以上のように、現在の顎口類には全く見られなくなった特徴が多くある。つまりこうした顎や対鰭、鼻孔などは、少なくとも顎口類がヤツメウナギなど円口類と分岐した後に独自に獲得したものだと考えられる。しかし、成体では眼が大きく、よく発達したレンズや外眼筋も備えているなど、顎口類と共通した特徴も数多くあり、よってこうした形質は脊椎動物の最も初期の段階で既に獲得されていたものと考えられる。脊椎骨成分に関しては、ヤツメウナギで脊索背側の神経弓のみが、ヌタウナギで脊索腹側の痕跡的血管弓のみが認められるため、これらの共通祖先で既に脊索背腹両側に神経弓と血管弓を有する顎口類と同様の脊椎骨を有していたのに対し、両者の分岐後にヤツメウナギの系統では血管弓が、ヌタウナギの系統では神経弓が退化して失われ、さらに現生のヌタウナギの系統では残された血管弓すら殆ど失われて痕跡化したとする仮説が提案されている。 ヤツメウナギおよびヌタウナギは軟骨魚類以上の脊椎動物には存在する血液中の免疫グロブリンが存在していない。このことから、抗体機能の解明にヒントになり得ると見られている。 ヤツメウナギ類は、顎を獲得していない段階で分岐した数少ない現生脊椎動物である。そのため、ケファラスピスやガレアスピス また、後期デボン紀のプリスコミゾン 無顎類・円口類を魚類と呼ぶかどうかについては意見が分かれることがある。魚類の範囲を顎のあるものに限定するならば魚類には含まれないが、顎の有無は魚類かどうかの判別にかかわらないとする主張では魚類に含まれるといった議論ではある。今日では一般的には、広義の魚類とみなされる。 2013年2月、この仲間の一種、ウミヤツメ(Petromyzon marinus)のゲノムの解読が報告された[13]。 以下に脊索動物内での系統関係の概略を示す。 ただし、特に"無顎類"や祖先的顎口類の絶滅群(コノドント、甲皮類、翼甲類など)に関しては、系統関係について現在も論争が続いており、下に示した例はその中の一説にすぎない。.mw-parser-output table.clade{border-spacing:0;margin:0;font-size:100%;line-height:100%;border-collapse:separate;width:auto}.mw-parser-output table.clade table.clade{width:100%}.mw-parser-output table.clade td.clade-label{width:0.7em;padding:0 0.15em;vertical-align:bottom;text-align:center;border-left:1px solid;border-bottom:1px solid;white-space:nowrap}.mw-parser-output table.clade td.clade-fixed-width{overflow:hidden;text-overflow:ellipsis}.mw-parser-output table.clade td.clade-fixed-width:hover{overflow:visible}.mw-parser-output table.clade td.clade-label.first{border-left:none;border-right:none}.mw-parser-output table.clade td.clade-label.reverse{border-left:none;border-right:1px solid}.mw-parser-output table.clade td.clade-slabel{padding:0 0.15em;vertical-align:top;text-align:center;border-left:1px solid;white-space:nowrap}.mw-parser-output table.clade td.clade-slabel:hover{overflow:visible}.mw-parser-output table.clade td.clade-slabel.last{border-left:none;border-right:none}.mw-parser-output table.clade td.clade-slabel.reverse{border-left:none;border-right:1px solid}.mw-parser-output table.clade td.clade-bar{vertical-align:middle;text-align:left;padding:0 0.5em;position:relative}.mw-parser-output table.clade td.clade-bar.reverse{text-align:right;position:relative}.mw-parser-output table.clade td.clade-leaf{border:0;padding:0;text-align:left}.mw-parser-output table.clade td.clade-leafR{border:0;padding:0;text-align:right}.mw-parser-output table.clade td.clade-leaf.reverse{text-align:right}.mw-parser-output table.clade:hover span.linkA{background-color:yellow}.mw-parser-output table.clade:hover span.linkB{background-color:green} ヤツメウナギ類 翼甲類† 甲皮類 板皮類†
免疫科学
古生物学
Priscomyzon riniensisの復元図。
Priscomyzon riniensisの化石。
その他
系統的位置
顎口類
軟質類 (チョウザメ)
新鰭類 (ウナギなど、いわゆる魚のなかまの大部分はここに含まれる)
肉鰭類
主竜形類(ワニ、恐竜(鳥))
人間との関係
食文化カワヤツメの串焼き(蒲焼き)。ヤツメウナギの肉は鰻のそれと異なり、硬くて弾力に富むため、一口大に切られて供される事が多い。
現代の日本で全国的に流通する食材ではないが、洋の東西を問わず様々な文化圏に普通に登場する。また滋養強壮や夜盲症(鳥目)の薬としても古くから用いられてきた。実際に脂肪に富み、ビタミンAの一種であるレチノールを8200μg/100g以上含むなど、栄養価は高い[14]。 日本国内の場合、食用とされるのはほとんど日本産カワヤツメである。
日本