ユニバーサル・シリアル・バス
[Wikipedia|▼Menu]
当初はインテルマイクロソフトコンパック(現:ヒューレット・パッカード)、ディジタル・イクイップメント・コーポレーション(現:ヒューレット・パッカード)、IBMNEC、ノーザンテレコム(現:ノキア)が仕様を策定したが、2017年9月現在では、NPOUSBインプリメンターズ・フォーラム (USB-IF) が仕様の策定や管理などを行なっている。USB-IFは、Apple、ヒューレット・パッカード、インテル、マイクロソフト、ルネサスエレクトロニクスSTマイクロエレクトロニクスの6社が主導企業であり、合計996社で構成される。

類似独自規格の乱造乱立を防ぐ目的で特許自体は存在しているが、特許使用料は無料とされている。なお、USBデバイスの製造においては製造者を識別するためのベンダーIDの申請を行う必要がある。

多くの他のバス規格では、特許料の支払いの関係で個別での契約が必要であるなど、中小法人の参入が難しかったのに対し、USB規格ではルールさえ守れば事実上誰でも参入可能なことが普及を促進したと言われており、玩具など幅広い機器が発売されている。
USBの各世代

USB規格は、最大転送速度の向上などを求めて何度か規格が拡張されている。これらは1.1から4まで上位互換であり、機能や性能が下位規格に縛られる事を除けば、下位規格品と上位規格品を接続しても正しく動作する事が求められている。

USBの比較規格名(旧名称)仕様発行日最大データ転送速度(実効速度)最大伝送距離給電能力 (5V)備考
USB 1.01996年1月半二重12 Mbps (1.5 MB/s).mw-parser-output .plainlist--only-child>ol,.mw-parser-output .plainlist--only-child>ul{line-height:inherit;list-style:none none;margin:0;padding-left:0}.mw-parser-output .plainlist--only-child>ol li,.mw-parser-output .plainlist--only-child>ul li{margin-bottom:0}

5 m

USB Type-Cは4 mまで


500 mA

USB Power Delivery対応のUSB Type-Cは1.5 Aまたは3 A

USB 1.11998年9月
USB 2.02000年4月半二重480 Mbps (60 MB/s)


USB 3.2 Gen 1

(USB 3.1 Gen 1)

(USB 3.0)
2008年11月全二重5 Gbps (500 MB/s)

3 m

USB Type-Cは2 mまで[3]


900 mA

USB Power Delivery対応のUSB Type-Cは1.5 Aまたは3 A
SuperSpeed USB


USB 3.2 Gen 2

(USB 3.1 Gen 2)
2013年8月全二重10 Gbps (1.21 GB/s)1 m[3]

1000 mA

USB Power Delivery対応のUSB Type-Cは1.5 Aまたは3 A
SuperSpeed USB 10Gbps
USB 3.2 Gen 2x22017年9月25日全二重20 Gbps (2.42 GB/s)

1000 mA

USB Power Delivery対応の場合は1.5 Aまたは3 A


SuperSpeed USB 20Gbps

USB Type-Cのみ対応



USB4 Version 1.0
2019年9月3日

全二重20 Gbps (2.42 GB/s)

全二重40 Gbps (4.85 GB/s)
0.8 m[3]

USB4? 20Gbps

USB4? 40Gbps

Thunderbolt 3を基盤とする

USB4 Version 2.02022年11月全二重80 Gbps (8 GB/s)
USBとThunderboltの転送速度 ただし、Thunderbolt3は映像用の帯域を含めた値であり、データ転送速度は22Gbps?8Gbpsの間となる。
USB 1.0

1996年1月発表。最大12 Mbps (1.5MB/s)。
USB 1.1

1998年9月発表。USB 1.0の規格仕様を電源管理等について改善した。最大12 Mbps (1.5MB/s)。
USB 2.0

2000年4月発表。USB 1.1の規格仕様に、High-Speedモード(最大480 Mbps)を追加した。

480 MbpsのHigh-Speed転送やそれをサポートする機器と、規格のバージョン番号であるUSB 2.0を同一の意味で使う場合があるが、これは誤用である。USB 2.0規格では依然としてFull-SpeedデバイスおよびLow-Speedデバイスは設計および製造が可能でかつ販売および利用が可能である。USB-IFではHigh-Speedであることを明示したいような場合の用語としてHi-Speed USBを使うように指導している[4]
USB 3.0

USB-IFにより規格標準化が進められ、2008年8月のIntel Developer Forumにて、revision 1.0が2008年第4四半期に登場すると明言され、同時にピンの仕様とコネクタおよびケーブルプロトタイプが出席者に対して公開された。その後、正式な通称が「SuperSpeed USB」とされ、ロゴも公開された。2008年9月には暫定規格であるrevision 0.9が決定された。

2008年11月17日に「SuperSpeed USB Developers Conference」上で正式な仕様が発表され、USB 3.0規格はrevision 1.0として正式なものとなった。

