2020年12月、MGMは、新型コロナウイルスのパンデミックと映画館の閉鎖によるストリーミング・プラットフォームの支配を要因として、スタジオの売却を検討し始めた。2021年5月17日、アメリカのIT大手であるAmazon.comが買収交渉に入った。この交渉は、アンカレッジ・キャピタル・グループが大株主であるMGMの取締役会長ケヴィン・ウルリッヒと直接行われた[6]。2021年5月26日、MGMが規制当局の承認とその他の定型的な閉鎖条件に従い、84億5000万ドル(約9200億円)でAmazonに買収されることが正式に発表された[2]。
2022年3月17日、Amazonが買収完了を発表。最終的な買収額は85億ドル(約1兆円)。連邦取引委員会(FTC)や欧州連合(EU)の規制当局による反対はなかった。これにより、Amazonは合計で21,000本以上(25,000時間相当)の映画作品とテレビ番組を手中に収めた[3][7]。
MGMスタジオはAmazonの既存のコンテンツ部門の下でレーベルとして運営を続け、AmazonスタジオとAmazon Prime Videoを補完する[8][9]。2022年8月、MGM映画としては初のPrime Video向け作品となる『13人の命』が世界同時配信された[10]。
2022年8月、同年11月全米公開の『ボーンズ アンド オール』から海外配給の担当をユニバーサル・ピクチャーズからワーナー・ブラザース・ピクチャーズ(日本国内はワーナー ブラザース ジャパン)に変更することを発表した。ただし、オライオン作品の『ティル』と『ウーマン・トーキング 私たちの選択』はユニバーサルが引き続き担当し、『Bond26(仮題)』も現時点では同社が行うとしている[10][11][12]。
2023年、Amazonは映像コンテンツ事業の再編を実施する。3月4日、MGMはアンナプルナとの合弁配給会社であるUARを吸収合併した上で、配給業務を大作などの劇場作品はMGM、Amazonオリジナル映画の配信(Prime Video)および一部劇場作品はAmazonスタジオへそれぞれ移行した。5月には、Amazonスタジオが配給部門として「Amazon MGMスタジオ・ディストリビューション」を新設[注 1]。10月3日には、AmazonスタジオがMGMの親会社で中間持株会社であるMGMホールディングスと合併してAmazon MGMスタジオに改称。MGM、オライオン、アメリカン・インターナショナル・ピクチャーズ(AIP)の3社は同スタジオの直接子会社となった。
上記の再編を受け、同年10月以後に劇場および配信公開されるMGM映画の冒頭のクレジット表記が「Metro-Goldwyn-Mayer Pictures Presents」から、Amazonオリジナル映画と同様に「Amazon MGM Studios Presents」に変更となった[注 2]。
主な映画「Category:メトロ・ゴールドウィン・メイヤーの作品」も参照
1920年代
殴られる彼奴 He Who Gets Slapped