メキシコ軍
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メキシコ空軍の役割においては、重点は治安作戦の支援におかれており、ピラタス PC-7(60機)はCOIN機として運用される。また、前述のP-99のほか、偵察型のPC-7やビーチクラフト キングエアなど、相当数の監視機が配備されており、国境線において密輸監視にあたっている。

航空輸送戦力としては、米国製のC-130(12機)をはじめ、ロシア旧ソ連An-32(3機)、イスラエルアラバ軽輸送機(12機)と多様な機体を運用している。

また、メキシコ軍においては(狭義の)陸軍がヘリコプターを持たないため、その運用は空軍が行なっている。武装ヘリコプターとしては、小型のMD 530F(20機)、大型のUH-60 ブラックホーク(6機)がある。また、輸送戦力の主力はMi-8(8機)、発展型のMi-17(19機)、大型のCH-53D(4機)である。
海軍練習帆船「クアウテモック」「en:Mexican Navy」および「メキシコ海軍艦艇一覧」も参照

メキシコ海軍(スペイン語: Armada de Mexico、略称SEMAR)は、49,510平方キロメートルに及ぶ海域と、9,330キロメートルに及ぶ海岸線の警備を任務として、人員 56,000名、艦艇 189隻、航空機 130機を有する。

メキシコ海軍は、メキシコ湾・カリブ海艦隊、太平洋艦隊、航空集団の3つの基幹部隊を編成している。

主力となる水上戦闘艦はいずれもアメリカ海軍の中古艦で、ケツァルコアトル級駆逐艦(旧米 ギアリング級) 1隻、アレンデ級フリゲート(旧米 ノックス級) 4隻が就役している。ただし、メキシコ海軍はアスロックを運用しておらず、また、これらの艦はいずれも艦対艦ミサイル艦対空ミサイルの発射機を搭載していないことから、その任務は洋上哨戒に限られている。

このほか、軽武装の哨戒艦が30隻配備されているが、このうち、 ウリベ級(英語版、スペイン語版)(988t; 6隻)、ホルジンガー級(英語版、スペイン語版)(1,022t; 4隻)、シエラ級(英語版、スペイン語版)(1,335t; 3隻)、ドゥランゴ級(1,554t; 4隻)、オアハカ級(英語版、スペイン語版)(1,678t; 6隻)は艦載機としてヘリコプターの運用が可能である。そのほか、輸送用としてニューポート級戦車揚陸艦 2隻がある。

メキシコ海軍はかなりの規模の航空部隊を有するが、それにもかかわらず、対潜哨戒機を持たないという点で非常に特徴的である。艦載機の主力はMBB Bo 105(11機)であるが、これは小型の武装ヘリコプターで、洋上での対テロ/密輸阻止に用いられる。

また、固定翼航空機としてはイスラエルより引き渡されたE-2早期警戒機(3機)があり、密輸阻止に大きな効果をあげている。このほか、CASA C-212海洋哨戒機(7機)、An-32輸送機(6機)がある。

なお、メキシコ海軍は、練習帆船として「クアウテモック」(ARM Cuauhtemoc)を有していることでも知られている。同船は、練習航海の一環として、たびたび日本にも寄港している[18]。これは、海軍が練習用として帆船を運用する少ない例のひとつである。

このほか、メキシコ海軍は、保有する艦艇の整備修理と哨戒艦艇や小型艦艇の建造を行うための海軍省造船所(スペイン語版)(スペイン語: Astilleros de la Secretaria de Marina、略称:ASTIMAR)をメキシコ湾岸に2か所、太平洋岸に3か所保有している。
メキシコ湾岸


第1海軍省造船所 (ASTIMAR 1) - タマウリパス州タンピコ

第3海軍省造船所 (ASTIMAR 3) - ベラクルス州コアツァコアルコス

太平洋岸


第6海軍省造船所 (ASTIMAR 6) - ソノラ州グヮイマス(Guaymas)

第18海軍省造船所 (ASTIMAR 18) - ゲレーロ州アカプルコ

第20海軍省造船所 (ASTIMAR 20) - オアハカ州サリナ・クルス

海兵隊「メキシコ麻薬戦争」および「メキシコ海兵隊」も参照

2000年代に入ると、国内の麻薬カルテルの抗争が激化。政府、警察、陸空軍関係者が金銭や暴力、恐喝により協力を強要されたことから、マフィアの摘発さえままならない状況となった。こうした状況の中、2006年に就任したフェリペ・カルデロン大統領は、麻薬組織との対決路線を選択。麻薬組織との関係が薄い海軍および海軍傘下の海兵隊(海軍歩兵)を組織的に利用して摘発に乗り出した。2009年12月16日、メキシコ海軍がベルトラン・レイバ・カルテルの拠点を襲撃して組織のボスを射殺する成果を収めた例があるが、襲撃した場所は海軍・海兵隊とは関係ないはずの内陸部の都市クエルナバカ市であった[19]。また、2014年には、海兵隊がシナロア・カルテルのトップ、ホアキン・グスマンを逮捕している[20]
脚注^ a b “The World Factbook”. 中央情報局. 2016年10月1日閲覧。
^ “ ⇒Armed forces personnel, total”. 世界銀行. 2016年10月1日閲覧。
^ “Data for all countries from 1988?2015 in local currency”. ストックホルム国際平和研究所. 2016年10月1日閲覧。


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