日本では1952年(昭和27年)2月29日までは漢字で「米」と書かれていた[17]。
「米」は常用漢字表にあるものの、メートルの読みは常用漢字表にはなく、1952年(昭和27年)3月1日以降の計量法に則した取引・証明においては「米」の字を用いることはできない。
古くは「粁」(キロメートル)、「糎」(センチメートル)、「粍」(ミリメートル)にも漢字があてられ、準常用漢字として位置づけられていたが(#漢字表記も参照)、1942年(昭和17年)に国語審議会から発表された標準漢字表案の段階において準常用漢字から外され[18]、第二次世界大戦後は使用機会も無くなった。 国際規格ISO/IEC 80000 series Quantities and unitsの規定では、単位記号 m のみが国際的に定められており、単位名称は言語に依存するとしているが、本文には内規によりイギリス英語綴り(オクスフォード式綴り)が用いられ[19]、metre表記が採用されている。 国際度量衡局が発行する国際単位系 (SI) 文書の英語版は上記のISO/IEC 80000 series Quantities and units.の表記に準拠している[20](meter → metre 以外では、liter → litre、deca → deka がある)。産業技術総合研究所計量標準総合センター (NMIJ) によって翻訳されたSI文書日本語版[21]でも、ISO/IEC 80000に準ずる日本産業規格JIS Z 8000においても、metre表記が採用されている。このため全てのJIS規格において、metre 表記となっている。
英語表記
国際純正・応用化学連合 (IUPAC) のような国際的な学術団体では、表記が国際的に標準化されていないとして[23]、metre表記に加えてmeter表記を許容する例もある[24]。
国際天文学連合は、単位にはmetreを使うとし、meterは計器を示す文脈に使うよう明記している[25]。
次項のアメリカ合衆国とフィリピン(の一部)における綴り meter は、数少ない例外である。米国では 1977年以降は、公式にmeterと綴られている[26](後述のメートル#米国における表記の経緯を参照)。
なお、単位の名称ではない、パーキングメータ(ー)やマイクロメータ(ー)、スピードメータ(ー)のような計器の名称には、「meter」の表記が多く使われている。 アメリカでも一時「metre」の綴りを使用していたが、1977年以降は公式に「meter」を用いるようになった[27]。1975年のメートル法転換法 (en:Metric Conversion Act
米国・フィリピンでの表記
フィリピンでも、その計量法の規定においては「metre」の表記である[32]。しかし、その他の法律や標準規格などでは「meter」としばしば表記されているのが実態である[33]。 米国が1971年に、 International System of Units(国際単位系)のフランス語版(仏版が正式文書)を翻訳し、NBS Special Publication 330(現在のNIST SP330[8]
米国における表記の経緯
しかしその後、米国内では、meter, literを主張する様々な運動が展開され、1975年には 商務省 (Department of Commerce) が政府機関に -er の綴りとするようにアドバイスし、1977年のNIST SP330の改定時に、ついにmeter、liter、そしてdeca →deka の綴りが採用されるに至った[34]。 -metre ( -meter) で終わる語のアクセントは、その直前にあるのが普通である。例えば speedometer(速度計)のアクセントは、speedo- の第2シラブルに強アクセントがある。しかし、kilometre, millimetre, nanometre などの倍量単位・分量単位の英語発音では、その接頭語 (kilo[35], milli, nano) の最初のシラブルに強アクセントがある。 なお、オーストラリア政府のメートル法転換局 (Metric Conversion Board) が1975年に、kilometreのアクセントは第1シラブルにあると公式に宣言したにもかかわらず、当時の首相のゴフ・ホイットラムが、第2シラブルにアクセントがあるべきと主張したことがある[注 4]。 漢字では「米突」の字が宛てられており、ここから「米」一字だけでメートルの意味を表すようになった。日本では明治時代、中央気象台(現:気象庁)が「米」を偏とする以下のような倍量・分量単位の漢字を作り、1891年(明治24年)から各気象台で気象観測の月報などに使用して、一般にも広まった。一部は中国でも取り入れられている。 以上の様々な漢字表記は戦後まもなくまで使われたが、いずれも当用漢字[37]から外されたうえ、1951年(昭和26年)に施行された計量法上その使用は禁止されている[38]。 中国では、伝統的な単位の尺と関連付けて、中華人民共和国成立以前はメートルを「公尺」とも呼んだが、現在大陸では「米」と呼ぶのが普通となっており、台湾に「公尺」の呼び方が残っている。
派生語の英語発音
漢字表記1925年のラジオ番組表。『朝日年鑑 大正14年 ? 大正15年』より。メートルの当て字「米突」が見られる。
マイクロメートル (µm) - .mw-parser-output .jisx0212font{font-family:"Hiragino Sans Pr6N","Toppan Bunkyu Gothic","Yu Gothic","ヒラギノ角ゴ Pr6N W3","A-OTF 新ゴ Pr6N R","源真ゴシック Regular","源ノ角ゴシック JP Normal","Source Han Sans JP Normal","Noto Sans CJK JP DemiLight","Noto Sans CJK JP DemiLight","小塚ゴシック Pr6N R","KozMinPr6N-Regular","メイリオ","Meiryo","Meiryo UI","游ゴシック","游ゴシック体","VL Pゴシック","MS Pゴシック","MS PGothic","小塚ゴシック Pr6N M","小塚ゴシック Pr6N","KozGoPr6N-Medium","A-OTF 新ゴ Pr6N","Arial Unicode MS",Code2000}?(一微[36])(元の国訓は「ミクロン」)
ミリメートル (mm) - 粍(一毛[36])
センチメートル (cm) - 糎(一厘[36])
デシメートル (dm) - 粉(元々「こな」の意味の文字だが、デシメートルの意味は日本で作られたもの(国訓)である。)(一分[36])
デカメートル (dam) - 籵
ヘクトメートル (hm) - 粨
キロメートル (km) - 粁
ミリアメートル (104 m) - ?(?米萬)
歴史
起こり(英語版