ムーラン_(2020年の映画)
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これに反発した映画ファンや民主活動家が本作のボイコット運動を呼びかけ、「#BoycottMulan(ムーランをボイコットしよう)」などといったハッシュタグが2019年8月と2020年9月にアメリカとアジア各国(香港・台湾タイ)のTwitterでトレンド入りした[32][33][34][35]

2020年3月にもワールドプレミアの会場において、リウが中国人(または中華系)と言わずに「1人のアジア系として誇りに思う」と発言したとして、中国国内でも一部のネットユーザーが反発し、ボイコットを呼びかける声が発生した[36]
ロケーション撮影

本作の一部ロケーション撮影イスラム教徒に対する人権侵害などが指摘されている中国・新疆ウイグル自治区にて行われ、エンドロールにて同自治区の公安当局や中国共産党プロパガンダ機関に感謝するメッセージが表示されたことからインターネット上にて批判を集める事態となった[28][37][38]。これを受けて、マルコ・ルビオ上院議員共和党)などのアメリカ合衆国議会超党派議員団は、ウォルト・ディズニー・カンパニーと中国当局との関係を問う書簡を同社CEOのボブ・チャペックを送付したことを2020年9月11日に明らかにした[39][40]

ディズニー最高財務責任者(CFO)のクリスティン・マッカーシーは、2020年9月10日にバンク・オブ・アメリカ主催の会議において、「(歴史作品の実写化という性質上、)現地のユニークな風景と地形の一部を正確に描写するための取り組み」として、新疆ウイグル自治区を含む中国のロケ地20カ所を選定した上で撮影したと説明している[41]

中国外務省報道官は「当局が便宜を図れば、制作側が感謝するのは当然だ」として、一連の批判に対して、強く反論している[42][43]。なお、同国の政府機関である国家インターネット情報弁公室は映画評を含む本作に関する報道を禁止する通達を主要な国営メディアに出していたことがロイター通信から報じられた[30][42]。また、ウェイボーでもハッシュタグによる検索が出来なくなっている[42]
配信

前述の通り、2020年8月にウォルト・ディズニー・カンパニーはアメリカや日本などの一部の国では、劇場公開を断念して、Disney+での配信に変更すると発表した[22][44]。これについて、インターネット上では前述の主演女優による香港抗議デモに関する言動や米中貿易戦争による影響を指摘する声も上がっているが、ディズニーはそれらの影響については言及していない[22][33][45]

Disney+での配信に切り換えたことにより、ヨーロッパ国際映画館連合などを始めとする、アメリカとヨーロッパの映画館業界から猛反発を受けることとなり、フランスの映画館では経営者が本作品の宣伝スタンドを破壊する動画がTwitter上に投稿された[46]

また、レンタル価格もDisney+の月額利用料とは別に加算され、アメリカでは29.99ドル(約3200円)、日本では2,980円(税別)となり、月額利用料との合計でアメリカでは36.98ドル(約4000円)、日本では4,048円(税込)となるため、価格設定についても批判の声が発生している[22][25][44][47][48]。この価格設定について、ディズニーCEOのボブ・チャペックは「品質に見合った『適切な高価さ』」と説明している[47]

調査企業のセンサータワーによると、本作の配信が開始となった2020年9月4日から48時間(2日間)までの間のDisney+のダウンロード数とアプリ内の売上は前週比でそれぞれ68%と193%の増加となったと発表[36][49]。また、サンバ・テレビによると、同年9月4日から72時間(3日間)のアメリカ国内におけるスマートテレビの視聴状況を分析したところ、110万世帯以上の世帯が追加料金を支払った上で本作品を視聴し、3350万ドル相当の興行収入があったと明らかにした[50]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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