モンゴル民族
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ゲルク派はアルタン・ハーンとダライ・ラマ3世の関係をかつてのクビライ・カアンとパクパの関係になぞらえた。以後、教権を代表するダライ・ラマが施主であるモンゴルのハーンとその一族に称号を授与する慣例が生まれた[37]

以来、モンゴルの一般遊牧民にもチベット仏教が浸透し、各地に寺院が建てられた。全盛期には700を超え、草原・山岳・砂漠と場所を問わず伽藍が建てられた。ゲル生活のモンゴルにおいて寺院は唯一の建造物であり、学問や教育を行う機関でもあった。一時、社会主義時代の人民革命による宗教弾圧があったものの、民主化後は各地で仏教行事が復活している。モンゴルのチベット仏教には17世紀から20世紀初頭にいたるまで、8代のジェプツンダンバ・ホトクトと呼ばれる活仏が存在した。最後のジェプツンダンバ・ホトクト8世であるボグド・ハーン1924年に死去すると、当時の共産党政権は「第八代をもってこのホトクトは転生を終わる」とし、政府として後継者を捜索・認定しないのみならず、信者や教団による捜索・認定も禁止しようとした。以来途絶えていたモンゴルの活仏であったが、民主化後の1990年、ダライ・ラマ14世によりジャンペルナムドゥル・チューキゲンツェンが9代目のジェプツンダンバに認定された。今やモンゴルは多くの若い僧が行学不二に励む土壌ができ、現代のチベット仏教圏においてもっとも政治的・宗教的に自由ある国となった[38]
歴史的モンゴル部族・氏族

チンギス・カンがモンゴル帝国を建設した後、モンゴル族起源の人民に区別が設けられた。チンギス・カンと同じ起源に出る諸部族は、アラン・ゴアが光線の作用によってはらんだ諸子の子孫であったために、その純潔を示すため「ニルン」という姓で呼ばれた。その他の諸部族は「ドルルギン(平民)」と呼ばれた。ドルルギンはエルゲネ・クン山中にこもっていたヌグズとキヤンの子孫であった[39]ボルテ・チノからボドンチャルまでの初期モンゴル部族の系図。ボドンチャルからカブル・カンまでのボルジギン氏の系図カブル・カンから始まるキヤト氏の系図と、アンバガイ・カンから始まるタイチウト氏の系図
ニルン諸氏族

カタギン氏(哈荅斤)

サルジウト氏(散只兀、珊竹)

タイチウト氏(泰赤烏)

エリカン氏(カルタカト)

シジウト氏

チノス氏

ノヤギン氏(那也勤)

ウルウト氏(兀魯吾)

マングト氏(忙兀)

バアリン氏(八鄰)

ドルベン氏(朶魯班)

カヌト氏(スカヌトか?)

スクトゥト氏(スカヌトか?)

バルラス氏

ヒデルキン氏(カダルキン)

ジャダラン氏

ブダアト氏

ドゥグラト氏

ベスト氏

スカン氏

クンカマル氏(コンゴタン)

ドルルギン諸氏族

ウリヤンギト氏

コンギラト氏(弘吉剌)

イキレス氏(亦乞列思)…クバイ・シラの後裔

オルクヌウト氏…クバイ・シラの後裔

カラヌウト氏…トスブダイ(トスブ・ダウド)の後裔

クンクリウト氏…トスブダイ(トスブ・ダウド)の後裔


コルラス氏…トスブダイ(トスブ・ダウド)の後裔

イルジギン氏…トスブダイ(トスブ・ダウド)の後裔

オズバウト氏(ウリヤウト)

コンゴタン氏

アルラト氏

ゲニゲス氏


フーシン氏(許兀慎)

スルドス氏(遜都、速勒都思)

イルドルギン氏


バヤウト氏(伯牙吾)

ジェディ・イン・バヤウト

キハルン(ケヘリン)・バヤウト


モンゴル化したテュルク諸部族

ラシード・ウッディーンは『集史』において「現在はモンゴルと呼ばれているが、以前はそれぞれの別名を持ち、独立した首長を持っていたテュルク部族」をいくつか挙げている[40]

ジャライル(札剌亦児)

ジャアト

タクラウン(トクラウト)

クンカサウン(クンカサウト)

クムサウト

ウヤト

ビルカサン(ニルカン)

クゲル(クルキン)

トランキト

ブリ(トリ)

シンクウト(シヤンクウト)


スニト

カイルン(カプタルン)


タタル(塔塔児)

トトカリウト(トドクリウト)

イルチ(アルチ、アンチ)

チャガン

クイン

テラト(テレイト?)

ベルクイ(テルクイ、バルクイ)


メルキト(滅里乞、ウドユト、ウドイト、兀都亦タ)

オホズ(ウワズ、兀?思)

ムダン

トダクリン

ジウン


ケルルウト(クルラウト)

バルグト(タルグト?)

オイラト(斡亦剌)

コリ

コアラシュ(トゥラス)

ブリヤト

トゥマト

クルガチン(フラガチン)


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