成虫は鱗粉を放って相手を混乱させる技を得意とし、これでゴジラなどの敵怪獣を何度も苦しめている。ただし、『モスラ対ゴジラ』と『ゴジラ×モスラ×メカゴジラ 東京SOS』では「鱗粉を失うと羽がもろくなり、飛行能力を失う(つまり死亡する)」という設定があるため、まさに「最後の攻撃」と言える[注釈 6]。水中戦は苦手で、『モスラ2 海底の大決戦』でのダガーラとの水中戦には苦戦している。『モスラ2』ではダガーラに対抗するために水中モードモスラやレインボーモスラ、『モスラ3 キングギドラ来襲』ではキングギドラに対抗するために鎧モスラへ変化する。平成モスラシリーズには「一度は敵に敗れるが、対抗するために新たなモスラになって再戦を挑み、倒す」という演出が多く見られ、これがモスラという怪獣自体の定番となっている[注釈 7]。
登場が予定のみに終わった作品としては、『地球攻撃命令 ゴジラ対ガイガン』の原型となった『ゴジラ対ガイガン キングギドラの大逆襲!』(幼虫)[15][16]、『ゴジラ対メカゴジラ』の原型となった『大怪獣沖縄に集合!残波岬の大決斗』(成虫)[17][18]がある。また、主役作品として『モスラVSバガン』が予定されており、後の『ゴジラvsモスラ』の原型となった[19]。
なお、ゴジラシリーズへの出演経験も持つ俳優の嶋政宏によれば、かつて幼虫の玩具が発売された際には、毛虫嫌いだった母(寿美花代)から購入を厳禁されたという[20]。 ガの怪獣という設定だが、実際にはガとチョウの中間のような形状となっている[21]。平成ゴジラシリーズや平成モスラシリーズなどでデザインを手掛けた漫画家の西川伸司は、チョウの形そのままでありながらキャラクターとして成立している奇跡のような怪獣であると評している[22]。 成虫の前翅には大きな目玉模様があり[21][注釈 8]、このことから「極彩色の怪獣」とも呼ばれる[注釈 9]。口は吸管ではなく幼虫と同様の咀嚼口となっている[21]。 幼虫は、第1作のイメージボードでは毛虫であったが、実際の造形ではカイコを思わせるものとなった[24]。『ゴジラvsビオランテ』の原作者である小林晋一郎は、日本人に身近な昆虫であるカイコをモチーフとすることで、恐怖心よりも愛着と親近感を与えるものにしたと推測している[24]。幼虫の目は、カイコの目に擬態した模様にあたる部分に存在している[24]。 成虫の脚の形状は、昆虫よりも鳥に近い形状をしており、卵の形状も同様である[25][26]。西川は、昆虫に対する気持ち悪さを極力排しようとした結果と考察している[26]。
形状