ミノフスキー粒子を応用したビーム兵器。『ガンダム』をはじめガンダムシリーズ劇中ではおもに宇宙戦闘艦に搭載されているビーム砲を指して呼ばれるが、宇宙世紀に登場するビーム兵器はいずれも基本的にメガ粒子砲である[1]。
初期設定では、核融合エンジンの動力を利用して帯電粒子を磁力によって発射するとされ、MS用までの小型化が可能とされていた[4]。その後、前述のように松崎が『ロマンアルバム・エクストラ35』でミノフスキー物理学で説明できるとしたものの、直後の『機動戦士ガンダム・記録全集4』や『ロマンアルバム・エクストラ42 機動戦士ガンダム(劇場版)』では荷電粒子砲(電子ビーム砲)と非常に似ているが、電子ではなく重金属などの粒子のプラズマを射出するとされ[5][3][注 17][注 18]、ミノフスキー粒子との関連は語られず、ビーム・ライフルも原理的にかなり異なると思われるとされた[5]。しかし、『ガンダムセンチュリー』ではミノフスキー粒子と関連付けられた。
ミノフスキー粒子の立方格子をIフィールドによって極度に圧縮すると、ミノフスキー粒子は縮退して正・反ふたつのミノフスキー粒子が融合してメガ粒子となる。このとき、立方格子が縮小したミノフスキー粒子は見かけの重量を増大させる。メガ粒子となる際に、その質量の一部は消滅して運動エネルギーに変化する。高い運動エネルギーを獲得したメガ粒子の運動方向を、Iフィールドによって揃えて収束放出する、というのが原理である[8]。
エネルギー・コンデンサーで[20]ミノフスキー粒子を縮退寸前まで圧縮し[11]、メガ粒子発生装置に送られて一定値になるまで蓄えられ、その値を超えるとビーム発生装置へと送られ開放される。ビーム状態となったメガ粒子は、砲身内部の数個の加速リングと収束リングを通過して、到達地点で最大の破壊力を発揮できるよう調整される。そして先端のガイドラインによって弾道が安定するように固定され、目標へ向けて発射される[20][注 19]。
初期のメガ粒子砲は規模や使用電力が大きいため、大型の砲塔にセットして使用されるが、照準精度の向上が難しく、敵の追尾能力も決して高くはない[8]。発展型では、粒子収束放出口の前方にビーム偏向用のIフィールド発生器が装備され、20度程度のビーム偏向能力が付与されている[8](このため「偏向メガ粒子砲」とも呼ばれる[1])。戦艦やMAなど、大出力の熱核反応炉を備えたものに搭載されている[1]。
エネルギー変換効率は85パーセント以上となり、レーザーの4倍近い性能をもつ。また、荷電粒子砲と異なりビームの拡散率が低く、地磁気による影響を受けにくい[8][注 20]。ただし、大気があるとビーム先端のエネルギーが空気のプラズマ化に費やされて効率はやや低下し、雲の中では水蒸気分子を破壊するためさらに低下する[14]。