ミラマックス
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2016年3月2日には中東カタールbeINメディア・グループ(beIN Media Group)に買収された[5][6][7]。さらに米メディア大手バイアコムCBS(現:パラマウント・グローバル)は2019年12月20日、ミラマックスの株式49%を3億7500万ドル(約410億円)で取得することで合意したと発表した。ミラマックスが制作し著作権を保有する約700本の映画を同社のネットワークで配信できるようになる[8][9]2020年4月3日に売却は完了し、ビーイン・メディアは引き続き51%の株式を保持する[10]。そのため、日本におけるNBCユニバーサル・エンターテイメントジャパンおいては、2021年5月21日に、米バイアコムCBS傘下の映画会社ミラマックス[注 1]の作品をパラマウント・レーベルとしてソフト発売・販売を担当している[注 2][注 3]
映画の編集・翻訳・配給に対する批判

ミラマックスは、自社製作映画に対して、また配給権を獲得した海外の映画に対して、アメリカ人観客が受け入れやすくなるよう大幅に編集・改編することが多いため、ワインスタイン兄弟はフィルムに容赦なくハサミを入れる「シザーハンズ」とも揶揄されていた。これを免れた数少ない例は宮崎駿の『もののけ姫』、劇場版『ポケットモンスター』シリーズ(第4作?第7作)などである(もののけ姫についても、2時間以内への短縮やアメリカ人向けの整理を求める意見はあったが、最終的にはオリジナルを尊重することとなった)。またミラマックスは世界配給権を手に入れることが多いため、ミラマックスを通じて世界へ売られているヨーロッパや中南米、アジアの映画を製作国以外の国(例えば日本)で見る場合、本国のオリジナルに比べ大きくカットされていることは多い。(例:ジュゼッペ・トルナトーレの『マレーナ』はミラマックスによるカット版がイタリアを除く各国で劇場公開され、その後ノーカット・無修正版を収録したDVDが販売されている)

日本においては『Shall we ダンス?』(周防正行監督)の全米における配給を担当したことでその存在を知られるようになったが、その公開に至るミラマックス各部門(編集、翻訳、予告編など)との軋轢の顛末や全米プロモーションの道中については著書『『Shall we ダンス?』アメリカを行く』に詳しい。紛糾の末、周防の納得の行かない予告編が作成され、2時間半近い内容を2時間以内にカットしたバージョンが作られた。このヴァージョンがアメリカのみならずヨーロッパなどでも公開されることになったが、ミラマックスの営業の尽力により全世界での大ヒットに至っている。

吹き替えや字幕などの翻訳でもアメリカ人に受け入れられやすくするための改変が多いといわれる。たとえば『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ外伝/アイアンモンキー』は字幕つきのオリジナル音声で公開はされたものの、字幕ではアメリカ人になじみのない朝末期の政治的背景が翻訳されず、編集でもアクションシーン以外の部分が大きく短縮され、映画音楽も差し替えられたために『黄飛鴻のテーマ』が流れないという事態になった。

このほか、多くのアジア映画の配給権を購入したものの劇場でもDVDでも公開せず、その代わりに合法の輸入DVD販売を阻むなど、映画マニアを怒らせたこともある。たとえば『少林サッカー』の配給権を獲得しながら、劇場公開しないまま長期間にわたり死蔵し、その間に無残な予告編を公開した。結局、最終的な劇場公開までの間にファイルの違法ダウンロードと海外版DVDの輸入が大量に行われていた。
代表的な映画「Category:ミラマックスの作品」も参照

セックスと嘘とビデオテープ Sex, Lies, and Videotape(1989年 配給)

イル・ポスティーノ Il Postino(1994年 米国での配給)

パルプ・フィクション Pulp Fiction(1994年 製作・配給)

クロッシング・ガード The Crossing Guard(1995年 製作・配給)

イングリッシュ・ペイシェント The English Patient(1996年 製作・配給)

グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち Good Will Hunting(1997年 製作・配給)

恋におちたシェイクスピア Shakespeare in Love(1998年 製作・配給)

ショコラ Chocolat(2000年 製作・配給)

スパイキッズ Spy Kids(2001年 製作・配給)

スパイキッズ2 失われた夢の島 Spy Kids 2: The Island of Lost Dreams(2002年 製作・配給)

シカゴ Chicago(2002年 製作・配給)

スパイキッズ3-D:ゲームオーバー Spy Kids 3-D: Game Over(2003年 製作・配給)

キル・ビル Kill Bill(2003年 製作・配給)

コールド マウンテン Cold Mountain(2003年 製作・配給)

アビエイター The Aviator(2004年 製作・配給)

ネバーランド Finding Neverland(2004年 製作・配給)

プルーフ・オブ・マイ・ライフ Proof(2005年 製作・配給)

ルックアウト/見張り The Lookout(2007年 製作・配給)

テンペスト The Tempest(2010年 製作・配給)

ミラマックス ホーム エンターテイメント

ミラマックス ホーム エンターテイメントは、『タイタニック 深海に沈む真実(英語版)』、『BIONICLE -マスク・オブ・ライト- ザ・ムービー』、『BIONICLE2 メトロ・ヌイの伝説』というDVD・ビデオ映画もリリースしている。
脚注[脚注の使い方]
注釈^ 中東・カタールのビーイン・メディア・グループとの合弁
^ 2005年10月以前のディメンション・フィルムズ製作作品も含む。
^ ただし、ウォルト・ディズニー・ジャパンからリリースされている『シンデレラマン』、『すべてはその朝始まった』、『最終絶叫計画4』、『こわれゆく世界の中で』の4作品を除く。

出典^ Waxman, Sharon (2010年1月27日). “Miramax Dies: Rest in Peace”. The Wrap, Inc.. 2010年2月8日閲覧。
^ Theresa McCabe (2010年11月23日). “Google Eyes Miramax to Boost YouTube”. TheStreet. 2011年7月17日時点のオリジナルよりアーカイブ。2011年12月7日閲覧。
^ a b Alex Ben Block (12/3/2010). “Disney's Sale of Miramax Completed”. Hollywood Reporter. 2011年12月7日閲覧。
^ Dylan Stableford (2010年12月16日). “Miramax, Weinstein Co. to Produce Sequels to "Bad Santa," "Swingers" (updated)”. The Wrap. 2011年12月7日閲覧。
^ Busch, Anita (2016年3月2日). “Miramax Acquired By Qatar-Based beIN Media Group”. 2020年4月4日閲覧。
^ “beIN Media Group Acquires Miramax”. 2020年4月4日閲覧。
^ Cieply, Michael (2016年3月2日). “Miramax Is Bought by the Qatari beIN Media Group”. The New York Times. https://www.nytimes.com/2016/03/03/business/media/miramax-is-bought-by-the-qatari-bein-media-group.html 2020年4月4日閲覧。


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