ミツバツツジ(三葉躑躅[2]・三つ葉躑躅[3]、学名: Rhododendron dilatatum)はツツジ科ツツジ属の落葉低木。また、近縁のミツバツツジ類の総称でもある。山地や丘陵に生える。ミツバツツジという名称は、個別の種と、ミツバツツジ類の総称を指す場合が紛らわしいので、種としてはホンミツバツツジ(学名: Rhododendron dilatatum subsp. dilatatum var. dilatatum)という和名への改称が提案されている[4]。ミツバツツジ類には多くの種類があるが、枝先に3枚ずつ葉がつくことが共通の特徴である[5]。 本州の関東地方、東海地方、近畿地方東部の太平洋側に分布し[2]、主に山地や丘陵地のやせた尾根や岩場、里山の雑木林などに生育する[6]。 落葉広葉樹の低木で、樹高1 - 3メートル (m)[2][3]。樹皮は暗灰色で平滑である[3]。小枝は褐色で輪生状に2 - 4本出る[3]。葉は3枚輪生することから、名に由来になっている[2]。若葉は腺毛があって粘るが、成葉では無毛となる[2]。 花期は4 - 5月[6]。葉よりも先にピンク色の花が開く[6]。花冠は直径30 - 40ミリメートル (mm) の漏斗型で、深く5裂する[2]。他のミツバツツジ類の多くは雄しべが10本なのに対し、本種は5本であることが大きな特徴で、雌しべは1個ある[2]。山間でピンク色の花を咲かせるツツジ類のなかでは、アカヤシオに続いて2番目に咲く[6]。秋には紅葉し、くすんだ橙色や濃い赤色が多い[5]。枝の先に冬芽をつけ、多数の芽鱗に包まれている[3]。花芽は長楕円形で葉芽よりも大きく、軟毛と腺点があり、やや粘つく[3]。枝に側芽がつくが、発達しない[3]。葉痕は半円形で、維管束痕が1個つく[3]。果実には腺点がある[3]。似ているトウゴクミツバツツジには花芽に腺点がない[3]。 古くから庭木としても植えられるが、常緑性のツツジよりもやや日陰地のほうが向いている[2]。盗掘の影響もあるせいか野生の個体数は決して多くない。ミツバツツジ Rhododendron dilatatum
種としてのミツバツツジ(ホンミツバツツジ)