ヤンキー_(不良少年)
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ヤンキーは現在も存在し、実際に2022年6月には広島県安芸郡府中町ショッピングモールイオンモール広島府中立体駐車場で会社員を8人の不良少年が暴行する事件が発生した[9]
ヤンキースタイルの変遷

1990年代に入ると、「トレンディ御三家」と呼ばれた吉田栄作加勢大周織田裕二らファッションリーダーの登場により、ツーブロックカットのストレートヘア、ストレートジーンズに白いTシャツブレザーを合わせるなどの清潔感を意識した「アメカジ」ファッションが流行し、アイドルが髪にパーマをかけなくなり、スリムジーンズが時代遅れになっていった。一方地方の田舎では、ヤンキーの独特の文化が続いており、髪を金髪に染める、眉毛を抜く、ガンを付ける、深夜にたむろする、タバコを吸う、授業をサボる、問題を起こして停学や退学を食らう、派手な化粧、煌びやかな服装、サングラスなど強面に見せて突っ張って、反抗心を絶やさず近づけさせないなどの態度で、思春期から成人にかけての青春時代を送ったヤンキーは各地で継承されている。

バブル崩壊から1990年代末にかけての流行の中で、ボンタン、ドカン、リーゼントなどのクラシックヤンキースタイルが完全に時代遅れとなった。アメカジ=渋カジの流行の中で、以前にはなかったスタイルの不良集団であるチーマーが出現している。

いわゆる「渋カジ」の中心はカレッジスタイルであったが、チーマーたちはネイティブ系やバイカー系、ミリタリー系、ワーク系などより男性的な雰囲気をもつスタイルにシフトしていき、それらのテイストを取り入れたストリートファッションも生み出された。
ヒップホップヤンキー

カジュアルスタイルの不良では、一般人とファッションで差別化するのが難しく、ヤンキーの自己顕示欲を満たすことができない。そのため、2000年代には、アメリカの低所得者層の不良子弟(ギャングスター)のそれに似た様式が日本に流入し、カラーギャングの流行とも呼応して、いわゆるヒップホップ系ファッションをしたヤンキー「ヒップホップヤンキー」が誕生した。

カール・カナイジャージを着るのがヒップホップ系の愛好家たちの間で流行していたが、2000年代に入るとより多くのヤンキーの間でガルフィーのジャージが流行した。

ヒップホップヤンキーの典型的なスタイルは、オーバーサイズのジャージやジーンズなどのボトムウェストを股下までずり下げ着用する「腰履き」が主流である。また、これをファッション誌などのメディアでは、「B系」と称する場合が一般的であるが、その場合は必ずしもヒップホップヤンキーのことを指す表現ではない(B系記事参照)。

ただし2010年前後の時点では、着用の際の工夫を凝らさずともあらかじめ腰履きに見える手軽さと履きやすさが特徴である「ヒップホップジーンズ」(ローライズだが股上が深いシルエット)などが流通している。かつてクラシックヤンキーが好んで履いた「ボンタン」との類似点が指摘されている[誰によって?]。ただ、このスタイルは、一見してヤンキー的メンタリティを持ち合わせていないと思われる若者の間にも広く受け入れられ、外見的にはヤンキー、ヒップホップ愛好者、そのどちらでもない一般人の区別があいまいで困難になった。
ギャル男

1999年には雑誌『Men's egg』が創刊され、派手なルックスを強調したギャル男が登場。不良の中でもこのスタイルに変化する者が現れた。

ギャル男は従来のヤンキーと違い中性的、女性的なファッションやライフスタイルをしていることが特徴で、2000年代後半からはカウンター・カルチャー性をオミットしホストの文脈を取り入れたお兄系と呼ばれるスタイルが登場した。また、お兄系にサイケデリックの要素を取り入れたデリッカーと呼ばれるスタイルも登場した。
悪羅悪羅

「悪羅悪羅」(おらおら)とは、雑誌『egg』による造語である。悪羅悪羅スタイルはギャル男の影響もあるが、黒を基調にメタリックゴールドのロゴを入れたセットアップのジャージやタンクトップなど、デザインは和彫りやトライバル、オールドスクールなどのタトゥ風など、より力強さや不良っぽさを感じさせ周囲の人達を威圧するスタイルを特徴とする。このようなファッションは、いわゆる地下格闘技の選手達とそれを支持するヤンキー達が愛用している。また、悪羅悪羅系ファッションの女性のことを「姐ギャル」と呼ぶ。

「卍」(まんじ)とは、『まじ卍』という流行語からきた造語である。悪羅悪羅スタイルと比べて周囲の人達を威圧する要素は薄く、ストリート系のトップスにスキニージーンズと赤や蛍光色のハイカットスニーカーなど、ヤンキーとしての力強さを誇示しながらカジュアルなパリピ生活を志向している。EXILE三代目J Soul BrothersなどLDH系グループのアーティストのファッションと共通点を持ち、また、「卍系」のヤンキーは、Instagramなどソーシャル・ネットワーキング・サービスでの自己発信も好む。卍の入っている不良漫画として、東京リベンジャーズが話題となった。

TikTok内にてMeland x Haukenの楽曲『CHERNOBYL 2017』に合わせて踊る動画がバズったことから、(この楽曲の空耳に合わせて)「やりらふぃー系」とも称される。
病み

2010年代後半からホスト業界がメンヘラや原宿発の「病み系」文化の影響を受けたことから、ヴィジュアル系の衣装やパンク・ファッションに身を包む若い男性や、「量産系」「地雷系」と呼ばれる服装(ロリータ・ファッションが源流である)の若い女性が新宿歌舞伎町新宿東宝ビル横広場などで遊ぶようになり、このような若者集団は男女合わせて「東横界隈」「トー横キッズ」と呼ばれるようになった。


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