ムナグロ
泥地を歩く夏羽のムナグロ
保全状況評価[1]
LEAST CONCERN
(IUCN Red List Ver.3.1 (2001))
分類
ムナグロ(胸黒、英名Pacific Golden Plover、学名:Pluvialis fulva)は、チドリ目チドリ科に分類される鳥類の一種である。 シベリアとアラスカ西部のツンドラで繁殖し、冬季は東南アジアやオーストラリア、インド、アフリカ東部などへの渡りをおこない越冬する[3]。 日本へは旅鳥として春と秋の渡りの時期に全国に飛来する。本州の中部以南の地域では、越冬する個体もある。南西諸島や小笠原諸島では、普通に越冬している。 全長は約24 cm[3]、翼開長は約60 cm[4]。雌雄同色[4]。成鳥夏羽は、顔から腹までの下部分が黒く、その上部に白い縁取りがある。背面は黄褐色と黒褐色の斑模様になっている。成鳥冬羽は、体下面が淡黄褐色で腹部が褐色がかった白色である。嘴は黒色。足は灰色みをおびた黒色である。 幼鳥は成鳥の冬羽と似ているが、全体に黄褐色みが強く翼の下面が白っぽい。 繁殖期は極地のツンドラに生息し、6-8月に繁殖する。つがいで生活し、縄張りを持つ。巣は地上に作り、産卵数は普通4卵である。 食性は主に動物食で、昆虫類や甲殻類などを捕食する。草原や田圃で植物の種子をついばむこともある。 渡りの時期や越冬時には、水田や草原、干潟や河原、河口などに生息する[3]。体型の似ているダイゼンと比べると、やや乾いた環境を好む傾向がある。特に、越冬地では干潟や河原よりも、畑や公園の芝生などの方でよく観察されている。 飛翔しながら「ピョピョー」「キビョー」などの声で鳴く。 国際自然保護連合(IUCN)により、軽度懸念(LC)の指定を受けている[1]。 日本の以下の都道府県で、レッドリストの指定を受けている[5]。
分布
形態
生態
種の保全状況評価
絶滅危惧II類 - 東京都(区部、北多摩、南多摩、西多摩)[6]
準絶滅危惧種 - 京都府(春秋に旅鳥として飛来し、近年減少している。)[7]
準絶滅危惧 - 大阪府[8]
一般保護生物(D) - 千葉県(環境省の準絶滅危惧種に相当。)[9]
減少種 - 神奈川県(非繁殖期)[10]
脚注[脚注の使い方]^ a b “ ⇒Pluvialis fulva in IUCN Red List of Threatened Species. Version 2011.2.” (英語). 国際自然保護連合(IUCN). 2012年5月4日閲覧。
^ “Pluvialis fulva (Gmelin, 1789)
^ a b c 山溪ハンディ図鑑7 日本の野鳥 (2006)、220-221頁
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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