モンキーモデル
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シリアイラクに輸出されたモンキーモデルのT-72は、1982年イスラエルのレバノン侵攻においてイスラエルメルカバMk.1に撃破されたほか、1991年湾岸戦争においてはアメリカのM1エイブラムスイギリスチャレンジャー1などにほぼ一方的に撃破されている[2]。「T-72#湾岸・イラク戦争において」および「73イースティングの戦い」も参照

これらの戦争が原因でソ連(ロシア)製戦車の需要が大きく落ち込んだため、T-72の後継であるT-90の輸出の際は「モンキーモデルは作らない」と明言[3]ロシア連邦軍と同等、或いはそれ以上の仕様で輸出しているとされる。

MiG-23の前期型についても、中東・アフリカなどの第三世界諸国向けの輸出型であるMiG-23M(E)MiG-23MSは、ソ連軍仕様のMiG-23Mやワルシャワ条約機構軍仕様のMiG-23MFと比較して、索敵能力や攻撃能力が大きく低下させられている。レーダーはMiG-21後期型と同型のRP-21サプフィールもしくはRP-22SMであるためセミアクティブ・レーダー・ホーミング誘導方式のR-23R(ロシア語版)の運用能力を事実上省略されていた(赤外線追尾方式のR-23Tは運用可能)ほか、機首下部のIRSTも搭載されていなかった。
背景

輸出時に本国仕様に比べて意図的に性能を低下させるのは主に以下の理由があげられる。

兵器開発において自国の優位性を保持したい場合。

輸出相手国が他の国と交戦時に
鹵獲されたり、自国から離反した場合に、先端技術の流出を防止する為。

現地情勢の流動化・過激化を防止するための政治的配慮。

ただし、輸出相手国によっては、本国仕様で調達できる保守部品が相手国にとって高額であったり、相手国が保守整備に技能の高い要員を充当できない、気候が過酷で繊細な構成品を用いることが適当でないなど、必ずしも輸出国側の一方的な戦略だけでなく、輸入側の事情と双方にとって都合の良い面もある。

また、兵器の運用上、本国仕様で要求される仕様が相手国においては求められない場合があり、この場合も結果としてカタログ上では性能低下に至る場合がある。これらについては、フランスからイスラエルへの輸出の際に繊細な一部の電子装備を省略した代わりに燃料爆弾等の搭載量を増加させたミラージュ5や、ロシアからインドに輸出される際にTShU-1-7「シュトーラ」を装備から外した代わりに、起伏の激しい土地での運用を考慮しロシア本国仕様よりも高出力のエンジンを搭載したT-90などがある。これらは一概に性能を低下させたとはいえないため、いずれもモンキーモデルとはされていない。

なおアメリカの場合、無償で供与する兵器はF-5戦闘機F-20のような供与専用の兵器を開発するか、F-16/79のように旧式のエンジンに換装した機種を開発したり、自軍で余剰化した旧式兵器を供与するのが一般的である。
供与国の対応

モンキーモデルは自国で兵器開発能力のない国、または自国の影響を与えたい国に対して輸出される物だが、オリジナルの兵器より性能が落ちるため、@media screen{.mw-parser-output .fix-domain{border-bottom:dashed 1px}}輸入した国は自国で独自改修を施す場合もある。しかし改修を加えたとしても兵器開発能力のない国で行なわれた改変では元になっている兵器の性能より劣っている場合が多い。[要出典]
脚注[脚注の使い方]^ “ロシア戦車が惨敗した理由(下)気になるプーチン政権の「余命」その3”. japan-indepth (2022年5月25日). 2023年1月4日閲覧。
^ “「やられメカ」の悪夢再び ロシア戦車T-72がウクライナにやられまくっているワケ”. 乗り物ニュース (2022年3月25日). 2022年4月16日閲覧。
^ “ロシア軍の戦車は弱すぎで話にならない…なぜウクライナ軍のミサイルにやられまくったのか”. デイリー新潮 (2022年4月9日). 2022年4月16日閲覧。

関連項目

過剰性能


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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