ミスターどん兵衛
監督山城新伍
脚本山城新伍
内藤誠
梶間俊一
製作山城新伍
出演者山城新伍
川谷拓三
長谷直美
せんだみつお
中尾ミエ
結城しのぶ
梅宮辰夫
音楽五木ひろし
撮影中島芳男
『ミスターどん兵衛』(ミスターどんべい)は、1980年公開の日本映画。どん兵衛プロダクション製作、配給・東映。 映画通(狂)を自認する山城新伍の第1回監督作品で[1]、山城が、企画、製作、監督、脚本(共同)、主演を兼ねる[2]。 タイトルは、当時山城と川谷拓三のコンビCMで人気を博した日清食品のうどんカップ麺「どん兵衛」から[3][4][5]。 当時で映画歴21年の山城が、それまで見たこと、聞いたこと、感じたことを総特集する映画界の内幕もの[6]。映画のことしか頭にないB級映画監督とサードの助監督を中心に、映画づくりの現場や映画人の職人気質的な滑稽さをシニカルに描く[7][8][9]。時事ネタとして当時映画界の話題を独占した『影武者』のパロディ等を取り入れている。五木ひろしが初めて映画音楽を担当した[3]。 映画の冒頭、梅宮辰夫扮するガラの悪い撮影所長が、スタッフを前に「おまえら、耳をかっぽじってよお聴けよ。わしが今から商業主義のリアリズムいうもんを教えたる。わが大東映画が栄えたんは、その独創性においてではなく、実に古今の名作を盗みまくってきたからなんじゃ。わしは企画者や監督のオリジナリティなんてもんは絶対に信用せん! ええか、ここでヒットした作品を見てみい。『網走番外地』は『手錠のままの脱獄』、『不良番長』は『地獄の天使』とみんな盗んだもんやないか! ま、一生懸命盗んでも、おまえらの才能ではモトネタと似ても似つかんものになるから問題も起きん」と演説するが[1][10][11]、この撮影所長のモデルは岡田茂[5][12]。山城は「その頃の東映をパロディにしたくて『ミスターどん兵衛』を作った」[12]「当時はパクリばっかだったし、岡田さんが『こんなもん、何で原作使わないかんのか! パクれパクれ!』と言っていた」などと話している[12]。このネタができたのは、岡田は山城の恩師だったためで[13][14]、岡田は山城と花園ひろみの仲人だった[13][15]。また『キネマ旬報』1976年6月上旬号の高田純との対談で 山城「僕は日本の映画が実録路線全盛の時に、なぜ『イヴの総て』や『サンセット大通り』をやらなかったのか、不思議で仕方ないんです。臭いものにはフタじゃなくて、映画界の腐敗ぶり、あせりみたいなものを面白おかしく出せる材料は幾らでもある筈でしょう。『実録・東映株式会社』なんてやったら面白いですよ。悪いヤツいっぱいいるもの(笑) それは広島ヤクザなんかより、よっぽど人脈が入り乱れてますからね...」 高田「『仁義なき戦い・東撮対京撮』なんて、今やっても大傑作になるんじゃないですか。撮影所の中を舞台にした作品は、日本でも何本かあった気はしますけど、本格的な内幕ものは無かったですね」 山城「これは苦肉の策でね。外へ出るのが高くつくみたいなことで、新東宝の末期なんかに『撮影所殺人事件』なんてのが確かにありました」というやりとりがあり[16]、映画の構想はこの辺りからあり、エピソードの多くは1960年代?1970年代の東映と見られる[17][18]。
概要
スタッフ
監督・企画・製作 - 山城新伍
脚本 - 山城新伍、内藤誠、梶間俊一
音楽監督 - 五木ひろし
音楽協力 - 槌田靖識(土田治一)
撮影 - 中島芳男
美術 - 今村力
編集 - 田中修
録音 - 宮田重利
照明 - 山口利雄
助監督 - 阿井正樹、北村成一
企画協力 - 橋本新一
スタジオ - 東映東京撮影所
協力 - 日清食品、マツダ
キャスト
職人監督・夢野新吾 - 山城新伍
助監督・山谷拓二 - 川谷拓三
拓二の恋人・尚美 - 長谷直美
助監督・三木 - 住吉正博
助監督・横田 - せんだみつお
美術助手・原野 - 佐藤蛾次郎
スクリプター・ミーコ - 中尾ミエ
ワンマン所長・川路 - 梅宮辰夫
背景係・工藤 - 汐路章
監督・竜岡 - 寺田農
マリ - 片桐夕子
清純女優・小竹かおり - 結城しのぶ
二枚目・吸血鬼 - 船戸順
スター女優・冬子 - 加賀まりこ
メーキャップ・ハナ子 - 和田アキ子
映画批評家・お松 - 坂本あきら
パー子 - 石井愃一
キャメラマン・鴨川 - 深江章喜
撮影チーフ・団 - 佐藤晟也
録音技師・六さん - 鈴木ヤスシ
マイクマン・マイク - 轟二郎
照明部 - 曽根晴美
守衛さん・レレレ - 三谷昇
白沢明 - 由利徹
製作
企画