ミニディスク
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MDLP

MDLP(MiniDisc Long-Play) は録音時間の延長を求めるユーザーの要望に応えるため、2000年7月18日に発表され[46][47][48]、同年9月以降に発売された製品に導入された、従来の音楽MD規格に2倍、4倍の長時間録音モードを追加する上位規格である。

MDLPはメーカー・ユーザーのいずれからも歓迎され、登場から数年で、市場で従来型の音楽MD機器を置き換えた。
録音モード

追加録音モードはそれぞれLP2モード、LP4モードと呼ばれ、従来のステレオモード(MDLP対応機器ではSPあるいはSTモードと呼ばれる)のそれぞれ2倍、4倍の時間分の録音ができる。

LPモードの符号化方式にはATRAC3を採用し、ビットレートはLP2モードで132 kbps、LP4モードで66 kbpsである。

MDLPにおける各録音モードと使用ディスク、録音可能時間の関係モード名符号化方式などCH80分ディスク74分ディスク60分ディスク表記時間比適した用途
SP-STEREOATRAC 292 kbpsステレオ80分74分60分1.0倍CDからの録音、音楽演奏の収音など
SP-MONOATRAC 146 kbpsモノラル160分148分120分2.0倍モノラル音源(ナレーション等)の録音など
LP2ATRAC3 132 kbpsステレオ楽器の練習など
LP4ATRAC3 66 kbps320分296分240分4.0倍会議やラジオの録音など

LP4モードではステレオ音声の左右相関を利用して圧縮する"Joint Stereo"を導入することで、ビットレートの不足を補っている。各LPモードにはいずれもモノラル録音モードはない。また、ATRACと違いスケールファクターが存在しないため音量の調整は出来ない。

なお、これらLPモードのビットレートはSPモードである292 kbpsの2分の1、4分の1より若干小さい。これは、MDLP非対応機器でLP形式のトラックを再生した際に問題が起こるのを避けるために各サウンドグループ(212バイト)毎に20バイトのダミーデータが挿入されているためである。
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この節には独自研究が含まれているおそれがあります。問題箇所を検証出典を追加して、記事の改善にご協力ください。議論はノートを参照してください。(2020年12月)

MDLP規格で録音されたディスクはMDLP非対応機器でも認識が可能で、そのうちSPモードで記録されたトラックは正常に再生できる。ただし、LP2・LP4モードで記録したトラックを再生すると曲名欄の先頭に「LP:」と表示され、音声が流れない。なお、録音機の設定によりトラック名に「LP:」を付加せずに記録されたトラックの再生時には「LP:」の表示もされない。

一方、MDLP対応機器は従来型音楽MDとの上位互換性を確保しているため、従来機器で記録されたディスク・トラックの再生およびSPモードでの録音が問題なく行える。なお曲名欄の先頭に「LP:」を付加して記録されたトラックを再生した場合は、「LP:」は表示されない。

このように、MDLPは従来仕様との互換性が比較的高いのが特徴である。これはMDLPが録音モードの追加を目的としているため、ディスク・ファイルフォーマットなどが従来のまま引き継がれたことが大きい。しかしこのことで、ディスクあたりに記録できるトラック数は最大255トラックまで、および入力できる文字数は最大半角約1700文字・全角約800文字という従来の制約も引き継いだ。そのため、使用法によっては、残記録可能時間に余裕があるのに録音できない、条件次第では全曲に曲名をつけられないなど、せっかくの長時間録音を活かせない。
Net MD

Net MDは2001年6月27日にソニーによって発表されたMD機器・PC間の音楽転送規格[12]。このシステムは、当時流行の兆しを見せていたデジタルオーディオプレーヤーのように、PCに録りためた音楽を転送して持ち出すスタイルをMDに持ち込んだ。登場当初はデジタルオーディオプレーヤーが採用しているフラッシュメモリが高額であり、MDは当時のメモリーカードや内蔵メモリタイプのオーディオプレーヤーに比べて、容量単価が安価だった。

