モスラ
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防衛隊の洋上爆撃のナパーム弾で炎上した海にモスラは姿を消す。勝利を確信し、祝杯すら挙げていたネルソンに福田は憤り、原田は「死骸が確認されたわけじゃない」と皮肉を吐く。その時、東京近郊の第三ダム(劇中の地図に奥多摩湖と表記されている)[32]に異変が発生したとの知らせが入る。第三ダムの湖面は何らかの巨大な力で荒れ狂っていた。駆けつけた福田たちが見たものはまさしく、モスラだった。大水で崩落しそうになっている橋に取り残された赤子を、福田は間一髪で救い出すが、モスラはダムを決壊させ再び姿を消す。ダム決壊は下流に甚大な被害をもたらし、マスコミのネルソンに対する批判は強まるが、ネルソンは一切無関係との主張を続ける。

その後、今度はモスラが横田基地から青梅街道を東京に向かって進撃しているという一報が入る。全長100メートルを超える巨大な重戦車そのもののモスラに対して特車隊と戦闘機が応戦するが、とても制止できるものではない。ここに至って、ロリシカ国大使館はようやくネルソンから小美人たちを奪回することに同意する。折しもネルソンの非道に憤っていた中條の弟・信二がネルソンの楽屋に忍び込むが、ネルソン一行は大使館職員を装って航空機で日本を脱出し、ロリシカ本国へ向かった後であった。原田からネルソンに提供されていた脳波遮断ガラスのケースにより、小美人たちの居場所を完全に見失ったモスラは渋谷を破壊し、防衛隊の攻撃をものともせずに暴走を続けた末、東京タワーをへし折り、そこで糸を吐き出して巨大なを作り始める。もはや事態は福田や中條の憂慮すら超えていた。

翌朝、ロリシカ国からの軍事援助で防衛隊に原子熱線砲が供与された。午前10時をもってモスラの繭に熱線攻撃が仕掛けられる。関係者全員に配られたサングラスなしには眼を痛めるほどの巨大な炎が上がり、瞬時にモスラの繭は灰となったかのように焼き尽くされる。同時刻、モスラの繭に対する原子熱線砲攻撃の模様は、ロリシカ本国にも中継放送されていた。自身の所有する農場のラジオでニュースを耳にしたネルソンたちは、狂喜のあまり小美人たちの脳波遮断ケースを開けてしまう。その時、黒焦げになった繭を突き破り、羽化した成体モスラが姿を現した。遠く離れた小美人たちの所在を感知し、活動を再開したのである。原子熱線砲の攻撃は繭の表面を焼きこそしたものの、内部のモスラのダメージとならず、むしろ羽化を促進してしまった。モスラは巨大な羽で台風以上の突風を巻き起こすと、ロリシカ国の方角へ飛び去っていく。それを見た福田や中條は、ネルソンがロリシカに逃亡したと確信を得る。

数時間後、福田・中條・ミチはロリシカ国に向かう航空機の機上にあった。中條が「小美人と話ができる友人」としての招聘だと説明する。モスラは小美人たちを捜し求めているだけで、ネルソンから小美人を救出してモスラに返さない限り、大国ロリシカといえども大被害に見舞われることは確実であった。モスラの接近にロリシカ国内の世論はネルソンへの非難が強まっていく。それでもなお逃走を図っていたネルソンだが、「小美人を返せ」と罵声を浴びせかけるニューカーク・シティの群衆たちに銃を向け、警官隊との銃撃戦の末に最期を迎える。治安当局の手によって小美人たちは保護されたが、モスラはなおもニューカーク・シティに大きな被害を与え続ける。一方、福田たちは、ロリシカの教会の鐘の音に聞き覚えのあるメロディが含まれていることに気付く。
登場キャラクター
インファント島民

太平洋某所に浮かぶ、ジャングルにおおわれた絶海の孤島に住む。無人島であると判断され、ロリシカ国の水爆実験場として用いられたが、彼らは島に生息する巨大な胞子植物から「赤い汁」を採り、これを飲んで体表に塗ることで、放射能に対する免疫を保っている。中條によってアトランティスとの関連が語られており、島の奥に古代遺跡の神殿祭壇(モアイ像が配置されている)がある。島民は巨大な「モスラ」を守護神としてあがめ、踊りを奉納している。武器を持たない平和主義文化を持ち、侵入者には石を叩き合わせて警告する。

舞踏シーンは日劇ダンシングチームが担当した[33]。本多猪四郎は、島民の男女ペアが互いを引き合い踊るシーンに、「子孫繁栄=生殖」の意味を持たせていると述べている。この踊りが最高潮に盛り上がった最初の群舞シーンの終盤では、主役の男性ダンサーのかつらが取れるハプニングが起こり、これはNGとなるはずだったがそうならず[注釈 4]、本編にはかつらを拾う仕草まで収録されている[33]。同様のハプニングは、『ゴジラ・エビラ・モスラ 南海の大決闘』のインファント島民が逃げるシーンにも見られる。

島民役の俳優は全身黒塗りであったため、撮影後は成城学園前駅前の銭湯を貸し切りにして体を洗ったという[34]

小美人詳細は「小美人#初代および「ゴジラ」シリーズ」を参照
モスラ詳細は「モスラ (初代および昭和ゴジラシリーズ)#映画『モスラ』(1961年)」を参照
吸血植物

諸元吸血植物[出典 9]
Vampire Plant[38]
身長不明[17]
全長不詳[37]
体重不明[17]
出身地インファント島[37]
出現地インファント島[17]

インファント島のジャングルに生息する、人間に絡みついて吸血する怪奇植物[出典 10]。核爆発のショックにより細胞が変化したとされる[36][37]

モデルは食虫植物[12]

脚本第1稿では、吸血植物登場の伏線として第二玄洋丸の救助のためインファント島に上陸した捜索隊員の足につるが絡みつこうとする描写が存在した[27]

登場兵器・メカニック
架空
原子熱線砲
ロリシカ国が
東京タワーに作られたモスラの繭を焼くために日本に供与する超兵器[出典 11]。パラボラ型の旋回砲塔を搭載した32輪の装置車と[39]、ボンネットタイプの6輪牽引車で構成される。原子力をエネルギー源として、パラボラ型放射機から熱線を発射する[16]。2基が日本に空輸されて防衛隊に緊急供与され、モスラの繭に対して攻撃を行ったが[40]、モスラを倒すことには失敗し、逆にモスラの羽化を促進させてしまった。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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