後に短命となったマイナーリーグのいくつかは正式にメジャーリーグとみなされ、その統計と記録は現在の2つのメジャーリーグのものに含まれている。1969年に、アメリカプロ野球100周年を機にMLB機構の指定により『野球記録特別委員会』が設置され、そこで過去消滅したリーグを含め以下の6つのリーグを「メジャーリーグ」として認める、という決定がなされた。
ナショナルリーグ(1876年 - 現在)
アメリカンリーグ(1901年 - 現在)
アメリカン・アソシエーション(1882年 - 1891年)[12]
ユニオン・アソシエーション(1884年)[13]
プレイヤーズ・リーグ(1890年)[14]
フェデラル・リーグ(1913年から3年のうち運営基盤が確立していた1914年・1915年の2年間)[15][16]
それ以外の野球リーグでプロとして活動した経歴を持つ選手の記録については、現在この裁定に基づき、どこからどこまでをメジャーリーグ記録とするかといった分類が行われている。ただしこの裁定には一部研究者が異論を唱えており、ナショナル・アソシエーション(1871年 - 1875年)[注 2]、アフリカ系アメリカ人(黒人)中心に運営された「ニグロリーグ」のうち、特に運営基盤が確立されていた1920年 - 1948年の期間[注 3]、現在のアメリカンリーグの前身でマイナーリーグであった「ウェスタンリーグ」がアメリカンリーグと改称しナショナル・リーグの傘下であった1900年のアメリカンリーグなどもメジャーリーグとして扱うべきなどの意見がある。2020年12月17日、MLB機構は、「ニグロリーグ」に含まれる下記の7つのリーグの記録についてメジャーリーグの地位を与えると発表した[17][18][19]。
ニグロナショナルリーグ (第1期)(英語版) (1920年 - 1931年)
イースタンカラードリーグ(英語版)(1923年 - 1928年)
アメリカンニグロリーグ(英語版)(1929年)
イーストウエストリーグ(英語版)(1932年)
ニグロサザンリーグ(英語版)(1932年シーズンのみ)
ニグロナショナルリーグ (第2期)(英語版)(1933年 - 1948年)
ニグロアメリカンリーグ(英語版)(1937年 - 1948年シーズンのみ)
デッドボール時代サイ・ヤング (1911年のベースボールカード)詳細は「デッドボール時代」および「ブラックソックス事件」を参照
1900年から1919年までの期間は、一般に「デッドボール時代」と呼ばれる。この時代の試合は得点が低い傾向があり、ウォルター・ジョンソン、サイ・ヤング、クリスティ・マシューソン、モーデカイ・ブラウン、グローバー・アレクサンダーなどの投手たちが試合を支配した。その要因はいくつかあるが、ひとつには、この時代に使われていた「デッドボール(飛ばないボール)」と呼ばれた、とても緩みやすく投げるほどに糸がほつれ飛距離が出なくなるボールに原因があった[20]。それに加え、オーナーは3ドル(現在の価値で40ドル程)の新しいボールを購入することを嫌っていたため、ファウルボールもまれだったその当時、ファンはホームランボールでさえ投げ返さなければいけなかった。ボールは柔らかくなるまで、時には革がめくれ上がるまで試合で使い回された。そのため噛みタバコのヤニや、草、泥などで常に汚れていた[21]。