USB 3.0は、物理的な後方互換性を保ちつつ、最大データ転送速度が5 Gbps(ただし、8ビットのデータが10ビットの信号に変換されて送られるので、実際のデータ転送速度は4 Gbps = 500 MB/sが上限)となった。ピンの数が標準では5本増えて9本となり、USB On-The-Go対応のオプションでは計10本となるが、ピン形状が工夫されUSB 1.1やUSB 2.0対応の(標準)A端子、(標準)B端子、マイクロB端子との物理的な後方互換性は確保されたが、ミニUSBは規格から消滅した。

ピンの数が増えた理由は、USB 2.0以前とUSB 3.0以降で完全に別の信号線を使用するからである。つまり、USB 3.0以降はUSB 2.0以前と別の技術で動作している[5]

符号化方式がUSB 2.0のNRZIに対して8b/10bとPRBSが採用され、通信モードも半二重から全二重(単信2組)となる。物理層にはPCI Express 2.0の技術が準用されている[6]携帯機器への配慮から消費電力の削減が強く求められ、SuperSpeedではポーリングが排除され、4つの待機モードも新たに設けられた。

また、USB 3.0対応機器のコネクタの絶縁体部には1.1/2.0との区別のため青色を使用することが推奨されている。

電磁放射ノイズのピークを下げるために、スペクトラム拡散クロックが必須とされた。光伝送も含まれる予定だったがコスト面からの反対が多く、revision 1.0での導入は見送られた。光伝送技術の導入に積極的なインテル社は、将来の採用を構想している。

放射電磁雑音対策のために、信号ケーブルにはシールド付きの物を使用するが、規格である3 mの伝送距離を満たした試作品は直径6 mmあり、携帯機器によってはUSBケーブルで宙に浮いてしまう。そういった事態を避けるために今後、伝送距離を1 m程度に短くし、伝送損失が許される範囲の規格で更に細い信号ケーブルを使う事も検討されている。

USB 3.0がチップセットに内蔵されることでマザーボードの標準機能に含まれるのは、AMD社ではA75、Intel社ではIntel 7シリーズからである。

増設インターフェイスカードを使用する際には、通信速度のボトルネックに注意が必要となる。USB 3.0の1ポートあたりの最大転送速度は5 Gbpsであり、PCI Express x1 (Gen 2) の最大転送速度も5 Gbpsであるため、市場に多く出回っているPCI Express x1のインターフェイスカードを増設した場合、USB 3.0を2ポート以上接続して利用するとPCI Express x1の転送速度がボトルネックとなる。これを避けるために、PCI Express x4スロットで接続するインターフェイスカードも登場している[7]。また、PCI Express x1のマザーボードからの最大供給電力は10 Wであるが、USB 3.0の2ポートに規格上限の電力を供給すると9 Wとなり、カード自体の消費電力と合わせると不足する。このため、多くのPCI Express x1のインターフェイスカードには、電源ユニットからの電力線を接続する補助電源端子が備わっている。

2012年までの多くのパソコンで、USB 3.0が1ポート(もしくは2ポート)と残りがUSB 2.0ポートという組み合わせにされている理由は、@media screen{.mw-parser-output .fix-domain{border-bottom:dashed 1px}}(1) 2009年の時点でUSB 3.0コントローラーを市場に供給できる唯一のメーカーであったルネサスのUSB 3.0コントローラが技術的に2ポートまでしか対応していないこと、(2) USB 3.0の要求する電力がUSB 2.0よりも高く、容量の大きな電源が必要になってくること、および、(3) チップセット内蔵の場合、CPUサウスブリッジ間のバス・バンド幅が現状では十分でないため、現状では全てのポートをUSB 3.0化することは技術的に不可能であること、などが原因である[要出典]。ほどなくVIAなどの各製造メーカーもUSB 3.0に対応し、また4ポート対応のコントローラーも開発されるなどで、登場から5年後の2014年頃には特にポートの少ないノートパソコンではUSB 3.0への完全対応がなされた。
USB 3.1

2013年8月1日、USB 3.0 Promoter GroupはUSB 3.1規格の策定完了を発表した。USB 3.1は、以下のようにUSB 3.0を取り込んでいる(GenはGenerationの意)。

USB 3.1 Gen 1 (05 Gbps) ← 従来のUSB 3.0のこと

USB 3.1 Gen 2 (10 Gbps) ← USB 3.1で新しく拡張

USB 3.1 Gen 2モードはSuperSpeedPlus USBで10 Gbpsの転送を可能とする[8]

SuperSpeedPlus USB 10 Gbpsでは信号転送速度を5 GHzから10 GHzにアップ、データエンコードも8b/10bからより効率的な128b/132b の採用など物理レイヤーを変更することで現行のSuperSpeed USBの2倍の実効データスループット性能を実現している。


次ページ
記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:155 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:undef