脂肪酸組成はヤシ油・パーム核油ともラウリン酸が50%弱、ミリスチン酸が15%~20%、パルミチン酸が10%弱と飽和脂肪酸が多い。ラウリン酸含有率が高いため、ヤシ油・パーム核油をラウリン系油脂と総称される。けん化価はいずれも250前後、ヨウ素価はヤシ油7?11、パーム核油14?22であり、不乾性油の性質を示す。なお、アブラヤシの果肉を原料とするパーム油とは性質が大きく異なる点に注意を要する。
ココナッツオイルは、比較的高い温度で固まりやすく、室温が20度以下だと固まってしまう。なお、20度?25度ではクリーム状に、25度以上で透明の液体状態となる。
ヤシ油(100g中)の主な脂肪酸の種類[4]項目分量(g)
脂肪100
飽和脂肪酸86.5
8:0(カプリル酸)7.5
10:0(カプリン酸)6.0
12:0(ラウリン酸)44.6
14:0(ミリスチン酸)16.8
16:0(パルミチン酸)8.2
18:0(ステアリン酸)2.8
一価不飽和脂肪酸5.8
18:1(オレイン酸)5.8
多価不飽和脂肪酸1.8
18:2(リノール酸)1.8
ヤシ油
100 gあたりの栄養価
エネルギー3,607 kJ (862 kcal)
炭水化物0 g
糖類0 g
食物繊維0 g
脂肪100 g
飽和脂肪酸86.5 g
一価不飽和5.8 g
多価不飽和1.8 g
タンパク質0 g
ビタミン
ビタミンA相当量β-カロテンルテインと
ゼアキサンチン(0%) 0 μg(0%)0 μg0 μg
チアミン (B1)(0%) 0 mg
リボフラビン (B2)(0%) 0 mg
ナイアシン (B3)(0%) 0 mg
パントテン酸 (B5)(0%) 0 mg
ビタミンB6(0%) 0 mg
葉酸 (B9)(0%) 0 μg
ビタミンB12(0%) 0 μg
コリン(0%) 0.3 mg
ビタミンC(0%) 0 mg
ビタミンD(0%) 0 IU
ビタミンE(1%) 0.09 mg
ビタミンK(0%) 0.5 μg
ミネラル
ナトリウム(0%) 0 mg
カリウム(0%) 0 mg
カルシウム(0%) 0 mg
マグネシウム(0%) 0 mg
リン(0%) 0 mg
鉄分(0%) 0.04 mg
亜鉛(0%) 0 mg
マンガン(0%) 0 mg
セレン(0%) 0 μg
他の成分
水分0 g
単位
μg = マイクログラム (英語版)
パーム核油には、石鹸の製造や、モーターのような機械用の潤滑油に適した物質的な性質がある[5]。
日本ではヤシ油・パーム核油あわせて年間約10万トンが消費されており、そのうち約6割が洗剤・石鹸などの工業原料として、4割が食用として用いられる。水素添加によりココアバターの代用、また乳脂肪に性質が近いため、ホイップクリームやコーヒーフレッシュ、ラクトアイスの原料などにも使われている。中鎖脂肪酸含有率が高く消化・代謝され易いため、乳幼児食や病人食としても適している。