAなどの各製造メーカーもUSB 3.0に対応し、また4ポート対応のコントローラーも開発されるなどで、登場から5年後の2014年頃には特にポートの少ないノートパソコンではUSB 3.0への完全対応がなされた。
USB 3.1

2013年8月1日、USB 3.0 Promoter GroupはUSB 3.1規格の策定完了を発表した。USB 3.1は、以下のようにUSB 3.0を取り込んでいる(GenはGenerationの意)。

USB 3.1 Gen 1 (05 Gbps) ← 従来のUSB 3.0のこと

USB 3.1 Gen 2 (10 Gbps) ← USB 3.1で新しく拡張

USB 3.1 Gen 2モードはSuperSpeedPlus USBで10 Gbpsの転送を可能とする[8]

SuperSpeedPlus USB 10 Gbpsでは信号転送速度を5 GHzから10 GHzにアップ、データエンコードも8b/10bからより効率的な128b/132b の採用など物理レイヤーを変更することで現行のSuperSpeed USBの2倍の実効データスループット性能を実現している。一方でソフトウェア階層やデバイスのプロトコルといった論理レイヤーは現行のUSB 3.0と共通で、USB 3.1 Gen 1モードでは5 GbpsのUSB 3.0と同様に使用でき、Gen 1モード・Gen 2モードのいずれもUSB 3.0ハブ・デバイス・ケーブルとの互換性は保たれている(ただしUSB 3.0ハブ下の機器は5 Gbpsでの転送となる)。

この結果、USB 3.1対応機器はUSB 1.1/2.0の論理レイヤー+USB 1.1/2.0の物理レイヤー、USB 3.xの論理レイヤー+USB 3.0の物理レイヤー、USB 3.xの論理レイヤー+USB 3.1の物理レイヤー という3パターンの内部動作が要求される複雑なものとなっている。
USB 3.2

2017年7月25日、USB 3.0 Promoter GroupはUSB 3.2規格を発表[9]。2017年9月25日に正式リリースされた[10]

USB 3.2は、以下のようにUSB 3.0と3.1を取り込んでいる(GenはGenerationの意)[11]

USB 3.2 Gen 1x1 (05 Gbps) ← 従来のUSB 3.0, USB 3.1 Gen 1のこと

USB 3.2 Gen 1x2 (10 Gbps) ← USB 3.2で新しく拡張(2レーン)

USB 3.2 Gen 2x1 (10 Gbps) ← 従来のUSB 3.1 Gen 2 のこと

USB 3.2 Gen 2x2 (20 Gbps) ← USB 3.2で新しく拡張(2レーン)

x2が2レーンを表している。USB 3.2 対応の両端がType-Cコネクタのケーブルを利用したときだけ2レーンが利用可能になり、20 Gbps対応となる[12]

2倍の物理層が必要な2レーンオペレーションに対応しつつも転送速度を10 Gbpsに留めておく合理的な理由がほとんど存在しないため、Gen 1x2に実用性はあまりない[13][14]

ケーブルの片側がStandard-Aでもう一方がType-CのUSB 3.1 Gen 2対応ケーブルも使用できるが、その場合、2レーンは使用できない。
USB4詳細は「USB4」を参照

2019年3月4日に仕様策定が進行中であることが[15]。2019年9月3日に仕様が一般公開された[16]。技術的にはIntelから提供されたThunderboltプロトコル仕様がベースとなっており、既存のUSB 2.0・USB 3.2仕様との後方互換性を有する[17]。バージョンに小数点以下の数字が付かなくなり、かつ、数字とUSBの間に空白を入れないことになった。

2レーンオペレーションのType-Cコネクタを使用する事が前提であり、帯域は標準で20 Gbps、オプションで40 Gbpsとなる。ただし、USBとしてのデータ転送プロトコルは最大で20 GbpsのUSB 3.2のままである。対応したプロトコル(USB 3.2、DisplayPort、オプションでPCI Expressトンネリングに対応し、最低でも1レーンを占有するDisplayPort Alt Modeでは不可能であったケーブル一本でのUSB 3.2の20 Gbpsデータ転送とDisplayPortの映像出力を同時に利用できる。


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