ムーンライト_(映画)
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ジェンキンスはマイアミの The Borscht arts collective (en) から、マクレイニーの戯曲 "In Moonlight Black Boys Look Blue" を紹介された[11][12]。マクレイニーと相談した後[12]、ジェンキンスはブリュッセルに1ヶ月逗留して映画脚本の初稿を書き上げ[11][13]、元の作品から3章を抜き出しつつ、マクレイニーに敬意を表してホモセクシュアルな側面を残す脚本にした[12]

脚本は、ジェンキンスとマクレイニーが受けた同じようなしつけを反映するものになった。フアンの造形はマクレイニーの弟の父を基にしており、フアンがシャロンに対してそうであるように、モデルとなった人物は子どものマクレイニーにとって「擁護者」(英: a childhood "defender")でもあった[14]。同様に、シャロンの母ポーラの描写は、薬物依存に苦しんだジェンキンスとマクレイニー双方の母を基にしている。ジェンキンスとマクレイニーは、どちらも映画の主撮影地であるマイアミ・リバティ・スクエア(英語版)出身である[10]

映画の製作費用を求めていたジェンキンスは、2013年テルライド映画祭で出会ったプランBエンターテインメント幹部に脚本を渡し、資金を獲得した。その後プランBエンターテインメントのデデ・ガードナージェレミー・クライナーがプロデューサーに就任し[11]A24が、会社の初製作映画として資金面の管理と世界配給を担当することになった[15]
キャスティング

映画は3章仕立てで、シャロンとケヴィンは章ごとに異なる俳優が演じる。ティーンエイジャーのシャロンは、アシュトン・サンダースが演じている[16]。子どものシャロンとケヴィンは、マイアミで広く募集された後、アレックス・ヒバートとジェイデン・パイナーが選ばれた[17][18]トレヴァンテ・ローズオーディションでケヴィン役に決定していたが、結局大人のシャロンを演じることになった[19]

アンドレ・ホランドはマクレイニーの戯曲を演じた経験があり、映画製作の10年前に、既に原作戯曲を読んだ経験があった[20]。ホランドは映画の脚本を読んだ後大人のケヴィン役に惚れ込み、「[脚本は]今まで読んだ中で最も素晴らしい」(英: "[The script] was the best thing I've ever read.")と述べている[21]

ナオミ・ハリスは、当初ポーラ役を演じることに気乗りしておらず、ステレオタイプな黒人女性の描写を演じたくはなかったと述べている[22]。ハリスがこの悩みを打ち明けたところ、ジェンキンスは自身・マクレイニー双方の母親を象徴的に描いたものとして、キャラクターが必要だと力説した[20]。ハリスは後に、薬物依存者役は受けないと決めていたが、映画の脚本と監督の寛容さが彼女に訴えかけたと語っている[10]。役準備のため、ハリスはクラック・コカイン中毒者のインタビューを試聴し、実際に薬物依存の女性とも面会した。また、自分がいじめにあった経験を、トラウマから抜け出そうとする中毒者と結びつけたという[22][23]

アデル・ロマンスキーはフアン役に、以前プロデュースした映画 "Kick" (en) に出演していたマハーシャラ・アリを推薦した。ジェンキンスは『ハウス・オブ・カード 野望の階段』でアリが演じていたレミー・デントン役のイメージから起用に躊躇していたが、アリの演技の幅やキャラクター理解の様子を見て起用に納得した[24]。アリはこの役をアフリカ系アメリカ人男性の助言者を演じる重要な機会と考えており[25]、自身の経験を「フアンと共に成長した」(英: “[growing] up with a Juan”)と語っている[24]ジャネール・モネイは脚本を送られてすぐに自分の役がテレサだと直感したといい、彼女にもドラッグや性的アイデンティティに苦しむ家族がいたことを明かしている[11]


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