ムービー43
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2013年1月25日アメリカ合衆国の劇場で公開されると、本作は批評家によって広く酷評された。『シカゴ・サンタイムズ』のリチャード・ローパーは本作を「『市民ケーン』をひどくしたもの」と呼んだ[2]

日本では2013年8月10日R-15指定で公開され、2014年1月10日DVDBlu-rayソフトが発売された。
あらすじ

本作は異なる場面とシナリオを含む、異なる一連のスキットで構成される。
The Pitch

製作・監督:
ピーター・ファレリー

脚本:ロッキー・ルッソ(英語版)、ジェレミー・ソセンコ(英語版)、リッキー・ブリット

本作は14篇のスケッチによって構成されている。それらのスケッチを一本にまとめる役割を果たしているのが『The Pitch』と題されたセグメントであり、このセグメントはいわば本作の狂言廻しに該当する。

狂気じみた映画脚本家のチャーリー・ウェスラー(英語版)(デニス・クエイド)は、自らの執筆した脚本を映画会社幹部のグリフィン・シュレーダー(グレッグ・キニア)に売り込もう(pitch)としていた。シュレーダーが奇想天外な脚本の購入を拒否すると、ウェスラーは逆上して銃を取り出し、脚本を購入するよう脅迫する。やむなくシュレーダーはマネージャーのボブ・モン(コモン)のもとへ相談に行くが、モンは不遜な態度でシュレーダーを追い返す。モンの態度に激昂したシュレーダーは、赤字を出してモンを困らせるため、ウェスラーの劣悪な脚本を映画化して『ハワード・ザ・ダック』以来の「大作映画」を作ることを決意する。

シュレーダーがどのように映画を作ろうかと事務所で思案していると、悩み一つなさそうな表情で外を歩いているモンの姿が事務所の窓から見えた。怒りを高まらせたシュレーダーはウェスラーの銃で脅しながらモンを駐車場に向かわせ、「もし映画を作らないなら、そこにいる警備員(ウィル・サッソー)のペニスをしゃぶらせてからお前を殺すぞ!」と脅迫する。この様子を傍で見ていたウェスラーは逆に狼狽してしまい、別の物語のアイデアを提示することでシュレーダーを落ち着かせようとする。シュレーダーが隙を見せたところでモンは自らの銃を取り出し、シュレーダーを撃ち殺すが、なぜか身体から血がなかなか出てこない。そう、このセグメントはフィクションとして撮影されているドラマであったのだ。
The Thread

監督:
スティーヴン・ブリル

脚本:ロッキー・ルッソ(英語版)、ジェレミー・ソセンコ(英語版)

イギリスオランダでは『The Pitch』のセグメントが『The Thread(代替案)』と題するセグメントに差し替えられ、別バージョンとして上映された。『The Thread』では世界中で最も危険な発禁映画を探し回っている10代の少年3人が主人公に設定されており、『ムービー43』は文明の破壊を導く映画として設定されている[3]。このセグメントはDVDBlu-ray版に特典映像として収録されている。

カルヴァン・カトラー(マーク・L・ヤング(英語版))と友人のJ.J.(アダム・キャグリー (Adam Cagley))は、MTVの『ジャッカス』と同じような内容のふざけた動画を作ってYouTubeにアップロードする。動画はまたたく間に注目を集め、閲覧回数は100万回を超えた。しかしこの膨大なアクセス数は実際のアクセス数にはあらず、カルヴァンの弟バクスター(デヴァン・アーシュ (Devin Eash))がエイプリルフールのいたずらとしてでっち上げたものにすぎなかった。

バクスターは再生回数をめぐるいたずらを続ける一方で、あるプロジェクトを始動させる。それは『ムービー43』と呼ばれる危険な動画を探すというプロジェクトであった。J.J.とバクスターが『ムービー43』をGoogleで探し回っている間に、カルヴァンはバクスターのラップトップパソコンを分捕ってトイレに引きこもり、ポルノサイトの動画に映る女性の裸をオカズにして自慰に励む(ただし同時にコンピュータウイルスをもダウンロードしてしまう)。やがてバクスターが「インターネットの暗黒コーナー」と呼ばれる空間で『ムービー43』を見つけ、3人はその動画の内容を確認しようと試みるが、ゴロツキのヴランコヴィッチ(フィッシャー・スティーヴンス)と中国人の集団に作業を中断させられてしまう。話はそれだけでは終わらない。ヴランコヴィッチらはJ.J.のクラスメイトである映画会社幹部グリフィン・シュレーダーの長男スティーヴ(ネイト・ハートレー(英語版))を人質にとったのだ。

ヴランコヴィッチはカルヴァンら3人組に「もし『ムービー43』が見つかったら文明は破壊されることになる」と警告したが、3人組は警告を無視して調査を続行し、ついに『ムービー43』の実物を発見してしまう。しかしそのことで地球に大惨事が発生することが確実になったため、3人は慌ててラップトップパソコンをぶち壊そうとする。その時、彼らの部屋にカルヴァンとバクスターの母親(ベス・リトルフォード)が入ってくる。カルヴァンは母親のショーツが見覚えのあるものであることに気付く。そう、カルヴァンがさっきまでオカズにしていた裸の女性の正体は実の母親だったのだ。そのことを知って精神が錯乱したカルヴァンはパソコンの破壊作業に失敗し、かくして地球上の文明は破壊され尽くされた。

