メメント_(映画)
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2001年11月3日

上映時間113分
製作国
言語英語
製作費$9,000,000
興行収入

$40,047,078

$25,544,867

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『メメント』(英語: Memento)は2000年アメリカ合衆国の映画。当時未公開のジョナサン・ノーランによる短編小説『Memento Mori(英語版)』の映画化であり、クリストファー・ノーラン脚本監督によるミステリースリラー作品である。を殺されそのショックから10分間しか記憶を保てないという記憶障害を抱えることになった主人公レナード・シェルビーが、妻を殺害した犯人を探す過程を描いており、ストーリーを終わりから始まりへ、時系列を逆向きに映し出していく。

その革新的な内容が口コミで広がり、封切り時に11館だった上映劇場が500館以上に拡大し、10週目にして全米チャート8位にランクインした。また、アカデミー賞において脚本賞、編集賞にノミネートされるなど、興行的にも批評的にも高く評価された。

また、2017年には2000年代の映画としては4作品目(劇映画としては初)となるアメリカ国立フィルム登録簿に追加された。
物語

本作品は、分割されたシークエンスが本来の出来事とは逆の順(新しい出来事順)から映し出されていく形式となっている。これにより観客は状況が把握できず、記憶の長続きしない主人公レナードと同じ視点から物語を見ることができる。また各シークエンス間には、より過去の出来事であることを表す「白黒のシークエンス」が短く挿入され、そこでは主に過去の回想を通して主人公の特殊な境遇が説明される。ただしこの白黒のシークエンスは、通常の時系列順(古い出来事順)に映される。実際の作品ではカラーのシークエンスと白黒のシークエンスが交互に映されていく。物語開始時点では両シークエンス間には時間的に隔たりがあるので一見繋がりを持たないように見えるが、物語が進むにつれ同じ時間軸上にあることが次第に明らかとなり、最終的に両シークエンスは連続した一つのシークエンスとして結合する。以下、便宜上「白黒のシークエンス」と「カラーのシークエンス」を分けて書き、内容は作品内で映される順番に書く。なお、本来の出来事の発生順に物語を知ろうとすれば、まず「白黒のシークエンス」を順に読み、次に「カラーのシークエンス」を終わりから段落ごとに逆上って読めば良いことになる.
「白黒のシークエンス」

モーテルの一室で目覚める主人公レナード。彼はどのくらい自分がそこに滞在しているのかも分からない。左手にある「サミーを忘れるな」という一文をはじめ、彼の全身にはあちこちに文字のタトゥーが刻まれている。それらは過去の自分が現在の自分に向けて残した「妻を強姦し殺害した犯人を見つけ復讐を果たせ」というメッセージおよび,その犯人に関する「事実」と第された手がかりの数々である。過去、彼は妻とともに強盗に襲われ、頭部に損傷を受けて以来、新しい記憶を数分以上保つことができない前向性健忘症を患ってしまっていた。彼はタトゥーの他、出会った人物や場所をポラロイドカメラで撮影し、そこにメモを書き添えたりすることで記憶の代替とし、過去の自分との連続性を何とか保ちながら、警察が追わない犯人「ジョン・G」を独力で探し出そうと、探偵のような暮らしを送っていた。

レナードは、電話をかけてきた協力者と思しきの人物に、自分の症状の説明代わりに「サミー」についての話を始める。サミーとは昔、彼が保険調査員の仕事をしていた時に担当した顧客で、現在のレナードと同様、交通事故の後遺症により記憶能力を失ってしまっていた。しかしレナードがそうであるように、糖尿病の妻にインスリン注射を打つなど、事故以前に学習したことは問題なくできた。こうした記憶障害は稀に発生するのだが、詳しい検査の結果、サミーには条件反射による学習も認められなかったため、心因性(この場合,遠回しに仮病・詐欺の可能性を意味する)と診断され保険金は下りなかった。レナードは「俺はサミーとは違う。感覚(条件反射)で覚えることができるからだ」と付け加えた。『メメント』の構成イメージ。隔たれた「白黒のシーン」と「カラーのシーン」を交互に映しながら進行し(図上部)、最後に両者が結合して終わる(図下部)。

サミーを懸命に支えつつも疲弊しきった妻は、ある日、最後の望みを託し賭けにでた。自分の命を危機的状況に晒せば、土壇場で記憶力を回復するかもしれないと考え、短時間に繰り返しインスリン注射を夫に頼んだのだ。だが思いは届かず、サミーは言われるままに致死量を超える注射を打ち、妻は死ぬ。『メメント』のタイムライン。赤線=カラーのシーン、青線=白黒のシーン。横軸:映画の時間経過。縦軸:物語内の時間経過。

以上の話を終えたところで、電話の相手は自分が「ジョン・ギャメル(通称テディ)」という麻薬捜査官であり、「ジミー・グランス」という麻薬の売人がレナードの追っている犯人「ジョン・G」であること、麻薬取引場所である廃屋でジミーと接触できることを教えた。現場へ赴くと情報通りジミーが現れ,あたかもレナードと顔なじみのように振る舞ったが、レナードは構わず殴り殺し、彼の衣服に着替えた。
「カラーのシークエンス」

テディと廃屋に来たレナード。自身の手には「奴の嘘を信じるな。奴が犯人だ。殺せ」と書き添えられたテディのポラロイド写真があった。とうとう犯人を見つけたのだ。


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