2008年、新事業を誘致できる候補地調査でミシガン州は第3位になった。これは投下資本や人口100万人当たりの雇用機会創出数で算出している[58]。2009年8月、ミシガン州とデトロイト市の自動車産業は、電気自動車の製造に対してアメリカ合衆国エネルギー省から13億6,000万ドルの融資を受けた。これは直ぐに6,800人の雇用を生み、2020年までに4万人を雇用できると期待されている[59]。2007年から2009年、ミシガン州は新事業の設立と拡張で全米第3位を維持した[60][61]。
ミシガン大学、ミシガン州立大学およびウェイン州立大学は、指導的研究機関として、州経済と大学研究コリダーの重要なパートナーになっている。ミシガン州の公立大学は毎年15億ドル以上の研究開発投資を集めている[18]。国立超伝導サイクロトロン研究所がミシガン州立大学内にある。ミシガン州の労働力は教養があり、熟練度が高いので企業にとっては魅力的である。大学工学系卒業者の数は国内第3位である[62]。
デトロイト・メトロポリタン空港は、国内でも新しく拡張され近代化された空港であり、滑走路は6本、ボーイング747を整備修理できる大型機保守設備があり、デルタ航空の主要中継点になっている。州内の学校やカレッジは国内でも評価が高い。昔から公共教育には熱心に関わってきた。喫水の深い港が38ある。2007年、バンク・オブ・アメリカは州内トロイ市のラサール銀行買収に続いて、州内のコミュニティ開発に250億ドルを融資すると発表した[63]。
2010年には雇用数改善率で国内トップクラスになった[64]。 ミシガン州の個人所得税は一律4.25%の税率になっている。さらに22の都市が所得税を上乗せしており、4都市を除き税率は住民に1%、非住民の0.5%である[65]。消費税は6%であり、食品や医療費は免税である。資産税は地方レベルで評価されるが、資産所有者の評価額は州教育税として6ミル(資産価値1,000ドルについて6ドル)が課税される。資産税は地方審査委員会に不服申し立てすることができ、また州法や地方検証を超えて課税する場合は地元有権者の承認を必要とする。2011年、ミシガン州は事業税を撤廃し、6%の事業所得税を導入した。これにより事業の税負担は減った[66][67]。州憲法第9条には、州が課税する額の上限も定めている。 州内では多くの種類の穀類、果物、野菜が栽培されており、その多様さではカリフォルニア州に次いで第2位である[68]。農地の総面積は1,000万エーカー (40,000 km2)、農場は55,000あり、2008年の生産高は66億ドルだった[69]。最も販売額が多いのは牛乳である。主要作物としては、トウモロコシ、大豆、花卉、小麦、テンサイ、ジャガイモがある。飼育されている牛は100万頭、豚100万頭、羊78,000頭、鶏300万羽以上である。穀物生産高が農業生産高の過半数であるが、家畜生産高は38%に相当している。 果物の生産でも国内上位にあり、ブルーベリー、サクランボ、リンゴ、ブドウ、モモなどを栽培している。プラム、ナシ、イチゴも栽培されている。ミシガン湖の温暖化効果があるので、果物は州西部で主に栽培されている。ワインとビール、さらに加工食品も多い。ケロッグのシリアルはバトルクリークを本拠にしており、地元で採れた産品を加工している。他にもソーンアップバレー、ボールパークフランクス、ケーゲルミート、ヘブリューナショナル・ソーセージなどの会社が州内に本社を置いている。 フリントとトリシティーズ、ロウアー半島のサム地域は土壌が大変肥沃である。この地域で栽培される作物は、トウモロコシ、テンサイ、シロインゲン豆、大豆がある。テンサイは通常10月始めに収穫が始まる。砂糖工場は約5か月を使って、3,700万トンのテンサイを、43万トンの白糖に加工している[70]。最大の精糖会社はミシガンシュガー社であり[71]、ミシシッピ川以東では最大、国内第4位である。ブランドネームとして、パイオニアシュガーと新しいビッグチーフシュガーがある。ジャガイモは州北部で、トウモロコシは中央部での生産が多い。アルファルファ、キュウリ、アスパラガスも栽培されている。
税
農業ミシガン州はサクランボ、ブルーベリー、キュウリ、赤インゲン豆、ペチュニアの生産では国内上位にある