数年後、手足が不自由となりつつも生存していたカルヴァンが例のラップトップパソコンを見つけ、ハードディスクに残されていた動画を再生する。
ネック・ボール(The Catch)

製作・監督:
ピーター・ファレリー

脚本:ビル・オマリー、ロッキー・ルッソ(英語版)、ジェレミー・ソセンコ(英語版)

独身キャリアウーマンのベス(ケイト・ウィンスレット)は、友人の紹介を受け、「なぜか結婚しないセレブリティ」として名を馳せていたデーヴィス(ヒュー・ジャックマン)とブラインドデートへ出かける。

レストランに到着してデーヴィスがスカーフを取った際、ベスはデーヴィスの首から一対の睾丸がぶら下がっているのを見て衝撃を受ける。その上、自分以外の者はみなデーヴィスの首からぶら下がっている睾丸に驚かず、デーヴィス本人も身体的異常を認めようとしないことから、ベスは自分がおかしいのではないかと混乱し始める。やがて2人の席へデーヴィスの友人夫妻(ロイ・ジェンキンス、ケイティ・フィナーラン)が訪れ、2人のツーショット写真を撮ろうと言い出す。ベスはデーヴィスと顔を近づけなければならない羽目になり、首からぶら下がったデーヴィスの睾丸と接触させられるのであった。
自宅学習(Homeschooled)

監督:ウィル・グラハム

脚本:ウィル・グラハム、ジャック・クコダ

最近この町に引っ越してきたショーン(アレックス・クランマー)とクレア(ジュリー・アン・エメリー)の夫妻は、隣に住むロバート(リーヴ・シュレイバー)とサマンサ(ナオミ・ワッツ)の夫妻と一緒にお茶を飲んでいた。ロバートとサマンサには10代の息子ケヴィン(ジェレミー・アレン・ホワイト)がいる。ケヴィンは高校には通わず、家庭で学習を行う「自宅学習」を両親から受けていた。ショーンとクレアは自宅学習に興味津々であったが、ロバートとサマンサが、しごき、いじめ、拘留といった、実際の高校でありそうな出来事をそのまま家庭で行っていることを知ってドン引きする。

しかもロバートとサマンサの説明によると、ケヴィンのために自宅で「ハイスクールパーティー」を開き、サマンサが高校のガールフレンド役になってケヴィンのファーストキスのシミュレーションをしているという。自宅学習の実態に驚愕するショーンとクレアであったが、今からガールフレンドと一緒に外出するというケヴィンの様子を見て一安心する。礼儀正しく健全に育っているように見えたからだ。しかしそこでケヴィンがみなに紹介したガールフレンドとは、実在する人間ではなく、サマンサの顔写真が貼り付けられた一本のモップであった。
プープ・オン・ミー!(The Proposition)

監督:スティーヴ・カー
(英語版)

脚本:ロッキー・ルッソ(英語版)、ジェレミー・ソセンコ(英語版)

ジュリー(アンナ・ファリス)とダグ(クリス・プラット)は1年ほど交際してきたカップルである。ちょうどダグがジュリーにプロポーズしようとした時、ダグはジュリーから「自分は糞便愛好の趣味があるのでベッドルームで脱糞してほしい」と頼まれる。

親友のラリー(J・B・スムーヴ)らに促され、ダグはセックスの前に大量のサンドイッチを頬張り、下剤を丸ごと一瓶飲み込む。今にも脱糞しそうになるダグであったが、ジュリーから「楽しみはまだとっておきたい」と前戯を望まれて苦悶する。どうにも我慢がならなくなったダグは「早くクソをさせてくれ!」と叫ぶが、ジュリーにとって糞便は「クソ」などという汚い言葉で表現されるべきものではなかった。ジュリーはダグが「クソ」という汚い単語を使用したことにショックを受け、家から飛び出ていく。ダグはジュリーを追いかけるも自動車にはねられ、その衝撃でそこらじゅうに脱糞してしまう。

ダグが自動車にはねられる物音を聞いたジュリーは慌ててダグのもとへ立ち戻り、路上で倒れているダグを抱きかかえながら謝罪する。さらに、路上にばら撒かれている糞便の量と美しさに感激し、ジュリーはダグからのプロポーズを受け入れる(エンドクレジットで「ジュリー」と「ダグ」の役名はロッキー・ルッソ、ジェレミー・ソセンコ、スティーヴ・カー、ピーター・ファレル、チャールズ・B・ウェスラーによって誤って「ヴァネッサ」と「ジェイソン」とクレジットされている)。
ムラムラ・スーパーマーケット(Veronica)

監督:
グリフィン・ダン

脚本:マシュー・アレック・ポーテノイ

ニール(キーラン・カルキン)は地方のスーパーマーケットの従業員であり、今日は夜間のシフトで働いている。いつものようにレジ業務を行っていると、元カノのヴェロニカ(エマ・ストーン)がニールのレジへやって来る。


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