ジェンキンスは、前作 "Medicine for Melancholy" でもタッグを組んだ、長年の友人で撮影技師のジェイムズ・ラクストンと映画を撮影した[33]。ふたりはドキュメンタリー風の映像を避けるため、アリ・アレクサ(英語版)のデジタルカメラの上にワイドスクリーンのシネマスコープを取り付け、肌の色をより表現できるようにした[30][33]。カラリストのアレックス・ビッケル[注釈 6]も加わり、コントラストや彩度を増やしたカラー・グレードを作ることで、細部や色彩を保ったままで肌の色をより表現できるようになった。これにより、3章はそれぞれ異なるフィルム・ストック (Film stock) を模してデザインされることになった。第1章は、俳優の肌色を強めるため、富士フイルムのフィルム・ストックを模して作られた。第2章は画像にシアンの色合いを足したアグフア風のもの、第3章はコダック風のものが使われている[34]。
作品は、以前ジェンキンスの同級生だったナット・サンダース(英語版)とジョイ・マクミロン(英語版)によって、ロサンゼルスで編集された[30][33]。サンダースは第1章・第2章の編集を担当し、マクミロンは第3章の責任者を務めた[35]。 映画は、2016年9月2日にテルライド映画祭でワールド・プレミアを迎えた[41]。作品は8日後の9月10日にトロント国際映画祭で上映されたほか[42][43]、10月2日にはニューヨーク映画祭[44][45]、10月6日にはロンドン映画祭で上映された[46]。
音楽(英語版)の技法をオーケストラ音楽に当てはめ、「流動的で、重い低音のスコア」(英: a "fluid, bass-heavy score")を完成させた[27]。サウンドトラックは2016年10月21日に発売され、ブリテルが作ったオリジナル18曲と、グディー・モブ(英語版)、ボリス・ガーディナー(英語版)、バーバラ・ルイスの「ハロー・ストレンジャー」が収録された[36]。チョップスターズ (The Chopstars) のOG Ron C (en) ・DJ Candlestick (DJ Candlestick) 「チョップド・アンド・スクリュード」版も発売されている[37][38]。Moonlight: Original Motion Picture Soundtrack[39][40]
#タイトル作詞作曲・編曲アーティスト時間
1.「Every Nigger is a Star」 ボリス・ガーディナー(英語版)3:19
2.「Little's Theme」 ニコラス・ブリテル0:59
3.「Ride Home」 ニコラス・ブリテル0:47
4.「Vesperae Solennes de Confessore ? Laudate Dominum, K. 339 (Excerpt) (en) 」(モーツァルト) ニコラス・ブリテル1:42
5.「The Middle of the World」 ニコラス・ブリテル2:02
6.「The Spot」 ニコラス・ブリテル1:23
7.「Interlude」 ニコラス・ブリテル0:25
8.「Chiron's Theme」 ニコラス・ブリテル0:56
9.「Metrorail Closing」 ニコラス・ブリテル1:42
10.「Chiron’s Theme Chopped & Screwed (Knock Down Stay Down)」 ニコラス・ブリテル2:08
11.「You Don't Even Know」 ニコラス・ブリテル2:20
12.「Don't Look at Me」 ニコラス・ブリテル0:36
13.「Cell Therapy (en) 」 グディー・モブ(英語版)4:37
14.「Atlanta Ain't but so Big」 ニコラス・ブリテル0:55
15.「Sweet Dreams」 ニコラス・ブリテル0:58
16.「Chef's Special」 ニコラス・ブリテル1:10
17.「Hello Stranger」 バーバラ・ルイス2:43
18.「Black's Theme」 ニコラス・ブリテル0:56
19.「Who Is You?」 ニコラス・ブリテル0:53
20.「End Credits Suite」 ニコラス・ブリテル5:13
21.「Bonus Track: The Culmination」 ニコラス・ブリテル1:55
封切り