ミレニアム_(小説)
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第1部の原題 "Man som hatar kvinnor" は直訳すると「女たちを憎む男たち」であり、シリーズ全篇を通して、女性に対する蔑視および暴力 (ミソジニー) がテーマとなっている。これは著者が15歳のころ友人と行ったキャンプで、一人の女性が友人達に輪姦されているところを目撃していながら、何もせずその場を逃げ去ったことに由来する。著者はその翌日、被害者の女性に許しを請うが拒絶される。その時以降、自らの臆病さに対する罪悪感と女性暴力に対する怒りが著者を生涯つきまとうようになった。その被害者の女性の名前は「リスベット」で、これと同じ名前が本作の第二の主人公に与えられている[4]
制作背景
第2部までを書き終えた時点で出版社と連絡を取り契約、その時点で第5部までの構想があったというが、ラーソンは第1部の発売も、シリーズの成功も見ることなく、2004年心筋梗塞で急死した。ラーソンの死により、彼のノートパソコンには第4部の4分の3に相当する下書きが残されたが、パソコンを現在所持しているパートナーのガブリエルソンは結婚しなかったのがあだとなって彼の作品に関する権利を持たず、彼の意思も残されなかったため公表の目処は立っていないという[5]。なお、1巻分もしくは2巻分の概要もしくは草稿が残されている可能性があるという[6][7]
しかし、出版社は続編3編の執筆をノンフィクション作家のダヴィド・ラーゲルクランツに依頼。ラーゲルクランツはオリジナル3編を十分読み込んだうえで執筆し、第4部を2015年に発表して好評を博した[8]。その後、第5部は2017年、第6部は2019年に発売されている[2]
その後、出版社のポラリス(Polaris)は、ラーソンの財団の許可を経て新シリーズ3作を刊行すると発表[9][10]。執筆は作家のカーリン・スミルノフが担当することとなり[11]、2022年に第1作が発表。日本では『ミレニアム7 鉤爪に捕らわれた女』として2024年4月に上下巻で刊行された(翻訳は山田文・久山葉子)。
メディア展開
三部構成で映画化され、第1部はスウェーデン本国では2009年2月27日に公開された。公開日週末の観客動員数は17万人を超え、人口の少ないスウェーデンでは滅多に見られない盛況ぶりで、スウェーデン映画としては大成功といえる結果であった[12]。テレビドラマ版は2010年2月より放映が予定されている。また、ハリウッドがリメイク版の製作に興味を示し[13]、2010年7月、デヴィッド・フィンチャー監督、ダニエル・クレイグ主演となることが決まった[14]。リメイク版ドラゴン・タトゥーの女 (2011年の映画)はアメリカで2011年12月、日本では2012年2月10日に公開された[15]。なお、三部作の残り二作品のハリウッド・リメイクは実現しなかったが、ダヴィド・ラーゲルクランツ版続編三部作の第一作(通算では第4部)であるミレニアム4 蜘蛛の巣を払う女が、フェデ・アルバレス監督、クレア・フォイ主演で映画化されている。(蜘蛛の巣を払う女の項を参照。)
ミレニアム三部作

スティーグ・ラーソンによる三部作。
第1部「ミレニアム1 ドラゴン・タトゥーの女」

ミレニアム1 ドラゴン・タトゥーの女
Man som hatar kvinnor
著者スティーグ・ラーソン
訳者
ヘレンハルメ美穂
岩澤雅利
発行日 2005年
2008年12月15日
発行元 Norstedts Forlag
早川書房
 スウェーデン
言語スウェーデン語
形態四六判並製本
ページ数[上] 379 / [下] 438
コード[上] ISBN 978-4-15-208983-0


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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