サウジアラビアを支えてきた石油資源に依存しない経済・社会を目指した改革を進めている。生活や仕事は夜型で、午前0時過ぎに省庁幹部の携帯電話を鳴らして、業務の進捗を問うこともしばしばあるという[36]。
2017年11月、ムハンマドが率いる反汚職委員会が、ムトイブ王子(国家警備相)やアルワーリド王子ら王子11人を含む複数の閣僚経験者を逮捕した。表向きは汚職容疑であるがムハンマドが志向する急進的な改革に対する抵抗勢力を潰すためであると観測された[37]。
2018年3月のアメリカ合衆国訪問を前に米CBSテレビとのインタビューに応じ、「サウジアラビアは核爆弾を持つことを望んでいないが、イランが核兵器を開発すれば、それに従うことになる」と語った[38]。
2018年10月にムハンマドに批判的だったジャーナリストのジャマル・カショギが在イスタンブールのサウジアラビア領事館内にて殺害されるという事件が発生し、アメリカ合衆国の情報機関はムハンマドが殺害計画を承認していたと認定、国際的な批判を受けることとなった(後述)。
2019年2月、パキスタンと中国を訪問し、パキスタンを訪れたムハンマドは一帯一路構想による開発が進むグワーダルの製油所建設などの合意書に署名し[39][40]、訪中の際はテロとの戦いに必要な中国の措置を支持すると述べて新疆ウイグル自治区での人権弾圧を容認するものとして物議を醸した[41]。同年7月の国際連合人権理事会では日本などの22か国が中国の新疆ウイグル再教育キャンプなどを非難した共同書簡に対抗して中国を擁護する書簡を公開したロシア、シリア、イラン、カタールなどの50か国にサウジも加わった[42][43][44]。また、サウジアラビアの主導するイスラム協力機構もムスリムに対する中国の措置への「称賛」を表明した[45][46]。
2020年3月6日、OPECプラスの会合で追加減産を拒否したロシアと対立したサウジアラビアのエネルギー相であるアブドゥルアズィーズ・ビン・サルマン・アール=サウード王子は「今日という日を後悔するだろう」と述べて増産を表明して1991年の湾岸戦争以来最大の原油価格の暴落を引き起こし[47][48]、「石油価格戦争」「原油価格戦争」と呼ばれる様相を呈した[49][50][51][52][53]。アメリカのインターナショナル・オイル・デーリー紙などはアブドルアジズ・エネルギー相に「もっと強烈な減産強化策を出せ。ロシアが反対したら、こちらの減産も打ち止めにする」と指示したムハンマド・ビン・サルマン王太子の意向と報じられたが[54]、翌4月に新型コロナウイルス感染症の流行による原油市場の低迷の影響もあってOPECプラスは減産で合意した[55]。
2020年11月、ムハンマドはチャリティファンドを通じて、日本のゲームメーカーであるSNKの株式3割超を取得した[56]。後に同社株の株式公開買付け(TOB)を経て[57]、保有比率を96%以上に引き上げた[58][59]。なお、ムハンマドは2022年9月現在、任天堂やスクウェア・エニックス、カプコン、アクティビジョン・ブリザード、エレクトロニック・アーツなどのゲーム企業株式も保有していることが報じられている[60]。
2022年9月27日、サルマーン国王の勅令により内閣改造が行われ、ムハンマドは首相に昇格した[61]。ただしサウジアラビアの法律では国王が首相を兼務するとされており、例外措置が取られた[62]。カショギ暗殺事件が影を落とした人事とされる(後述)。
2022年11月1日にアルジェリアで開催されるアラブ連盟首脳会議には、長時間のフライトが中耳に悪影響を与える可能性を懸念した医師の助言に従って欠席し、ファイサル(英語版)外相がサウジアラビア代表団を率いることとなった[63]。
2024年5月20日より日本を訪問し、天皇陛下、岸田文雄首相との会談を予定していたが、サルマーン国王が肺炎の治療を受ける事に伴い、急遽訪日を延期する事となった[64]。 イスラム圏の国でも極めて厳粛で戒律の厳しいサウジアラビアであるが、2018年以降は多くの文化や戒律が、ムハンマド王太子によって解禁されつつある。性別で分けない映画館や女性の車の運転などが解禁されている[65]。 2018年10月、ジャーナリストのジャマル・カショギがトルコのイスタンブールにあるサウジアラビア領事館に入館後に行方不明になるという事件が発生し、トルコ政府は「カショギがサウジアラビア領事館の中で殺害されたという証拠を持っている」と述べ[66]、オンラインニュースサイトの「ミドル・イースト・アイ
国内の解禁
カショギ暗殺事件への関与