ミノサイクリン
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腹膜炎感染性腸炎

感覚系器官
涙嚢炎麦粒腫外耳炎中耳炎副鼻腔炎、化膿性唾液腺

歯科領域
歯周組織炎、歯冠周囲炎、上顎洞炎、

全身性感染症
炭疽つつが虫病オウム病
ほか

エイズ患者のトキソプラズマ症に対する 土壇場治療薬としても使用されている。

アメリカ合衆国ではリウマチ学会のホームページに他の治療より効果的でないため一般的には使用されないが、たまに使用されることがあると記される[6]
動態

アルミニウムカルシウムマグネシウムを含有している制酸剤、または含有製剤によって損なわれるが、乳製品を含む食事と同時にミノサイクリンを摂取しても、吸収の程度と時間は、絶食条件下との差は認められなかった[7]
主な副作用

アレルギーアナフィラキシー結節性多発動脈炎(PAN)、顕微鏡的多発血管炎(MPA)、自己免疫性肝炎、重篤な肝機能障害、中毒性表皮壊死融解症(TEN)、皮膚粘膜眼症候群(SJS)、薬剤誘発性エリテマトーデス(SLE)、紅皮症(剥脱性皮膚炎)光線過敏症、血液障害[8]。また、急性熱性好中球性皮膚症(Sweet's病)[4]や、聴覚障害[9]発癌性[10]の報告もある。

アナフィラキシーではない死亡例も報告されている[注 1][11][12]

肝障害、腎障害、食道通過障害を有していると副作用が強く出る[8]。経口摂取の不良な患者又は非経口栄養の患者、全身状態の悪い患者では、ビタミンK欠乏症状があらわれることがある[8]。また、他のテトラサイクリン系よりも頻繁に深刻な有害事象が報告されている。頭蓋内圧亢進肝障害自己免疫疾患好酸球増加症候群がミノサイクリンで多かった[13]。テトラサイクリン系の有害事象報告は「ミノサイクリン > ドキシサイクリン > テトラサイクリン」の順で頻繁かつ深刻であった[14]。非免疫性の甲状腺機能障害[15]耳鳴り目眩運動障害といった内耳前庭障害は女性に起きやすく(50?70%)、発症率がかなり高く不快なため女性患者に投与されることは滅多にない[16]

他のテトラサイクリン系よりも高い頻度で突発性頭蓋内圧亢進を引き起こす可能性があり、頭痛、視野の揺らぎ、目眩、嘔吐混乱も起こりうる[17]。長期使用では、皮膚への青灰色の着色が認められる[18]
アメリカにおける議論

2008年2009年にアメリカ食品医薬品局 (FDA) の有害事象報告制度(英語版) (AERS) から、潜在的な安全性の問題を特定したと公表があり調査中であるが、服薬の中止を意味するものではない。ミノサイクリン使用と甲状腺疾患小児自己免疫疾患、DRESS症候群(英語版)が関連を示した[19][20]

精子形成異常、発癌性などが米国の添付文書には記載され、男女共に妊娠を希望している場合には使用できない。ヒトへの限られた研究では、精子形成に有害であることが示唆された。動物研究では、甲状腺腫甲状腺癌が有意に増加した[注 2][7]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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