ミルチャ・エリアーデ
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8つの言語(ルーマニア語フランス語ドイツ語イタリア語英語ヘブライ語ペルシア語サンスクリット語)を流暢に使いこなした。
研究内容・業績
業績

エリアーデの思想(学問的な流れ)は、
ルドルフ・オットーヘラルドゥス・ファン・デル・レーウ、ナエ・イオネスク、伝統主義派(Traditionalist School)の業績に部分的な影響を受けている。

本国ルーマニアでは小説家として認知されているほか、宗教歴史学の分野におけるエリアーデの遺産が、雑誌『アルカェウス』("Archaeus",1997年創刊)に反映されている。

同時代ならびに後世に与えた影響

エリアーデは、
ヨアン・ペトル・クリアーヌなど多くの学者たちに決定的な影響を与えた。宗教史に関する業績では、シャーマニズムヨーガ宇宙論神話に関する著作においてもっとも評価されている。シャーマニズムにおいては、憑依ではなく、脱魂(エクスタシー)を本質と説いた。

近年、画家の岡本太郎がエリアーデの著作から思想的に大きな影響を受けていることが指摘されている(佐々木秀憲「岡本太郎におけるミルチャ・エリアーデの影響」『美学』239号2011年冬)。また、作家平野啓一郎もエリアーデの著作の影響を受けたと述べている[3]

没後、シカゴ大学神学部宗教史学科では、エリアーデの広範な貢献を讃え、彼の名を冠し「ミルチャ・エリアーデ記念宗教史講座」 (Mircea Eliade Distinguished Service Professor of the History of Religions) 職を設置している。

シカゴ学派

その指導を受けた学生は多いが、日本人では荒木美智雄がいる[4]

エリアーデ学説に対する批判
過度の一般化

エリアーデは自らの理論の正しさを証明するために、多くの神話や儀式を著作の中で取り上げている。しかし、多くの学者は、エリアーデの取り上げ方は恣意的で、彼の理論を宗教全般に当てはまるものだとするには証明が十分ではないと考えている。ダグラス・アレンは「エリアーデは現代の宗教史学者の中でも最も影響力があり、かつ人気のある人物である。しかし、人類学者、社会学者、宗教史学者の多くが(ほとんどではないにしろ)エリアーデの作品を無視、もしくは軽視している。」と述べている[5]
ロマンの投影

インド史を専門とするロナルド・インデンはエリアーデがカール・グスタフ・ユングジョーゼフ・キャンベルらのように、ヒンドゥー教ロマン主義的な見方で捉えていると批判している。インデンはエリアーデらの研究対象へのアプローチは主としてオリエンタリズム的なアプローチであって、ヒンドゥー教が現代に生きる西欧人に欠けている思想であるかのように思わせていると指摘している[6]
著作(一部)
主な学問的業績

Solilocvii, 1932

Oceanografie, 1934

Fragmentarium, Editura Vremea, 1939

Cosmologie ?i alchimie babilonian? , 1937

Insula lui Euthanasius, Funda?ia Regal? pentru Literatu? ?i Art?, 1943

Comentarii la legenda me?terului Manole, Bucharest: Editura Publicom, 1943日本語訳(以下略)『ルーマニア・オーストラリア・南アメリカ宗教学名著選』 奥山倫明監修(
国書刊行会〈アルカイック宗教論集第1巻〉、2013年)
『再統合の神話』、他に『棟梁マノーレ伝説の注解』、『オーストラリアの宗教』、『南アメリカの高神』を収録。

Traite d’histoire des religions, Paris: Payot, 1949『エリアーデ著作集 第1・2・3巻:宗教学概論 1・2・3』 堀一郎監修、久米博訳(せりか書房、1974年)、ISBN 4-7967-0078-1ISBN 4-7967-0080-3ISBN 4-7967-0082-X

Le Mythe de l'eternel retour, Paris: Gallimard, 1949『永遠回帰の神話:祖型と反復』 堀一郎訳(未來社、1963年、のち新版)、ISBN 4-624-10002-6


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