観光業「w:List of National Historic Landmarks in Michigan」、「w:List of Registered Historic Places in Michigan
ミシガン州の観光業は年間247億ドルを売り上げており、224,476を雇用している[15]。観光業のウェブサイトは国内でも閲覧数が多い方である。国内およびカナダから休暇を過ごす者、狩猟者、自然愛好家などを惹き付けている。州内の土地は半分が森林であり、その多くは遠隔地にある。森林、湖、および数千マイルにおよぶその湖岸線が観光地になっている。チューリップ祭や全国サクラ祭など多くの観客を呼ぶ行事もある。
2006年、ミシガン州教育委員会は、州内全ての公立学校がレーバーデイの後の最初の日を休日とすることを義務づけた。これは新しいポストレーバーデイ学校法に拠っている。調査に拠れば、州内観光収入の70%は直接州民から上がっており、ホテル・モーテル・リゾート協会は、学校年の間の短い夏が、州内の観光シーズンには障害になると主張している[72]。
デトロイト大都市圏も観光地になっており、特にヘンリーフォード博物館、デトロイト美術館、デトロイト動物園が有名であり、スポーツも観光資源になっている。博物館としてはデトロイト歴史博物館、チャールズ・H・ライト・アフリカ系アメリカ人歴史博物館、クランブルック教育コミュニティの博物館、アラブ系アメリカ人国定博物館がある。MGMグランドデトロイト、グリークタウン、モーターシティ、シーザーズウィンザー(カナダ、オンタリオ州)という4つの大きなカジノがある[73]。ミシガン湖岸、ホランド州立公園
狩猟と釣りも重要な産業になっている。サケ、マス、ウォールアイ、パーチを釣るために五大湖の多くの都市には貸しボート屋がある。狩猟免許の取得者数は国内最大であり、それだけで年間20億ドルに上る。100万人の狩猟者のうち4分の3以上はオジロジカ狩猟シーズンにのみ入っている。州内田園部の教育学区の多くは、オジロジカの解禁日に学校を休ませている。
州自然資源省は国内最大の州有林を管理している。林業と余暇利用で120億ドルの売り上げになっており、20万人の雇用に繋がっている。広大な商業林にはハイキングや狩猟用の経路も確保されている。ゴルフ場の数や登録されたスノーモービルの数も国内最大である[74]。
州内には数多い歴史銘板が建てられており、それ自体が観光地になっている。五大湖周遊ツアーは5つの湖とセントローレンス川を繋ぐ指定景観道路体系である[75]。
五大湖に接する位置関係から、また人や貨物を運ぶ輸送路に使われた長年の間に沈没した船も多いことから、世界的なスクーバダイビングの観光地にもなっている。ミシガン州水中保存地は11の地域が指定され、スポーツダイビングを楽しむ人のための難船が保存されている。 カナダのオンタリオ州との間に下記9つの国境通過ルートがある。 デトロイトとオンタリオ州ウィンザーの間には2つ目の国際橋が建設中である[76]。 スーセントマリー運河の閘門は世界で最も稼動している水門である。運河そのものも、通航する船舶の数では世界有数である。
交通
カナダ = アメリカ合衆国国境
アンバサダー橋、デトロイト川に架かる北アメリカで最も繁華な国境ルート
ブルーウォーター橋、2径間橋、ポートヒューロンとオンタリオ州ポイントエドワードの間
ブルーウォーター・フェリー、マリーンシティとオンタリオ州ソンブラの間
カナダ太平洋鉄道トンネル
デトロイト・ウィンザー・トラックフェリー、デトロイトとオンタリオ州ウィンザーの間
デトロイト・ウィンザー・トンネル
スーセントマリー国際橋、スーセントマリーとオンタリオ州スーセントマリーの間
セントクレア川鉄道トンネル、ポートヒューロンとオンタリオ州サーニアの間
ウォルポール島フェリー、アルゴナックとオンタリオ州ウォルポール島ファーストネーションの間
鉄道「w:List of Michigan railroads」および「w:History of railroads in Michigan
州内には一級鉄道が4社ある。すなわちカナディアン・ナショナル鉄道、カナダ太平洋鉄道、CSXトランスポーテーション、ノーフォーク・サザン鉄道である。これらを数多い短線鉄道が補っている。鉄道は大半が貨物輸送に使われ、アムトラックと幾つかの景観鉄道が旅客用である[77]。
アムトラックの旅客鉄道は州南部と西部の都市をシカゴと繋いでいる。