ミッドウェー諸島
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冷戦期もアメリカ海軍の基地が置かれ、ベトナム戦争中の1969年6月8日にはベトナム共和国(南ベトナム)のグエン・バン・チュー大統領とリチャード・ニクソン大統領の会談の場となった。

冷戦終結後、島は自然保護区(ミッドウェー環礁国立自然保護区)となることが決定され、軍事基地は1996年に閉鎖された。その後はエコツーリズムの場として観光客の受け入れが行われていたが2002年に中止された。

合衆国魚類野生生物局の管理下、担当官が数十名駐在して野生生物の保護、汚染の調査などにあたり、2012年まではボランティアの受け入れも行われ、Google ストリートビューも撮影されたが、2013年以降は予算削減により無人化した。

一般人の立ち入りは制限されているが、その地理的環境から、稀に太平洋を横断する航空機緊急着陸することがある[注釈 3]ほか、島内にミッドウェー海戦の慰霊碑[注釈 4]がある関係から、日本の海上自衛隊の艦船が立ち寄ることがある。
自然ミッドウェー島のアホウドリ

ミッドウェー島には数々の海鳥が生息する。なお、クロアシアホウドリの世界最大の繁殖地であり、旗になっているコアホウドリも非常に多い。特に、カモメ科の海鳥ではセグロアジサシクロアジサシナンヨウマミジロアジサシ等のアジサシ類が多数生息している。その他、レイサンマガモやレイサンヨシキリ等の固有種も数々存在するが、外来種の侵入や狩猟によって、その多くが絶滅したり、または絶滅危惧種になっている。2011年、2012年、2014年にはイースタン島でアホウドリの繁殖が確認されている[7][8]

自然保護政策の一環として、2006年にアメリカ合衆国ナショナル・モニュメントとなる、北西ハワイ諸島海洋ナショナル・モニュメント(後にパパハナウモクアケア海洋ナショナル・モニュメント)が設置され、ミッドウェー島もそれに含まれている[1]
海洋汚染

ミッドウェイ島野生生物保護区の調査によれば、毎年20トンの漂流・漂着ごみがある。コアホウドリが海洋汚染で海面に浮かんだプラスチックを餌と間違えるため、親鳥から与えられたプラスチックが体内に詰まったヒナの死亡が多発している。毎年5トンのプラスチックが餌としてヒナに与えられていると推測されている[9]。写真家のクリス・ジョーダン(英語版)は、プラスチックが体内にたまって死亡したヒナを数千羽撮影し、映画『ALBATROSS』(2017年)を発表した[9][10][注釈 5]。ジョーダンによれば、漁船の釣り針でも数千羽が死亡しているという[9]
脚注[脚注の使い方]
注釈^ アメリカ初の海外領土とされている。
^ 6月27日にグアムと、7月3日にホノルルと接続され、翌日のアメリカ独立記念日セオドア・ルーズベルト大統領による演説が初めて地球を一周した。
^ 2011年6月16日のデルタ航空ボーイング747(ホノルル発大阪行)や、2014年7月11日のユナイテッド航空ボーイング777-200(ホノルル発グアム行)など。
^ 1999年6月設置。『滄海よ眠れ』と彫られた小さな慰霊碑で、本島北端のクリッパーギャラリー西側にあり、Googleストリートビューで遠望できる。
^ 映画『ALBATROSS』はネットで全編が公開されている[11]

出典^ a b Andrew BEATTY (2016年9月4日). “オバマ米大統領、ミッドウェー環礁を訪問 保護面積4倍に拡大”. AFP通信. 2016年11月19日閲覧。
^ アホウドリと「帝国」日本の拡大、123ページ
^ アホウドリと「帝国」日本の拡大、116-118ページ
^ アホウドリと「帝国」日本の拡大、118-119ページ
^ アホウドリと「帝国」日本の拡大、119-120、123ページ


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