1980年代のアメリカ合衆国。韓国系の移民のジェイコブ・イは一攫千金の夢を掴むべく、妻のモニカと長女のアンと長男のデビッドを引き連れてアーカンソー州の田舎町へと移住する。ジェイコブは一から農地を開拓して大農場主に成り上がろうとしていたが、モニカはそんな夫を冷ややかな目で見ている。ほどなくして、モニカの母スンジャが幼い子供たちの世話をするために韓国からやってきて一家と同居することになる。スンジャは並々ならぬ毒舌家だったが、どこか憎めないところもあり、一家の生活(特にデビッド)に刺激をもたらすことになる。
その一方で、農場経営は一向に軌道に乗らず、家計は火の車であった。様々な困難に直面したジェイコブは挫けるどころか、却って成功への意欲を燃やす。そして、全てを犠牲にする勢いで経営に没頭していったが、そのためにジェイコブとモニカの夫婦仲は険悪なものとなる。そんなある日、スンジャが脳梗塞で倒れ、右半身に障害が残ってしまう。 ※括弧内は日本語吹替。
キャスト
ジェイコブ・イ: スティーヴン・ユァン(寸石和弘)
モニカ・イ: ハン・イェリ(嶋村侑)
デビッド: アラン・キム
2019年7月11日、本作の主要キャストが発表された[9]。同月、本作の主要撮影が始まった[10]。12月13日、エミール・モッセリが本作で使用される楽曲を手がけるとの報道があった[11]。 2020年1月26日、本作はサンダンス映画祭でプレミア上映され[12]、審査員賞と観客賞の双方でグランプリに輝いた[13]。9月30日、本作のオフィシャル・トレイラーが公開された[14]。 2020年12月22日、ゴールデングローブ賞を主催するハリウッド外国人映画記者協会は台詞の半分以上が朝鮮語であることを理由に、本作を作品賞の候補作から除外した[15]。こうした措置に対し、アジア系の映画人を中心に批判の声が上がった[16]。ルル・ワン 本作は批評家から絶賛されている。映画批評集積サイトのRotten Tomatoesには65件のレビューがあり、批評家支持率は100%、平均点は10点満点で8.6点となっている。サイト側による批評家の見解の要約は「スティーヴン・ユァンとハン・イェリの魅力溢れる演技のお陰で、『ミナリ』は1980年代のアメリカにおける家族と同化の物語―それは胸が痛むほど切実なものだが、優しさも確かにある―を描ききった。」となっている[19]。また、Metacriticには14件のレビューがあり、加重平均値は88/100となっている[20]。 賞発表日カテゴリ対象者結果出典
公開・マーケティング
ゴールデングローブ賞におけるカテゴライズをめぐる批判
評価
受賞・ノミネート一覧
サンダンス映画祭2020年2月1日グランプリ(審査員大賞:ドラマ部門)リー・アイザック・チョン受賞[21]
グランプリ(観客賞:ドラマ部門)受賞
ボストン映画批評家協会賞2020年12月13日助演女優賞ユン・ヨジョン受賞[22]
作曲賞エミール・モッセリ受賞
アンサンブル・キャスト賞次点
ロサンゼルス映画批評家協会賞2020年12月20日助演女優賞ユン・ヨジョン受賞[23]
シカゴ映画批評家協会賞2020年12月21日主演男優賞スティーヴン・ユァンノミネート
助演女優賞ユン・ヨジョンノミネート
有望監督賞リー・アイザック・チョンノミネート
フロリダ映画批評家協会賞2020年12月21日作品賞次点
監督賞リー・アイザック・チョンノミネート
助演女優賞ユン・ヨジョン次点
脚本賞リー・アイザック・チョン受賞
アンサンブル演技賞ノミネート