リヒャルト・ワーグナーの『トリスタンとイゾルデ』の音楽が映画の主なテーマ曲として使われる。この選択は、マルセル・プルーストの『失われた時を求めて』内で、プルーストがワーグナーのそれこそが史上最も偉大な芸術であると結論付けていることからインスパイアされている。『メランコリア』では、トリアーの『エレメント・オブ・クライム
』(1984年)以来のどの作品よりも音楽が使われている。数場面では、映画は音楽と同じペースで編集された。トリアーは「それは少しミュージックビデオに似ている。」と述べた[3]。またトリアーは、ワグナーと音楽の編集とナチス・ドイツの美意識が並行していると指摘した[3]。2011年5月18日にカンヌ国際映画祭のコンペティション部門で公開された[13]。デンマークでは5月26日にノルディスク・フィルム
の配給で公開される[6]。イギリスでは9月30日にアーティフィシャル・アイ、北アメリカでは11月4日にマグノリア・ピクチャーズ配給で公開された[14]。日本ではブロードメディア・スタジオ配給で2012年2月17日に公開された。カンヌ国際映画祭における記者会見でラース・フォン・トリアーは本作におけるドイツのロマン主義芸術からの影響を話した後、「ヒトラーに共鳴する」などと発言したために反ユダヤとされた。カンヌ映画祭事務局側は事態を重く受け止め、「好ましからぬ人物」としてトリアーを追放した。出品された「メランコリア」は審査の対象から外されなかったものの、仮に授賞してもトリアー監督は出席できなくなった[15]。同映画祭では本作に主演したキルスティン・ダンストが女優賞を受賞した。
参考文献^ a b c Monggaard, Christian (2010年7月27日). “ ⇒Absurd teater med en film i hovedrollen” (デンマーク語). Dagbladet Information