ミニディスク
[Wikipedia|▼Menu]
□記事を途中から表示しています
[最初から表示]

MD DATA

MD DATA

MMD-140A
メディアの種類光磁気ディスク (カートリッジ:あり)
記録容量140 MB(データ)、296分(ステレオ音声)
コーデックATRAC
読み込み速度1.2 Mbps(150 KiB/s)等倍速
書き込み速度1.2 Mbps(150 KiB/s)等倍速
回転速度1.2 m/s
読み取り方法780 nm赤外線レーザー
書き込み方法磁界変調ダイレクトオーバーライト
回転制御方式CLV
策定ソニー
主な用途音声、データ
ディスクの直径64 mm
大きさD 68 * W 72 * H 5 mm
テンプレートを表示

MD DATAはMDに音楽以外のデータを記録させるニーズに応える[50]ため、1993年に発表され、1995年(平成7年)にソニーからは『MMD-140』、TDKからは『MD-D140』、シャープからは『AD-DR140』として発売された。

基本的な仕様は音楽用MDと同様だが、音楽用MD利用者の混乱を避けるため、MD DATA専用のカートリッジ・ディスクが用いられており、音楽用MDとは異なり、ゴミの影響を排除するためロングシャッターを採用している[50]。なお、非公式ではあるが音楽用MDをMDデータドライブにてフォーマットすることでMD DATAとして使用可能となる。
データ用途Sony CyberShot DSC-MD1

容量は140 MBで、ファイルフォーマットには特定のオペレーティングシステムに依存しない独自のものを採用している。

PC用ドライブはソニーが1995年7月に発売したSCSI接続でポータブル型ドライブの『MDH-10』とOEM用の内蔵型ドライブの『MDM-111』があり、MDH-10は音楽用MDの再生も可能であるが録音はできない。

一方、PC以外ではソニーから発売されたパーソナルMDファイルの「DATA EATA」[注 16]デジタルカメラなどの製品で利用できる。

また、1994年(平成6年)にはMD DATAで画像を扱うための規格としてPicture MDが発表された[50]。この規格の採用製品はデジタルカメラが主で、1996年(平成8年)10月10日に発売されたソニーのサイバーショット『DSC-F1』の画像形式であるPIC_CAM[注 17]で採用された。DSC-F1はMDデータドライブを搭載していないが、同年11月10日に発売されたソニーのデジタルピクチャーアルバム『DPA-1』[56][57] はドライブを搭載しており、DSC-F1からIrDAを利用して、MDデータディスクに画像を保存できる。その後1997年にはドライブを搭載したデジタルカメラも発売された[注 18]。これらは音楽用MDの録音再生も可能である。

また、業務用機器[注 19]にも採用された。
オーディオ用途Sony MDM-X4

MD DATAという名称だが、オーディオ用途で用いることもでき、マルチトラック・レコーダー[注 20]で使用できる。ただし、データ用途で使用したディスクはフォーマットしなければオーディオ用途では使用できない。なお、マルチトラック・レコーダーは通常の録音用MDへの録音も対応しており、録音した音声はMDプレーヤーやレコーダーで再生できる。

通常の録音用MDではなくデータ用MDを使用するメリットは、MD DATAで採用されたATRAC2によって、マルチチャンネル(4ch / 8ch)による録音や長時間録音(ステレオ296分、モノラル592分)[74]ができる点であるが、その代わりにMDプレーヤーやレコーダーで再生できなくなる。
MD DATA2

MD DATA2

MMD-650A
メディアの種類光磁気ディスク (カートリッジ:あり)
記録容量650 MB(データ)
読み込み速度4.7 Mbps(580 KiB/s)最大2倍速
回転速度2.0 m/s
読み取り方法655 nm赤外線レーザー
書き込み方法レーザーストローブ磁界変調方式
回転制御方式CLV
策定ソニー
主な用途データ
ディスクの直径64 mm
大きさD 68 * W 72 * H 5 mm
テンプレートを表示
Sony DCM-M1

MD DATA発表以降、急速に普及していくパソコンによって、より高速・大容量のメディアの要求が高まり、それに応えるため開発され[75]、1996年12月16日、容量を650 MBに大容量化し転送速度を9.4 Mbpsに高速化したMD DATA2として発表された[76]

ディスクの厚みは音楽用MD、MD DATAと同様に1.2 mmが採用された。高密度化するには薄いほうが有利であるが、既存のMDとの互換性を優先した[75]。一方で開口数は既存のMDが0.45であるのに対して0.52の対物レンズを採用した[75]。このためスポットサイズを小さくでき[注 21]、またエラー訂正方式も既存MDのACIRCからリード・ソロモン積符号方式に変更したことで冗長度を20%削減させ[78]、容量を増大させた。

規格発表後、製品化には時間を要し、1999年8月28日に開催された国際コンシューマ・エレクトロニクス展に参考出品[79]、その後『MD VIEW(MMD-650A)』として同年12月3日に発売された。

そして同年11月1日に発売日が発表されていた[80][81]ソニーのMDビデオカメラ『MD DISCAM(DCM-M1)』で初採用された[82][83]。MD DISCAMはMDに動画を記録する初の製品であり[84]、映像記録にMPEG-2、音声にATRACを利用し動画は最大20分、静止画約4,500枚、音声最大260分が記録でき、音楽用MDの再生もできる(録音は不可)[85]。MDのランダムアクセス性を活かしたカメラ単体でのノンリニア編集10BASE-TによるPCとの連携に対応する。

なおMD DISCAMは試作機の段階では映像のデジタル入力端子も備えていたが、市販の映像ソフトからMD DISCAMに映像を取り込んで編集しMDに保存するなど、著作権に関する懸念があるため、製品版では削除された[84]
Hi-MD

Hi-MD


HMD1GAの表面と裏面
メディアの種類光磁気ディスク (カートリッジ:あり)
記録容量1 GB(データ)、94分(リニアPCM
フォーマットFAT32(データ)
コーデックリニアPCM、ATRAC
読み込み速度9.83 Mbps(1.228 MiB/s)
書き込み速度9.83 Mbps(1.228 MiB/s)
回転速度1.98 m/s
読み取り方法780 nm赤外線レーザー
策定ソニー
主な用途音声、データ
ディスクの直径64 mm
大きさD 68 * W 72 * H 5 mm
テンプレートを表示

Hi-MD(ハイエムディー)は高音質化や長時間録音、PCとの親和性向上など多岐に渡る拡張がなされた規格。2004年(平成16年)1月8日、ソニーによって発表された[86]

以前の音楽MD・MDLP・Net MDからの主な変更点や特徴は次の通り。

新たに発表されたHi-MDフォーマット専用の大容量ディスク『HMD1G』[87]を使い、最大45時間の長時間録音ができる

従来のディスクはHi-MD用に初期化することで、以前の約2倍の容量で利用できる

48 kbpsから352 kbpsまでの、幅広い用途に使える圧縮録音モードが追加された

MDでは初となる、44.1 kHz、16ビットリニアPCMによる非圧縮録音モードに対応した

録音したトラックをPCに吸い出せるようになった

PCからミニディスクをストレージメディアとして利用でき、USBメモリと同じように文書・音楽・写真ファイルを保存可能(ポータブルHi-MDドライブ『DS-HMD1』[88][89][90]などを使用)

別売りのHi-MD専用カードリーダー『MCMD-R1』[91][92][93][94]を使用して、Hi-MDモードのディスク(従来MDを初期化したものを含む)へ画像データの転送ができる


次ページ
記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:214 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:undef