メキシコ革命
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1917年の革命憲法では外国人司祭の活動や宗教教育以外の教育への関与などが禁止された[11]

カランサは、事実上この憲法の内容を無視して政治を進めた。ビリャ派が瓦解した後、モレーロス州の山中でゲリラ戦を続けていたエミリアーノ・サパタは、1919年4月10日、「サパタ派に寝返りたい」と称して接近してきた政府軍の将校に不意打ちを受け、非業の死を遂げた。詳細は「シウダー・フアレスの戦い (1919年)(英語版)」を参照

この間カランサの求心力は急激に低下する一方、実質的にビリャ派との戦闘を指揮し、柔軟な考え方で農地改革などの社会改革の必要性を強く認識していたオブレゴン将軍の人望が高まる。この状況に危機感を抱いたカランサは、オブレゴンを政府から退け、さらに大統領に立候補しようとするのを妨害し、逮捕しようとする。1920年1月、オブレゴンは故郷のソノラ州に逃亡して、4月にはカランサに対する反乱を宣言する。ほとんどの将軍たちはオブレゴンにつき、ビリャ派とサパタ派の残党もオブレゴン派についた。わずか一ヶ月後にはカランサ大統領は首都メキシコ市から撤退に追い込まれ、港町ベラクルスに向かうが、ベラクルス州知事もオブレゴン派に付き、カランサはプエブラ州の山中を逃げまどったあげく、反乱軍に射殺された。
内戦の終結
オブレゴン大統領「en:Ruby Murders」も参照

最終的な勝者となったオブレゴンは1920年6月大統領選に立候補し、当選する。この間、オブレゴンはビリャ派・サパタ派の残党と最終的な和平協定を結び、両派はついに武器を置く。だが、フランシスコ・ビリャは1923年7月23日、秘書と護衛をのせた車を自ら運転中、何者からか銃撃を受け射殺された。

ほぼ同じ頃、オブレゴンの後継大統領の座を巡って、彼の忠実な部下で、オブレゴンが正式に大統領に当選するまでの間臨時大統領を務めていたこともあるアドルフォ・デ・ラ・ウエルタ蔵相が反乱を起こした。一時はデ・ラ・ウエルタが優位に立ったが、最終的にはオブレゴンが勝利した。この反乱を最後に、メキシコ革命の戦乱は、以降クリステーロの反乱(後述)など若干の戦闘はあるがほぼ収束に向かう。

1924年、再選禁止により辞職し、カジェスが大統領に当選。

1928年、オブレゴンは大統領の絶対再選禁止を規定していた1917年憲法を強引に改正して、二度目の大統領選に立候補する。対立候補を次々と抹殺するというかつての独裁者ディアスとそっくりな手法で選挙に勝ったオブレゴンは、しかし正式に大統領に就任する直前にカトリック教徒に暗殺されてしまった。これと前後して、1927年から29年にかけて、断続的にカトリック教徒による反乱が続く(クリステロ戦争)。なお、その後メキシコ憲法は再び改正されて、大統領は絶対再選禁止となっており、従って以降大統領を二期務めた者はいない。
カジェス(カリェス)大統領

オブレゴンの死後、権力を握ったのは貧しい教員の出身で自称「サパタ派」のカジェスだった。彼はオブレゴンが二度目に大統領に当選する前、彼の傀儡としての大統領を務めていたが、オブレゴンの死後は彼が歴代の大統領を傀儡とし、政治の腐敗が進行した。その状態は1934年、ラサロ・カルデナスが大統領に当選するまで続いた。
ラサロ・カルデナス大統領とPRI詳細は「制度的革命党」を参照

1934年、ラサロ・カルデナスが大統領に当選する。彼もカジェスに傀儡として選ばれた人物だったが、当選するとただちにカジェス他腐敗堕落した革命政権の黒幕、労働ボス化していた組合幹部を次々と追放し、政治改革に乗り出す。腐敗していた既存の労働組合に代わり、共産主義者であったロンバルト・トレダーノを支援して、新しい労働組合メキシコ労働者連合CTMを組織した。1917年憲法に規定されながら、その後遅々として進んでいなかった農地改革を強力に推進、さらに依然として外国資本の支配下にあった鉄道と石油産業の国有化に着手する。1927年に達成した石油産業の国有化は米国の猛烈な反発を受けたが、カルデナスはこれを断行した。また、1936年、スペイン内戦が始まるとカルデナス政権はスペイン共和国人民戦線政府と国際旅団ソビエト連邦と共に支援した。その敗北後は合計一万人以上の亡命者を受け入れた。1940年、ラサロ・カルデナスの任期が切れるとともに、メキシコ革命は名実ともに終結し、その後制度的革命党(PRI)による一党独裁時代が71年間続いた。
メキシコ革命を題材とした作品
映画


奇傑パンチョ 1934年

革命児サパタ 1952年

群盗荒野を裂く 1966年

戦うパンチョビラ 1968年

豹/ジャガー 1968年

ガンマン大連合 1970年

夕陽のギャングたち 1971年

脚註[脚注の使い方]
注釈^ 農民軍指導者[7][8][9]


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