本機の完成からほどなくして、より実戦的な後継機の開発が開始されたため、制式採用されることなく少数生産にとどまる[31]。
おおのじゅんじによるスピンオフ漫画『機動戦士ガンダム THE ORIGIN MSD ククルス・ドアンの島』では、宇宙世紀0077年にブグとともに実証試験がおこなわれる。パイロットのカルデン少尉の造反によりブグと交戦するが、砲台からの直撃を受け撃破される。 漫画『THE ORIGIN MSD ククルス・ドアンの島』に登場(形式番号:YMS-03[37])。 MSの機動性を戦略的偵察に活用すべく開発された機体[38]。頭部と両肩に高精度カメラが設置され、右前腕のアタッチメントはカメラ・ガンに換装されている。本機の装備と運用データはのちにザク強行偵察型にも反映される[38]。塗装はダーク・ブルーを基調とする。 サッシャ・キッツ試験操縦士が搭乗し、宇宙世紀0077年のブグとヴァッフの実証試験の録画をおこなう。 漫画版用に大河原がデザインした(設定画は『THE ORIGIN 公式ガイドブック2』に掲載された)が、本編ではMS-02の視察に来たギレンを説得するミノフスキー博士の心象にのみ登場(その時点では未完成であるため)。得心したギレンがMS-03としての制式化を告げ、早期の完成をうながす。MS-02と比べ頭身が高くなり、熱核反応炉、流体パルスシステムおよびAMBACシステムが採用されたとされる。 諸元ブグ 漫画版での名称は「プロトタイプザク」であったが[33]、アニメ版で変更された。その名称は宇宙世紀0223年を舞台とする『G-SAVIOUR』に登場するセツルメント国家議会軍の主力MSと同一である。 ジオニック社がヴァッフに続いて開発した機体で[40]、ヴァッフの運用データをもとに、より実戦的な改修が加えられている[39]。ヴァッフでは内装されていた両肩と両膝の動力パイプを外装式としたことで、各駆動部へのエネルギー供給量が増加し、高い運動性を実現している[39]。ヴァッフ以前の機体に採用されていた両腕のアタッチメント機能は、戦況に応じた武装をマニピュレーターで携行するほうが実戦的であるという理由から削除されている[42]。武装はヒート・ホークと携行式のシールドに加え、のちのプロトタイプグフや連邦軍の局地型ガンダムにも採用される八洲重工製MS用マシンガンを装備する[40]。ア・バオア・クー宙域で実証試験がおこなわれ[43](このときの映像は連邦軍の手にも渡っている)、テストパイロットからの評価は高かったが、製造コストが高く量産には不適であり[39]、さらに運用面での問題も報告されたため[43]、ある程度の性能低下と引き換えにコストを抑えたザクIに主力の座を譲る[39]。 月面で行われた地球連邦軍とジオン軍による史上初のMS戦「スミス海の戦い」において、ランバ・ラルが青く塗装された本機に搭乗し、シャア・アズナブルと黒い三連星が搭乗するザクI 4機とともに、鉄騎兵中隊のガンキャノン最初期型12機を全滅させる。一年戦争開戦時のサイド2「ハッテ」の戦いでも、ラルは引き続き本機に搭乗する[41]。 漫画『ククルス・ドアンの島』では、宇宙世紀0077年にククルス・ドアン少尉(当時)がオレンジと白を基調とした機体に搭乗し、数々のテストをおこなう。一年戦争の緒戦においてはザクIIのシールドを両肩に装備、MS用バズーカA2型を携行し、Y-02特務小隊の隊長機として出撃する。末期のア・バオア・クー防衛戦では、同様の塗装・装備の機体に同隊のカルカ軍曹が搭乗し、ザクI・スナイパータイプのビーム・スナイパー・ライフルを携行する。腕部はザクIIのものに換装され、右肩のシールドにライフルのジェネレーターとなるスナイパータイプのランドセル、左にスペアの砲身を収納したケースをマウントする。
ヴァッフ強行偵察型
MS-03(『THE ORIGIN』漫画版)
ブグ
BUGU
型式番号MS-04[39]
頭頂高17.5m[39]
全幅9.3m[39]
武装MS用マシンガン[40]
ヒート・ホーク[40]
シールド[40]
MS用バズーカA2型[41]
ザクII用シールド×2(ククルス機)
搭乗者ランバ・ラル
ククルス・ドアン
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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