日本との関係では、独立に際して、日露戦争における戦争状態が解消していない事が問題となる可能性が指摘された。これについて日本政府は、2006年に提出された衆議院議員鈴木宗男の質問主意書に対する答弁書において「千九百四年にモンテネグロ国が我が国に対して宣戦を布告したことを示す根拠があるとは承知していない。」と回答している。2006年6月3日のモンテネグロ独立宣言に際し、日本政府は、6月16日に独立を承認し、山中Y子外務大臣政務官を総理特使として派遣した[9]。UPI通信は、6月16日、ベオグラードのB92ラジオのニュースを引用し、特使は独立承認と100年以上前に勃発した日露戦争の休戦の通達を行う予定と報道したが[10]、日本国外務省からは、特使派遣報告をはじめとして日露戦争や休戦に関連する情報は出されていない[11]。(参考:外交上の終結まで長期にわたった戦争の一覧)
2007年10月に新憲法を制定し、国名をモンテネグロ共和国からモンテネグロに変更した。2008年には独立後初の大統領選挙でブヤノビッチ大統領が再選され、2010年には独立以前から首相を務めてきたミロ・ジュカノビッチが退陣、イゴル・ルクシッチが首相となった。2012年には欧州連合への加盟交渉が開始され、また首相にジュカノビッチが返り咲いている。
2023年に首相に就任したミロイコ・スパイッチは、国費留学生として日本の埼玉大学に在籍、卒業した経歴を持つ。
政治初代大統領フィリップ・ヴヤノヴィッチミラトヴィッチ現大統領スパイッチ首相詳細は「モンテネグロの政治(英語版)」を参照
モンテネグロは共和制、議院内閣制を採用する立憲国家である。ユーゴスラビア時代の1992年10月12日に公布された憲法では、モンテネグロを「民主的な主権国家」と規定している。だが2006年6月3日の独立宣言を受け、2007年10月に新憲法を制定。「モンテネグロ憲法(英語版)」も参照
またその一方で、旧モンテネグロ王家には特別の地位が与えられており、王家の家長には王家礼遇法により大統領と同額の手当が支給され、政府の儀礼上の公式代表としての役割を果たすなど、共和制と君主制の折衷ともいえるやや特異な国家体制を採っている。「ニコラ・ペトロヴィッチ」も参照 国家元首である大統領は国民による直接選挙で選出され、任期は5年、3選は禁止されている。議院内閣制をとるモンテネグロでは、大統領には以下の様な象徴的・儀礼的な役割しか与えられておらず、政治的実権は持っていない。 行政府は首相を頂点とする内閣である。首相の任命手続きは、大統領の推薦を受け、議会が承認することとなっている。だが、実際には総選挙後の第一党勢力の指導者が、首相に就任するのが慣例となっている。閣僚は首相が指名するが、議会の承認が必要。議院内閣制をとるモンテネグロでは、内閣は大統領ではなく議会に責任を負い、国家における最高行政機関となっている。 2022年12月上旬、議会は大統領の持つ首相推薦権を事実上、議会に移譲する法改正を可決。同12月29日に議会で行われた首相指名選挙で81議席中41票を獲得したミオドラグ・レキッチ 立法府であるモンテネグロ議会は一院制。定数は81議席。議員は国民の直接選挙で選出され、任期は4年である。議会には以下のような権限が与えられている。
大統領
国家の代表権。
法律の公布。
議会選挙の公示。
首相候補、憲法裁判所長官および同裁判所裁判官の推薦。
国民投票実施の計画。
恩赦の承認。
勲章・栄典の授与。
内閣
議会
法案を審議し、可決・否決の判断を下す。
大統領の推薦に基づき、首相を選出。
首相に指名に基づき、閣僚を承認。
条約の批准。
全ての裁判官の任命。
国家予算の決定。
内閣不信任決議。
2023年6月11日に行われた選挙の結果、ヨーロッパ・ナウが第一党となり、政権は「モンテネグロの未来のために」連合と「アレクサとドリタンよ、勇敢に戦え!」連合との連合政権で政権運営をしている[13][14]。
ヨーロッパ・ナウ24議席 2022年に創設された親欧州主義政党のヨーロッパ・ナウ 司法府は行政府、立法府から独立しており、三権分立が保障されている。憲法問題を扱う憲法裁判所が最高司法機関だが、通常裁判所の最高位は最高裁判所である。全ての裁判官は、議会によって任命される。
「共に」連合 [15]21議席
「モンテネグロの未来のために」連合[16]13議席
「アレクサとドリタンよ、勇敢に戦え!」連合[17]11議席
ボシュニャク党[18]6議席
モンテネグロ社会人民党と民主同盟2議席
「アルバニアフォーラム」連合[19]2議席
「アルバニア同盟」連合[20]1議席
クロアチア市民イニシアチブ1議席
政府
裁判所
国際関係詳細は「モンテネグロの国際関係(英語版
前述のようにNATOに加盟し、欧州連合(EU)参加も目指している。
NATO加盟が争点だった2016年10月議会選挙の先日、モンテネグロ政府はクーデター未遂容疑を摘発し、後にセルビア治安部隊元幹部や、ロシア連邦情報機関と関係すると見られる人物ら約20人を訴追した[21]。ロシアはこの事件に関与したとの疑惑を否定している[22]。
中華人民共和国は一帯一路政策の対象国の一つと位置付け、インフラストラクチャー整備への融資や労働者派遣を行っている。