モーリシャス
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この制度は「最良の敗者」制度と呼ばれ[11]、大選挙区制との併用により少数派に一定の議席を保障することで各民族の発言権を確保し、民族間の融和をもたらすこととなった[12]。議員の任期は5年である。直近の選挙は2019年11月に行なわれた[13]。「モーリシャスの選挙(英語版)」も参照
政党詳細は「モーリシャスの政党」を参照

モーリシャスは複数政党制が認められており、選挙による民主的な政権交代も数度起きている。政治的には穏健な多党制であり、1つの政党が単独で政権を握れるだけの議席を獲得することはほとんどないため、連立政権が政権を握ることが常である[14]。有力な政党としては、インド人ヒンドゥー教徒を中心にクレオールやムスリムにも一部支持を広げる保守の労働党(PTr)、クレオールを基盤とする革新のモーリシャス闘争運動(MMM)、そしてインド人ヒンドゥー教徒を基盤とする革新のモーリシャス社会主義運動(MSM)[7]があり、このうちの1党または2党が、クレオールを基盤とする保守のモーリシャス社会民主党(英語版)(PMSD)[7]や、ロドリゲス島のロドリゲス人民機構(OPR)などの小政党と連立を組んで政権を握ってきた。2010年の選挙では労働党・社会民主党・社会主義運動による保守寄りの「未来同盟」が政権を握ったが、2014年の選挙では社会主義運動が勝利し、社会民主党およびMuvman Liberater党との「人民同盟」が政権を奪うこととなった。
司法詳細は「モーリシャス共和国憲法(英語版)」を参照

司法府の最高機関はモーリシャス最高裁判所(英語版)である。
国際関係・外交詳細は「モーリシャスの国際関係(英語版)」を参照

アフリカ連合 (AU)、南部アフリカ開発コミュニティ (SADC)、インド洋委員会 (COMESA) に属する。アフリカ諸国(特に南アフリカ)が最大の貿易相手国だが、EUとの結びつきも強い。また、イギリス連邦の一員でもあり、フランス語圏でもある。「モーリシャスの外交使節団の一覧(英語版)」および「モーリシャスの在外公館一覧(英語版)」も参照
日本との関係「日本とモーリシャスの関係」を参照

在留日本人数 - 66人(2022年10月[13]

在日モーリシャス人数 - 100人(2022年12月[13]

国家安全保障

常備軍は存在せず、警察準軍事組織としてモーリシャス警察隊(現役総人員10,115名)が設置されている。
地理黒字はモーリシャス共和国の島。モーリシャスはチャゴス諸島トロメリン島の領有権も主張している。モーリシャス島の略図詳細は「モーリシャスの地理(英語版)」を参照

モーリシャス共和国の国土面積は2040 km2 で、国としては世界169位の面積である。主島であるモーリシャス島と、その付近の島々で構成される島国である。島々の周囲は珊瑚礁で囲まれている。

同国で最も大きな島である、面積1865 km2のモーリシャス島は火山島だが、全体的に標高が低く、最高峰のラ・プチ・リヴィエール・ノワール山ですら828 mに過ぎない。モーリシャス島は、海岸部の平野と、標高200 m程度の高原の大きく2つの地域に分けられる。平野と高原の間には急崖が存在するものの、いくつかの丘陵を除けば全般に平坦な地形をしている[15]

同国で2番目に大きなロドリゲス島の面積は108 km2であり、モーリシャス島の東560 kmの位置にある。アガレガ諸島の2つの島は合わせて26 km2であり、モーリシャス島から北に約1000 kmの位置にある。カルガドス・カラホス諸島は多くの砂洲や岩礁で構成される列島であり、モーリシャス島の北東約430 kmに位置し、主に漁業基地として用いられている[16]

モーリシャスの排他的経済水域(EEZ)は、インド洋のうち約2,300,000 km2を占めている。ただし、このうち約400,000 km2はセーシェルと共同管理している[17][18][19]
気候熱帯の砂浜。トル・オー・ビッシュ

モーリシャスの環境は、沿岸地域では一般的に熱帯であり、山地には森林がある。時折襲来するサイクロンにより動植物が被害を受けるものの、それらはすぐに回復する。モーリシャスの空気の質は、世界で最高の水準とされており、世界保健機関(WHO)が公表するAir quality indexでは、モーリシャスは世界2位とされている[20][21]

モーリシャスは南回帰線の近くに位置し、熱帯気候に属する。季節は2つある。11月から4月までが暖かく湿ったであり、夏の平均気温は24.7 ℃である。6月から9月が比較的涼しい乾燥したであり、冬の平均気温は20.4 ℃である。海洋性の気候であり、季節間の平均気温の差はわずか4.3 ℃に過ぎない。最も暖かい月は1月と2月であり、日最高気温の平均は29.2 ℃に達する。一方、最も寒い月は7月と8月で、夜間の最低気温の平均が16.4 ℃まで下がる。年間降水量は海岸沿いの900 mmら中央高原の1500 mmの範囲である。顕著な雨季は見られないものの、降雨のほとんどは夏の数ヶ月に起こる。ラグーンの海水温は22 ℃から27 ℃の間である。中央高原は、周囲の沿岸域よりもずっと涼しく、また雨量は沿岸域の2倍に達する場所もある。マスカリン高気圧由来の南東貿易風が卓越し、島の東側は他の地域と比べると低温かつ雨がちな傾向がある。また、島の両側で気温や降水量が著しく違う場合もある。時折襲来するサイクロンは、一般的には1月から3月の間に発生し、この地域には約3日間だけ悪天をもたらす他、多くの雨をもたらす傾向がある[22]
地方行政区画詳細は「モーリシャスの行政区画」を参照モーリシャスの県

モーリシャスは、9の県と3の属領に分かれる。その他、イギリスに対してチャゴス諸島の返還を要求している。

ブラックリバー県 (Black River)

フラック県 (Flacq)

グラン・ポール県 (Grand Port)

モカ県 (Moka)

パンプルムース県 (Pamplemousses)

プレーン・ウィルヘルム県 (Plaines Wilhems)

ポートルイス県 (Port Louis)

リヴィエール・デュ・ランパール県 (Riviere du Rempart)

サバンナ県 (Savanne)

属領

アガレガ諸島 (Agalega Islands) - 本島から北へ約1200 km。

カルガドス・カラホス諸島 (Cargados Carajos Shoals) - 別名、セイント・ブランドン島 (Saint Brandon) 本島から北東へ約400 km。

ロドリゲス島 (Rodrigues) - 本島から東へ約550 km。

主要都市詳細は「モーリシャスの都市の一覧」を参照

最大都市は首都のポートルイスである。インド洋に面した港町であるポートルイスから南にはボーバッサン・ローズヒルカトル・ボルヌヴァコア・フェニックスキュールピップといった主要都市が連続し、一大都市圏を形成している[23]。この都市圏の最南部に位置するキュールピップはモーリシャス島のほぼ中央部に位置し、高原上に広がる都市である。
経済首都ポートルイス詳細は「モーリシャスの経済(英語版)」を参照

IMFの統計によると、モーリシャスの2018年のGDPは142億ドルである[2]。1人当たりのGDPは11,206ドルで、アフリカ諸国全体では第2位、世界平均のおよそ75.7%の水準である。

モーリシャスの主要産業は入植以来一貫してサトウキビプランテーションであり、独立以後も1975年までは総輸出額の85%以上を占めるなど、サトウキビに依存するモノカルチャー経済だった[24]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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