モビルスーツ
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駆動方式においては、一年戦争(宇宙世紀0079)の機体群ではジオン軍機において「流体内パルスシステム」[68][注 6]、連邦軍機においては「フィールドモーター」を使用する方式が採用されている[69]
推進方式

宇宙空間での移動には、背部ユニット(第1世代MSでは「ランドセル」、それ以降では「バックパック」と呼ばれることが多い)や脚部などに搭載された推進器(スラスター)を使用する。重力下ではこれを利用したジャンプも可能である。

第1世代MSの推進器は基本的に化学燃料ロケット・エンジンであるとされるが[70]、ジオン公国のツィマット社は宇宙戦艦などが搭載する熱核ロケット・エンジンをミノフスキー・イヨネスコ型熱核反応炉を利用してMSに搭載できるまでに小型化し、ヅダリック・ドムに採用している。また、この熱核ロケットをジェット化した熱核ジェット・エンジンを陸戦用のドムの脚部に搭載してホバー推進を可能にしている。第2世代MS以降は熱核ジェット / ロケットのハイブリッド・タイプも普及している。また、水陸両用MSは熱核水流ジェットにより水中を航行する。

上記はいずれも推進剤が不可欠であるが、第2期MSでは推進剤が不要(熱核反応炉の燃料は必要)で原理的には亜光速までの加速が可能とされるミノフスキー・ドライブといったミノフスキー物理学系推進器が登場している。

宇宙空間での姿勢制御は、機体各所に配置されたサブ・スラスター(「バーニア」あるいは「アポジモーター」とも呼ばれる)のほかに、人型であることを活かして四肢を動かすことによる反作用を利用した "AMBAC" を併用することで、推進剤の消費を抑えている。
操作

動作の大半はコンピュータが代行しているが、一年戦争の機体においてはフットペダルとレバー(スティック)を用いてパイロットから制御をおこなう。飛行方向の制御から武器選択と発射まではスティック部でおこなえる。フットペダルは右方向がスロットル用で左方向はブレーキまたは逆噴射用。ただし、モードセレクターを切り替える事で右ペダルは歩行動作用となる。航行も予め航路設定プログラムが入力されている[71]

漫画・アニメ『機動戦士ガンダム サンダーボルト』では、ジオン公国軍リビング・デッド師団サイコ・ザクに「リユース・P(サイコ)・デバイス」と呼ばれるシステムが導入されている。これは操縦桿の代わりに特殊な端子を組み込まれた義手・義足をコネクターに差し込み、挙動を同期させるという特殊な操縦方法で、通常の操縦より反応速度が向上する。一年戦争終結後は、その開発者を確保した南洋同盟の独占技術となっている。

宇宙世紀0088年の時代を描いた『ガンダム・センチネル』には「IMPC(Integrated Maneuver Propulsion Control/統合機動推進制御)」と呼ばれる制御システムがデザインされている。IMPCは発進、巡航、空間戦闘、着陸、歩行の五つの基本機動を自動的に制御しており、パイロットは状況に応じスイッチを切り替えるだけで機体がそれに対応した動作を行うため、パイロットの重要性はそのままに操縦の負担が大幅に軽減されている。IMPCは教育型コンピューターに構築されたシステムであり、パイロットの操縦データを入力することでシステムがそれを覚え、動作パターンのアップデートを行っていく。ただし、データにない動作はパイロットが独自に対応しなければならず、データ通りの行動に不満を持つ場合もパイロット自身が操縦して修正しなくてはならない。また、システムのアップデートには熟練パイロットによる操縦データの供給が必須となっており、データ供給を目的とした教導隊も設立されているが、IMPC自体は熟練パイロットから人を堕落させる妖精である「インプ」の蔑称で呼ばれている。動作パターンの構築についてはパイロットの操作を学習する他にも、基本的な動作についてはモビルスーツの教育型コンピューターに人工知能端末を外部接続し、両者を仮想空間上で戦わせることで構築することができる旨が『ADVANCE OF Ζ 刻に抗いし者』で語られている。

宇宙世紀0090年代前半(『逆襲のシャア』の時代)にはアームレイカーと呼ばれる球状のコントロールスティックによる操縦方式が浸透した。これはスラスターの噴射からモビルスーツの指の動きまで、全ての操作を手元で行うことができるという物であった。だが、その一方で衝撃によって手が抜けやすく、万一手指を負傷した場合、機体の操作に支障をきたすという欠点があった。それゆえに不評も重なり、後年の連邦軍機ではアームレイカーの採用は中止されている。また、サイコミュにより操縦をサポートしている機体も存在する。

宇宙世紀0096年を描いた『機動戦士ガンダムUC』では、コンソールのタッチパネルやレバーに備えられたボタンでの武器の選択、使用、パージを行っている描写が見られる。またフットペダルを踏み込んだり、レバーを前に押し出すとモビルスーツの推進器の出力が上がるようである。しかし、フットペダルとレバーを操作して出力を上げる描写があるのはいずれもユニコーンガンダムで、しかも別々のシーンでこれらの方法が用いられている。よって二つの方法が連動している操作方法なのか、あるいは別の操作方法なのかどうかははっきりとしない。

また、上記までのように手足で操作するのではなく、サイコミュを介することによってパイロットの思考をダイレクトに機体モーションへと反映するシステムを搭載したレッド・ゼータシナンジュ、ユニコーンガンダムなどの機体も開発されている。

宇宙世紀0105年を描いた劇場アニメ『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』では、MSには「ニュータイプは存在しない」「ニュータイプが生まれる要素を少しでも排除する」という(連邦軍側の)意図が反映され、AIによる操縦補助が進められている[72]。AIロックモードでは、AIが敵機との距離を逆算してロックオンが可能になるまでの時間を算出し(全天周囲モニターにはバーの長さで表示される)、ロック前段階で戦術的に優先される攻撃順を指示(提案)するため、パイロットはそれに従って攻撃するだけでよい[72]。ただし、より素早く、精度の高い操作を求めるパイロット(ハサウェイ・ノアなど)は、このAI機能をオフにしている[72]


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