ヒンディー語の総使用人口は約5億人だが、そのうち5,000万人近くがムスリムである。ムスリムの使用するヒンディー語はアラビア語ペルシア語由来の外来語の占める割合が高く、ウルドゥー語との境界線が曖昧である。
パシュトー語の話者総数は約4,000万人である。ただし東西の方言差は大きい。
ハウサ語は話者総数約4,000万人、(うち母語話者数は2,500万人ほどである。)
そのほか、2,000万人以上のムスリムの話者人口を持つ言語が、アゼルバイジャン語、ウズベク語、クルド語、ダリー語、スンダ語、スワヒリ語(話者は非イスラム教徒の方が多く、総話者人口は1億人に達する。話者の大半が第二言語としての使用である。)、ソマリ語などである。
1,000万人規模のムスリムの話者人口を持つのが、シンド語、フラニ語、カザフ語、オロモ語(エチオピア正教徒などの話者も多い。総話者人口は2,500万人以上)、マドゥラ語、マレーシア語(非イスラム教徒が多い、華人系やインド系のマレーシア人も公用語として使用する。総話者人口は2,000万人強)、ヨルバ語(ムスリムは30%ほど。総話者人口は3,000万人以上)、タジク語、中国語(回族の話者)、ウイグル語などである。
日本人とムスリム初めてメッカ巡礼をした日本人ムスリム山岡光太郎「日本の宗教」および「日本のイスラム社会」も参照
日本では、文部科学省文化庁が宗教年鑑などの各宗教の人口統計を発表している。しかし、その統計は各宗教団体の自己申告の信者数を単純に合算したものに過ぎず、正確な統計とはいえない面がある。そのため、日本国内のムスリムの正確な人数を算出することは難しい。
文化庁が取りまとめた「宗務時報」によれば、歴史上のムスリム人口は、1931?1945年の戦中期の滞日ムスリム人口は500人から700としている。1953年に日本人ムスリムによって結成された日本ムスリム協会の創立時会員数は47名、1969年の外国人ムスリム人口は約1500人、1984年の滞日ムスリム人口は、約8000人という数字を上げている[1]。「宗務時報」では、2010年末の滞日ムスリム人口は約11万人としている[1]。ピュー・リサーチ・センターの調査では、2010年の滞日ムスリム人口は、約18万5千としている[2]。
国籍からみると、ムスリムが多数を占める国からの移民、定住者数は、比較的多いのがインドネシア人(約25000人)、マレーシア人(非イスラム教徒の中国系のマレーシア人の来日者も多いため、来日者に占めるムスリム比率は不明)、バングラデシュ人(約11000人)、パキスタン人(約9000人)、スリランカ人(スリランカ自体はイスラム教徒は少数派の国であるため、来日者に占めるムスリムの比率は不明)、イラン人(約5000人)、トルコ人(約2500人)、エジプト人(約1500人)、中国国籍回族(約3500人)、ウイグル人(約700人)である。
それ以外の国からの移民もおり、その出身国は、中東、東アジア、東南アジア、南アジア、中央アジア、アフリカと多岐に渡る。イスラム教徒の比率が、80%前後以上の比率の国家からの来日者数を合計すると、約58000人となる。それ以外の国家からの来日者にもムスリムは存在するため、実際はそれ以上の人口となることが予想される。しかし、前述のとおり、日本では日本人、外国人を問わず、各宗教、宗派の人口統計が存在しないため、正確な数は不明である。
アジアの非イスラム教国の多くには自国民のムスリムの集団が存在する。中国新疆ウイグル自治区等や、タイ南部、フィリピン南部、ミャンマー西部、モンゴル西部などには、隣接するイスラム圏から延長された、ムスリム民族の多数派地域が存在する。カンボジアやベトナムにはムスリム民族の飛び地が存在し、中国や、南アジア諸国には現地の言語や文化、民族に同化したムスリムの集団が存在する。
日本の全ての都道府県にモスク、もしくは何らかの礼拝所が存在し、イスラム教徒の専用の食品や肉、調味料を扱う店やレストランなどが併設されている所もある。 国および地域ムスリム人口(2009)ムスリムの比率主な宗派、学派主な民族主な言語
世界のムスリム
〇西アジア
アフガニスタン28,072,00099.7ハナフィー派、12イマーム派、イスマーイール派パシュトゥーン人、ハザーラ人、タジク人、ウズベク人、トルクメン人パシュトー語、ダリー語(ペルシア語)、ウズベク語、トルクメン語
バーレーン642,00081.212イマーム派アラブ人、ペルシア人、インド人アラビア語、ペルシア語、ウルドゥー語