ユニバーサル・シリアル・バス
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技術的にはIntelから提供されたThunderboltプロトコル仕様がベースとなっており、既存のUSB 2.0・USB 3.2仕様との後方互換性を有する[17]。バージョンに小数点以下の数字が付かなくなり、かつ、数字とUSBの間に空白を入れないことになった。

2レーンオペレーションのType-Cコネクタを使用する事が前提であり、帯域は標準で20 Gbps、オプションで40 Gbpsとなる。ただし、USBとしてのデータ転送プロトコルは最大で20 GbpsのUSB 3.2のままである。対応したプロトコル(USB 3.2、DisplayPort、オプションでPCI Expressトンネリングに対応し、最低でも1レーンを占有するDisplayPort Alt Modeでは不可能であったケーブル一本でのUSB 3.2の20 Gbpsデータ転送とDisplayPortの映像出力を同時に利用できる。また、ホスト側にDisplayPort(USB4及び従来のDP Alt Mode)による映像出力の実装が義務付けられたため、規格に準拠しUSB4を名乗っているポートであれば必ず映像出力に対応する事となった。

2022年10月18日に、データ転送速度が80 Gbpsに向上したUSB4 Version 2.0の仕様が公開された。80 Gbpsでのデータ転送は既存のUSB 40Gbpsパッシブケーブル、もしくは新たに規定されたUSB 80Gbpsアクティブケーブルで可能となる。既存のUSB4・USB 3.2・USB 2.0との後方互換性を有する。

USB 20Gbps (USB4 Gen 2x2)

USB 40Gbps (USB4 Gen 3x2)

USB 80Gbps (USB4 Gen 4x2)

Wireless USB詳細は「Wireless USB」を参照

Wireless USBは、2005年5月に発表された。無線通信によるデバイス接続をサポートする。Agere Systems(現:LSIコーポレーション)、HP、インテル、マイクロソフト、NEC、フィリップスサムスン電子の7社により策定された。有線USB規格と接続性を考慮しているが、それらとは独立した規格として作成されている。
機能概略

USBでは、1つのバスに仕様上最大127台の機器を接続し同時に使用することができる。ホットプラグにも対応する。ただしOS、USB機器によっては、取り外す場合USBデバイスを停止させる手順を実施しないと警告が出ることがある。これは、ドライバ・ソフトウェアの処理で、状態の不整合による不具合が起こることがあるためである。

ホストを根 (root) とし、ハブとデバイスによる木構造の接続形態をとる。通信データはパケット化され送られる。ハブとデバイスは動作中それぞれ独立したバスアドレスを持つ。このアドレスはデバイスがバスに接続時にホストにより動的に割り当てられる。アドレスは7ビットであり、特殊用途のアドレス0を除くと127個の個別デバイスが同一バス上に同時に存在できる。パケットはHigh-speedまではブロードキャストされ、パケットに指定されているあて先アドレスを見てデバイス側で必要なパケットを受信する。SuperSpeed以降はユニキャストである。通信はホスト側からの働きかけにより開始される必要があるため、SCSIなどと異なりバス上でデバイス側からの通信開始は基本的には行えない。周辺機器同士を直接接続するための拡張仕様USB On-The-Goでは、どちらか片側がホストとしてふるまうことで「ホスト対デバイス」の関係となるよう設計されている。
転送速度
Low-Speed(LSモード)
速度 1.5 Mbpsキーボードやマウスなど、高速な通信が必要ない周辺機器に用いる。
Full-Speed(FSモード)
速度 12 Mbps
イメージスキャナープリンターなど、通信速度が要求される周辺機器に用いる。USB 1.1まではこの速度が最大である。G5 Laser Mouse等、ロジクールの一部のマウスでも用いられている。
High-Speed(HSモード)
速度 480 Mbps大容量ストレージなどを実用的な速度で扱える。USB 2.0で新設された。その他Full-Speed同様、イメージスキャナーやプリンターなど、通信速度が要求される周辺機器に用いる。
SuperSpeed(SSモード)
速度 5 GbpsHDD (Hard Disk Drive) やSSD (Solid State Drive) 等の高速デバイスを扱える。USB 3.0で新設された。USB 3.1 の仕様書では Gen 1, USB 3.2 の仕様書では Gen 1x1 と呼んでいる。
SuperSpeedPlus(SS+モード)
速度 10 Gbps, 20 Gbps600 MB/s以上のSSD等高速デバイスを扱える。USB 3.1で新設され、Gen 2 が 10 Gbps。USB 3.2 では2レーンが使えるようになり Gen 2x1, Gen 2x2 の3種類となり、Gen 2x2 は 20 Gbps。規格上はGen 1x2も存在するが、実用的ではない(10 GbpsならGen 2x1を、2レーンならGen 2x2を利用する方が合理的)なため、製品はほとんど存在しない[13][14]
独自の高速化技術

HDDなどを接続するとHigh-SpeedモードでもMass Storageクラス準拠では転送速度がボトルネックとなる場合があるため、転送方法の工夫で実効速度を向上させる製品を出荷しているところがある。バッファローの「TurboUSB」とアイ・オー・データ機器の「マッハUSB」がそれで、20 - 30%高速化すると謳っている。ソフトウェアで処理するため接続するパソコンの性能に依存し、両社ともWindowsとMac OSのみの対応となっている。
転送モード
コントロール転送
デバイスの設定・制御のためのもの。
インタラプト転送
一定間隔でデータを転送するためのもの。キーボードやマウスなどに使われる。名前から想像されるのとは異なり、ホストからの一定間隔のポーリングによって実現される。
バルク転送
比較的まとまった量のデータを非周期的に転送するためのもの。
補助記憶装置イメージスキャナなどに用いられる。
アイソクロナス転送
連続的周期的なデータを転送を行う。再送がないため確実性は保証されない。ビデオ音響機器の入出力などに使用される。
USB Attached SCSI Protocol「USB Attached SCSI」も参照

USB Attached SCSI Protocol(略称:UASP)とはUSBの拡張仕様で通信プロトコルの一つである。

一般的に補助記憶装置との通信はバルク転送が使われており、転送効率の悪さから通信速度の低下を招いていた。それに代わりSCSIデバイスで使われていた通信プロトコルを応用することで通信速度の改善を図ることができる。

UASPを利用するにはパソコン及びデバイスの対応と、それらを制御するOSの対応がそれぞれ必要である。
デバイス・クラス

USBでは、周辺機器の機能によってグループ分けされたデバイス・クラスと呼ばれる仕様群が定義されている。それぞれのクラス仕様(クラス仕様によってはサブクラスの仕様)に従って作成されたデバイスには統一した制御インターフェースが用意され、クラス仕様に準拠した機器類は、クラス・ドライバーと呼ばれる共通のデバイスドライバ・ソフトウェアによって動作させることができるため、同一クラスであれば製品ごとに個別のドライバ・ソフトウェアを作る必要がなくなっている。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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