フランスで最初に導入され、メートル条約で導入が進められたのは、上記の長さ・面積・体積・質量の単位のみである。「度量衡」という言葉もあるように、当時制度の上で必要な単位は長さ・面積(度)、体積(量)、質量(衡)のみであった。単に「メートル法」と言った場合には、フランスで最初に制定された上記の範囲の単位系をいう。
時間の単位については、既に広く世界で使われていた秒があったが、これは六十進法であったため、十進法の新たな単位を創設しようという意見もあった(十進化時間)。議論の末、時間の単位は秒がそのまま使用されることになった。
19世紀以降、科学や工業の発達により、他の物理量についても単位が必要となった。そこで、学者や分野ごとに、メートル法を基礎としながらそれぞれ違う大きさを持った単位が作られたり、異なった物理量を基本として単位系が作られたりしたため、各種の単位系が無秩序に存在することとなった。広義には、これらの(狭義の)メートル法を基礎とする各種の単位系を総称して「メートル法」という。これらの単位系を再統一するために、派生した単位系の一つであるMKSA単位系を元として作られたのが国際単位系 (SI) である。
広義のメートル法に属する単位系には、以下のようなものがある。
CGS単位系 -- センチメートル (centimetre)、グラム (gram)、秒 (second) を基本単位とする単位系。以下の3種類の単位系は、電磁気の単位の組み立て方の違いによるものである。
静電単位系
電磁単位系
ガウス単位系
MKS単位系 -- メートル (metre)、キログラム (kilogram)、秒 (second) を基本単位とする単位系
MKSA単位系 -- MKS単位系に電流の単位アンペア (ampere) を加えたもの。これを発展させたのが国際単位系 (SI) である。
MKSC単位系 -- MKS単位系に電荷の単位クーロン (coulomb) を加えたもの。
MTS単位系 -- メートル (metre)、トン (ton)、秒 (second) を基本単位とする単位系
重力単位系 -- 基本とする物理量について、質量の代わりに力(重量キログラム)を使用するもの。
脚注[脚注の使い方]
出典^ “metric