Net MD機器とPCの接続にはUSBを使用する[12]。接続後に『SonicStage』(旧OpenMG JukeBox)や『BeatJam』を用いてATRACまたはATRAC3方式でリッピングした後OpenMGで暗号化した音楽データか、もしくはBitmusicなどの音楽配信で購入・ダウンロードした音楽データを、MagicGateでPCとNet MD機器間の認証をして相互転送する[12]。MD機器にとっては新規のOpenMGとMagicGateおよび、既存のSCMSを用いることで著作権保護を実現している[12]。Net MD機器でのMDへの録音・転送はMDLP相当のATRAC3もしくはSP相当のATRACであるため、記録内容は従来のMD (MDLP) 機器でも再生できる[12]

Net MD機器は接続したPCから操作することができ、MDに記録された音楽データのタイトル編集も可能である[12]。ただし編集は一部制限される。またPC側でNet MD機器側と接続制御するソフトウェアの制限などにより、PC側のソフトウェアに履歴の無い楽曲データ、つまり別のPCでMDにチェックアウトした楽曲のチェックイン(リッピング)は不可となっている。通常のMDレコーダーで録音したトラックをリッピングする事はごく一部の機種で対応している。

規格制定当時ソニーの執行役員専務であった高篠静雄[注 15]は、本規格によって「PCとの親和性を高めることでMD市場の更なる拡大を可能にすることを確信」し、著作権保護に配慮することで「音楽配信ビジネスの活性化にも寄与する」とコメントした[12]
データ用MD

データ用MDにはMD DATAとMD DATA2の2種類の規格が存在する。
MD DATA

MD DATA

MMD-140A
メディアの種類光磁気ディスク (カートリッジ:あり)
記録容量140 MB(データ)、296分(ステレオ音声)
コーデックATRAC
読み込み速度1.2 Mbps(150 KiB/s)等倍速
書き込み速度1.2 Mbps(150 KiB/s)等倍速
回転速度1.2 m/s
読み取り方法780 nm赤外線レーザー
書き込み方法磁界変調ダイレクトオーバーライト
回転制御方式CLV
策定ソニー
主な用途音声、データ
ディスクの直径64 mm
大きさD 68 * W 72 * H 5 mm
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MD DATAはMDに音楽以外のデータを記録させるニーズに応える[50]ため、1993年に発表され、1995年(平成7年)にソニーからは『MMD-140』、TDKからは『MD-D140』、シャープからは『AD-DR140』として発売された。

基本的な仕様は音楽用MDと同様だが、音楽用MD利用者の混乱を避けるため、MD DATA専用のカートリッジ・ディスクが用いられており、音楽用MDとは異なり、ゴミの影響を排除するためロングシャッターを採用している[50]。なお、非公式ではあるが音楽用MDをMDデータドライブにてフォーマットすることでMD DATAとして使用可能となる。
データ用途Sony CyberShot DSC-MD1

容量は140 MBで、ファイルフォーマットには特定のオペレーティングシステムに依存しない独自のものを採用している。

PC用ドライブはソニーが1995年7月に発売したSCSI接続でポータブル型ドライブの『MDH-10』とOEM用の内蔵型ドライブの『MDM-111』があり、MDH-10は音楽用MDの再生も可能であるが録音はできない。

一方、PC以外ではソニーから発売されたパーソナルMDファイルの「DATA EATA」[注 16]デジタルカメラなどの製品で利用できる。

また、1994年(平成6年)にはMD DATAで画像を扱うための規格としてPicture MDが発表された[50]。この規格の採用製品はデジタルカメラが主で、1996年(平成8年)10月10日に発売されたソニーのサイバーショット『DSC-F1』の画像形式であるPIC_CAM[注 17]で採用された。DSC-F1はMDデータドライブを搭載していないが、同年11月10日に発売されたソニーのデジタルピクチャーアルバム『DPA-1』[56][57] はドライブを搭載しており、DSC-F1からIrDAを利用して、MDデータディスクに画像を保存できる。その後1997年にはドライブを搭載したデジタルカメラも発売された[注 18]。これらは音楽用MDの録音再生も可能である。

また、業務用機器[注 19]にも採用された。
オーディオ用途Sony MDM-X4

MD DATAという名称だが、オーディオ用途で用いることもでき、マルチトラック・レコーダー[注 20]で使用できる。


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